「手間」という言葉をご存知でしょうか。「手間がかかる」「手間を省く」などと聞いたことがあると思います。「手間をかける」という表現はよく使いますが、「手間をかける」の正しい敬語表現について分からないという方も多いのではないでしょうか。相手に迷惑をかけてしまったときは、スマートに謝罪できるといいですよね。そこで今回は「手間」の意味や使い方、「手間をかける」の敬語表現について解説していきます。正しい敬語表現を知って、上手く使いこなせるようにしましょう。
「手間」の意味は、
となります。 「手間」は「ある事のために費やす時間、労力」という意味で使われることがほとんどです。 「手」は音読みだと「シュ」、訓読みだと「て」「た」と読みます。 「手」は「手わざ・腕前」「仕事や役割をもつ人」を意味します。 「間」は音読みだと「カン」、訓読みだと「あいだ」「ま」と読みます。 「間」は「二つの物のあいだ」「二つの時点のあいだ」を意味します。
「手間」のよく使う言い回し
「手間」を含んだ熟語である「手間暇」などは記事の後半で解説します。
「手間がかかる」はある事を、時間・労力を惜しまずに達成した場合に使います。 例えば、「意外にも課題に手間がかかってしまった」「手間をかけて、誕生日会のために色々と準備をする」といったように用います。 「手間を省く」はある事を、時間や労力をかけずに行うときに使います。 例えば、「わざわざそこへ行く手間を省く」「注文するたびに個人情報を入力する手間を省く」といったように用います。
例文
「手間」を敬語表現にするには、尊敬を意味する接頭語の「お」を付けて「お手間」とします。 「お手間」は「ある事に対して時間や労力を費やすこと」を表します。 「お手間」を使った言い回しは、
となります。 自分が手間をかけた場合は、手間を”かける”を使いますが、ある事を相手がしてくれた場合は、”かける”ではなく、手間を”取らせる”にします。
◯自分が時間や労力を費やした場合・・・「手間をかける」 ◯相手が時間や労力を費やした場合・・・「手間を取らせる」
目上の人の場合、正しくは「お手間を取らせる」とします。 「お手間を取らせる」は相手が自分のために時間や労力を割くことを、お願い・お詫びをするときに使うことが多いです。 例えば、自分の都合で何かをお願いしたいときは「お忙しい中、お手間を取らせてしまいますが〜」といったように、クッション言葉として使います。 また、依頼したことが終わったときに「お手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」といった場合は、謝罪の言葉として用います。
例文
「手数」は<てすう>と読みます。 「手数」は、
を意味します。 「手数」は「ある物事を達成するために必要な労力」を指します。”ある物事”とは、自分以外の第三者のために行う物事です。 ですので、「お手数おかけしますが」は「こちらの依頼や要求に対して、労力や動作をかけさせますが」という意味になります。 例えば、「お手数をおかけしますが、◯◯の件についてご確認のほどよろしくお願いいたします」と言った場合は、「自分が頼んだことによって、相手に何らかの労力や時間を割いてもらって申し訳ない」というお詫びの気持ちが含まれます。 「お手数おかけしますが、明日またご連絡いたします」などと、自分に対しては使用できないので注意しましょう。 「お手数をおかけします」は「お手数」と「おかけする」の「お」が尊敬語なので、厳密には二重敬語ですが、一般的に使われているので使用しても問題ありません。 「手間」が”自分や相手が、仕事や依頼に対して行う時間や労力”なのに対して、「手数」は”自分や相手が主に自分以外の誰かのために、仕事や依頼に対して行う時間や労力”を表します。
例文
「手数」は<てかず>とも読みます。 「手数」の意味は、
となります。 例えば、「手数(てかず)と報酬の割りが合わない」「手数(てかず)の割には給与が少ない」「手数のかかる料理」などと使います。
「コスト」の意味は、
となります。 「コスト」は金銭を表しているイメージが強いですが、”時間や労力”なども意味します。 「コストが要る」「コストを要する」「コストがかかる」「コストを必要とする」などと使います。 「コスト」はカタカナ語ですが、日本語として定着しているのでどのような企業でも使用するのは問題ないでしょう。
例文
「負担」の意味は、
となります。 「ご負担」は「相手に手間を取らせること」を意味します。 「ご負担」は「お手間」と同様、面倒や苦労をかけた場合に使い、他にも金銭面での援助をお願いしたい場合にも使います。
例文
「ご足労」は”相手が来ること、行くことを敬っていう語”です。 「ご足労」は「足を苦労させた」「足を働かせる」という意味合いになります。 「ご足労」は「本来は自分から出向かなければいけないところ、わざわざいらしていただいてすみません」というニュアンスで、基本的に、本来自分が訪問しなくてはいけないところを相手が来訪してくれた場合に使います。 主に「ご足労いただき〜」「ご足労いただきまして〜」などと用います。
例文
「手間暇」は「手間とひま」「労力と時間」を意味します。 「暇」は「事をするための一定の時間」を表します。 「手間暇をかける」といった場合は、”時間・労力・技能も十分に費やし、丹念に制作する”ことを表します。 「手間をかける」というよりも「手間暇をかける」といった方が、”時間を十分に費やす”という意味合いが強くなります。
例文
「手間仕事」は、
を意味します。 「手間仕事」は「時間や労力がかかる仕事」という意味合いになります。 例えば、「手間仕事を嫌う」「手間仕事を厭わない」などと言いますよね。
例文
「手間損」は「手間ばかりかかって効果のないこと」を意味します。 「手間損」は文字通り、”手間を損する”という意味になります。 「あんなに時間や労力がかかったのに、結局何も効果はなかった」という時に使います。
例文
「手間賃」は「職人などの手間に対して支払われる賃金」を意味します。 「手間代」は「手間に対する報酬」を意味します。
例文
「二度手間」は「一度ですむところを、さらに手間をかけること」を意味します。 「二度手間」はよく日常会話でも使いますよね。「二度手間になってしまい申し訳ありません」「二度手間だが忘れ物を取りに戻る」などと使います。
例文
「手間」「手数」という日本語は幅広く使うことができますが、英語では「時間」を指しているのか「労力」なのか、「迷惑をかけている」のか具体的に書く必要があります。 「時間」ならば、
などです。 「労力」ならば、
などです。 「迷惑」なら、
などです。
Getting the working visa for USA requires a lot of work.
米国で労働ビザを取るのはかなり手間がかかる。
I'm sorry to trouble you, but could you please send the document again?
お手数おかけして申し訳ありませんが、もう一度資料を送ってもらってもいいですか?
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「手間」について理解できたでしょうか? ✔︎「手間」は「ある事のために費やす時間、労力」を意味する ✔︎「手間がかかる」「手間を省く」などと使う ✔︎ 相手に対して使う場合は「お手間」とする ✔︎「手間」を使った熟語には、「手間暇」「手間仕事」などがある