「暗中模索」という言葉をご存知でしょうか。「暗中模索のまま」「暗中模索の状態」などと、ニュースなどで聞いたことがあるという方も多いかと思います。では、「暗中模索」の意味についてきちんと理解しているでしょうか。使ったことがある人も、具体的な意味や適切な使い方については曖昧だといったように疑問に思うことが少なくはないでしょう。言葉を正しく使用するためには、しっかりと確認しておきたいですよね。そこで今回は「暗中模索」の意味や使い方、類語、「五里霧中」との違いについて解説していきます。「暗中模索」を覚えて、日常会話でも上手く使いこなせるようにしましょう!
「暗中模索」は<あんちゅうもさく>と読みます。 「暗中摸索」と書くこともありますが、稀です。 「暗中模索」の意味は「手掛かりのない物事をさがしもとめること」です。 手掛かりのないまま、あれこれと試してみること・色々とやってみて事態を打開しようとすることを表します。 「暗中」は「くらがり。やみのなか」を意味します。 「模索」は「手さぐりで探すこと。状況が不明の中で色々と試みること」を意味します。 中国の故事「有名な人に会ったら、暗闇を探ってでも彼らを知りたい」に由来しています。 元々「暗中模索」は「くらやみの中で、手さぐりであれこれと探すこと」を意味していましたが、転じて「手がかりがないまま、いろいろとやってみること」を表すようになりました。
方向性が決まっていなく、先が見えない状況で様々な方法に取り組み事態を打開することを「暗中模索」と表します。 目標に向かって試行錯誤している姿勢を表現しているので、前向きな言葉として使われます。 例えば、「新しい企画の内容を決めなくてはいけないのですが、まだ暗中模索の状態です...」といった場合は「新しい企画を決定しなければいけないが、まだ方向性がなくあれこれと試している状態だ」という意味になります。 明らかな方法がなく、あれこれと試みることを「暗中模索」と言うので、出口は見えないけれども何とか試してみないといけない場面などで使うのが適しています。 主に、企画やプロジェクトなどの方針や方法を決める場合に使うことが多いです。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「五里霧中」は<ごりむちゅう>と読みます。 「五里夢中」と書いてしまわないように注意しましょう。 「五里霧中」の意味は「現在の状態が分からず、見通しや方針の全く立たないことのたとえ」です。 心が迷ってしまい、考えが定まらないこと・物事の判断がつかず、方針や見込みが立たないことを表します。 五里四方に霧が発生している道では、何も見えなくどちらに進めばいいか分からないので、手探りで行くしかないことから「五里霧中」という言葉ができました。 「暗中模索」は「手掛かりのないまま、あれこれと試してみること」 「五里霧中」は「現状や物事の様子がまったく分からず、今後の方針や見込みが立たないこと」 「暗中模索」は「どうしてよいか分からないがとりあえず行動すること」で、「五里霧中」は「本当にどうすればよいか分からないこと」を表します。 「暗中模索」よりも「五里霧中」の方が、立ち止まっている・戸惑っている印象が強いです。
例文
手探り (意味:手先の感じを頼りにして探り求めること) 「この計画はまだ手探りの状態である」 手弄り<てまさぐり> (意味:手先でもてあそぶこと。てなぐさみ) 「手弄りで電源ボタンを押す」 模索 (意味:手さぐりで探すこと。状況が不明の中で色々と試みること) 「解決策を模索しなければならない」 捜査 (意味:探して取り調べること) 「一刻も早い解決を求めて、捜査を進める」 探索 (意味:さぐり求めること。さがしたずねること) 「姿を消したものを探索する」 詮索<せんさく> (意味:細かいところまで、調べ求めること) 「根掘り葉掘りと彼女を詮索する」 洗い出す (意味:丹念に調べて、隠されていら物事や事情を明らかにする) 「重大な問題点を洗い出す」 探る (意味:眼前に確かめられないものを手足の感覚によって探し求めること) 「ポケットを探っても携帯はなかった」
明々白々 (意味:非常に明白なさま) 「明々白々たる証拠が見つかる」 顕著<けんちょ> (意味:いちじるしいこと。きわだって目につくこと) 「人材不足が顕著になる」 明瞭<めいりょう> (意味:あきらかであること。はっきりしていること) 「事故に遭ったものの意識は明瞭である」 一目瞭然<いちもくりょうぜん> (意味:一目見てよくわかること) 「彼女の様子を見れば、上手くいかなかったのは一目瞭然だ」 歴然 (意味:次々と並ぶさま。また、ありありとしているさま) 「歴然たる発言を残している」 明らか (意味:物事がはっきりとしているさま) 「彼が怪しいのは明らかである」 明確 (意味:明らかで確実なこと。はっきりしていること) 「それが正しいかはいまひとつ明確でない」 しっかり (意味:十分に、また確実に物事を行うさま) 「元気にいるためには、しっかりと食べる必要がある」 鮮明 (意味:あざやかで明らかなこと。はっきりとしていること) 「その事については鮮明に覚えている」
「暗中模索」以外にも、「暗中」を使った四字熟語があるので紹介します。 「暗中飛躍(あんちゅうひやく)」==> 世間に知れないようにひそかに策動すること。暗躍 (例):思いもよらない形で決着がついたのは、仲間の暗中飛躍があったからである。 「暗中摸捉(あんちゅうもそく)」==> 手がかりが掴めない中でも、あれこれと探し求めること (例):何一つヒントが見つからなくても、とりあえず暗中摸捉してみることが大切だ。
「暗中模索する」に一番近い英語表現は「grope」になります。 「grope for...」で「...を暗中模索する」という意味になります。 「grope」は暗闇の中で具体的なものを探すときに使います。 なので、抽象度の高いものを探す場合は「look for」になります。 「grope」には「痴漢」という意味もあります。
She groped for her pen in the dark room.
彼女は暗い部屋でペンを暗中模索した。
He has been looking for the meaning of life.
彼は生きる意味を暗中模索している。
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「暗中模索」について理解できたでしょうか? ✔︎「暗中模索」は「あんちゅうもさく」と読む ✔︎「暗中模索」は「手掛かりのないまま、あれこれと試してみて事態を打開すること」を意味 ✔︎「暗中模索」よりも「五里霧中」の方が、立ち止まっている印象が強くなる ✔︎「暗中模索」の類語には、「手探り」「模索」「探索」などがある