「唖然」という言葉をご存知でしょうか。「唖然とする」「唖然とした表情で」などと使います。比較的よく使われる言葉なので、聞き覚えがありますよね。では、「唖然」はどのような意味なのでしょうか。「唖然」は正しくない意味で使われていることも多いです。使用するときは適切に使いこなしたいですよね。また、「呆然」や「愕然」などといった似た言葉がありますが、何か違いはあるのでしょうか。結構知らないことが多いですよね。そこで今回は「唖然」の意味や使い方、読み方、類語との違いについて解説していきます。「唖然」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「唖然」は<あぜん>と読みます。 「啞然」「ア然」と書くこともありますが、「唖然」とするのが一般的です。 「唖」は音読みで「ア」と読みます。 「唖」は「言葉を発することができないこと」を意味します。 「然」は音読みで「ゼン・ネン」、訓読みで「しかり・しかし・しかも・さる」と読みます。 「然」は 「他の語を伴って状態を表す語」を意味します。 「唖」は「口」を意味する「口」+「アと言葉にならないような声」を意味する「亜」で成り立っています。 このことから、「笑った声。口がきけない人。びっくりした時に出る声」を意味するようになりました。 「然」の上の部分は「切った肉の形」と「耳が立っている犬」、下の部分は「燃えている火」を意味しています。 このことから、「何かものが燃えている様子。しかり。状態を表す語」を意味するようになりました。
「唖然」の意味は「予想していなかった事に驚き、あきれて言葉が出ないさま」です。 思いがけなかった物事にびっくりしたり、呆れることによって、あいた口が塞がらない様子を表します。 単に「驚く」ということではなく、「呆れ果てる」という気持ちが含まれます。 誰かの行動や何か物事に驚いて、『・・・』と何て言ったら良いのか分からなくなる状態に陥ることってありますよね。 そのような状態が「唖然」です。
思いがけない出来事のひどさや意外さに、言葉が出ないほど驚くことを表す場合に「唖然」を使います。 例えば、「何の兆しもなく友人が腕に刺繍を入れてきて、唖然としてしまった」などと言います。これは「突然、友人が刺繍を入れてきて驚き呆れてしまった」という意味になります。 「唖然」は「思ったよりも値段が高くて唖然とした」などとマイナスなイメージを伴い使う場合と、「完成した作品の素晴らしさに唖然とした」などとプラスなイメージを伴い使うこともできます。 「唖然」はあいた口が塞がらないほど想像を超える出来事に直面したり、的を外れた人物に遭遇した場合に使うので、少々驚いた程度の場合には使えません。 言い回しとしては、
などとなります。
例文 「呆れる」という意味
「感動する」という意味
「呆然・茫然」の意味は「予想していなかった出来事に、呆気に取られてぼんやりするさま」です。 「呆然」と「茫然」は同じように使うことができます。 「唖然」は「予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま」 「呆然・茫然」は「思いがけない事に驚き、そのショックで動けずにいるさま」 「唖然」と「呆然・茫然」はどちらも「予想外の出来事にぼんやりとしてしまう様子」を表しますが、意味合いが異なります。 「唖然」は「驚き呆れてぼんやりとするさま」、「呆然・茫然」は「ショックでぼんやりとするさま」を表します。 言葉が出ないだけの「唖然」と比べて、何もできない「呆然・茫然」の方が重症となります。 また、「茫然自失」という表現があります。これは「驚き呆れて、我を忘れてしまうこと」を意味します。 この場合は「呆然自失」とは言えないので注意しましょう。
例文
「愕然」の意味は「ある事を受けて、非常に驚くさま」です。 「愕」には「思いがけない出来事にに慌て驚く」という意味があります。 「唖然」は「予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま」 「愕然」は「衝撃を受けて、ひどく驚くさま」 「唖然」は「驚いている様子」を表しているのに対して、「愕然」は「心の状態」を表しています。 「唖然」よりも「愕然」の方が、驚きの度合いが強くなります。 ですので、「信じられないほど驚いた」「ものすごく驚く」状態を表したい場合は「愕然」を使うのが良いでしょう。
例文
呆気にとられる (意味:予想外のことにあって驚くこと) 「映画の結末に呆気にとられる」 あいた口が塞がらない (意味:あまりにも驚いて、あきれてしまうこと) 「彼の馬鹿さにはあいた口が塞がらないよ」 呆れて物が言えない (意味:驚き呆れて、言葉が出ないこと) 「その結果には呆れて物が言えない」 あんぐり (意味:驚き呆れて、大きく空いてしまった口が閉まらないこと) 「驚きのあまりあんぐりしてしまう」 狼狽(ろうばい) (意味:驚いて慌てふためくこと) 「彼女は狼狽したままだった」 驚愕(きょうがく) (意味:ひどく驚くこと) 「驚愕の顔をしたまま立ち尽くしている」 二の句が継げない (意味:驚き呆れて、次の言葉が出ないこと) 「あまりにもびっくりして二の句が継げない」 度肝を抜かれる (意味:ひどく驚くこと) 「そのドッキリには度肝を抜かれた」 動揺する (意味:びっくりしたり、呆れて心が落ち着かないこと) 「誰が見ても明らかなほど動揺している」 衝撃を受ける (意味:驚いて大きく動揺してしまうさま) 「そのニュースには衝撃を受けた」 言葉を失う (意味:衝撃や感動のあまりに、何も言えなくなること) 「あまりにも素晴らしくて言葉を失う」 絶句する (意味:言葉が途中で詰まってしまうこと) 「急に知らせに絶句する」 息を呑む (意味:驚いてハッと息を吸うこと) 「予想外の出来事に息を呑む」 肝を冷やす (意味:驚き呆れてしまう) 「彼女の発言に肝を冷やす」 言葉が見つからない (意味:驚きのあまり言葉が出てこないこと) 「衝撃的で言葉が見つからない」
「唖然失笑」とは「驚き呆れて、おもわず笑ってしまうこと」です。 驚いたり呆れてしまったりして、我慢しきれずについ笑ってしまう様子を表します。 「笑ってはいけないんだけど、あまりの驚きで全くこらえられない...」というニュアンスです。 ちなみに「失笑」は、「笑いも出ないほど呆れる」「笑いを通り越して呆れてしまう」という意味ではありません。 正しくは「(笑ってはならないような場面で)おかしさに堪えきれず、吹き出して笑うこと」です。
例文
「驚いて呆れる」の英語表現は、「」「be astounded by」がピッタリです。 「astounded」は、単に「驚く」を意味する「surprised」「astonished」より強意的で、「仰天する」「呆れる」というニュアンスを含みます。「astounded」は日本語の「唖然」と同じように、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使うことができます。 「astounded」を簡単な英語で表現すると「be shocked by」になります。
I was astounded by this company's situation where no one is working hard.
誰も一生懸命働いていないこの会社の状況に私は唖然とした。
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「唖然」について理解できたでしょうか? ✔︎「唖然」は「あぜん」と読む ✔︎「唖然」は「予想していなかった事に驚き、あきれて言葉が出ないさま」を意味 ✔︎「唖然する」は、マイナスな意味でもプラスの意味でも使うことができる ✔︎「唖然」の類語には、「呆気にとられる」「あいた口が塞がらない」「絶句する」などがある