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「盤石」の意味と使い方、類語、対義語、四字熟語、「磐石」との違い

「盤石」という言葉をご存知でしょうか。「盤石の基礎を築く」「盤石の体制で挑む」などと聞いたことがあると思います。ビジネスシーンのやりとりでも使われ、ニュースや新聞記事などにも頻繁に出てきます。ただ、「盤石」というとなんとなく難しそうな意味をイメージしますよね。意味だけでなく読み方も分からないという人も多いはずです。前後の文脈から意味を推測しているかと思いますが、正しく使うにはしっかりとポイントを押さえておく必要があります。そこで今回は「盤石」の意味や使い方、類語、「磐石」との違いについて解説していきます。

「盤石」の読み方と意味

「盤石」は<ばんじゃく>と読みます。 「ばんせき」と読むこともありますが、極めて稀です。 「盤」は音読みで「バン」と読みます。 「盤」は「大きな平たい岩。支えとなる堅い土台」を意味します。 「石」は音読みで「セキ・シャク」、訓読みで「いし」と読みます。 「石」は「堅固なもの、無価値なものなどのたとえ」を意味します。 「盤石」の意味は、 1.大きな岩。重くて大きな石。いわお 2.極めて堅固なこと。安定していて、動かないこと です。 堅固でしっかりしていてビクともしないこと・非常に安定していて壊れにくいことを表します。

「盤石」に「脆弱」という意味はない

「ばんじゃく」という読み方の「じゃく」に引っ張られ「弱」を想像し、なんとなく「弱いこと、ダメなこと」という意味合いで誤用している人がたまに見受けられます。 そのように「弱」という漢字と意味を持つ熟語は「脆弱(ぜいじゃく)」になります。 「脆弱」の意味は「身体・器物・組織などが、もろく弱いこと」です。 「脆」は「壊れやすい。もろい」、「弱」は「よわい」を意味します。 「脆弱な身体」「脆弱な構造」「脆弱な神経」などと使います。 また、「脆弱性」という言葉もあります。 「脆弱性」とは「もろくて弱い性質。コンピューターネットワークにおける安全上の欠陥」を意味します。 「盤石」には「脆弱」という意味は含まれないので注意しましょう。

例文

  • 脆弱な体質のため、身体を壊しがちである。
  • その組織はとても脆弱なため、ちょっとした問題で崩れてしまうだろう。
  • パソコンを脆弱性が残された状態で使ってしまうとすぐに壊れる。

「盤石」の語源

「盤」という漢字は「船」+「皿」から成り立っていて、「渡し舟の象形と手に木の杖を持っている象形」+「食べ物を守る皿」を表します。「大きな船ようなたらい(さら)」から「大きな岩」を意味する「盤」という漢字ができました。 「石」という漢字は「崖の下に落ちている、いしの象形」から「石」という漢字が成り立ちました。 元々、「盤石」とは「不動明王が座している土台のこと」です。 「土台」は金剛石とされているダイヤモンドの原石を指します。お経だと不動明王は『金剛王に座し』と書かれています。 不動明王は、仏教守護の明王・五大明王の中心となる明王です。 人の煩悩を焼き尽くしてしまい、人を救済しようという固い意志を持った存在となります。 この、不動明王が座している固いダイヤモンドの土台から「安定していて、少しのことでは動かないさま。堅固なこと」を意味する「盤石」ができました。

「盤石」の使い方と例文

「磐石」には上記で説明したように2つの意味がありますが、主に「極めて堅固なこと」という意味で使います。 日常会話や文章で「磐石」が出てきた場合は、こちらの意味と捉えて良いでしょう。 極めて堅固なのでちょっとのことでは動かない・壊れにくいということを表す場合に「磐石」と使います。 例えば、「もっと上を目指していくためには盤石な組織を作り上げなくてはならない」といった場合は「もっと上を目指していくためには安定して少しのことでは動かない堅固な組織を作り上げるべき」という意味になります。 他にも、「磐石な体制で試合に臨む」といった場合は「安定した極めて堅固な体制で試合の挑む」ことを表します。 言い回してとしては、

  • 盤石な構え
  • 盤石な組織
  • 盤石を期す
  • 盤石の地位
  • 磐石の自信
  • 盤石のごとく

などとなります。 それでは、例文を見ていきましょう。

例文

  • 物事を順調に進めていくために、盤石の基礎を築く。
  • 敵は盤石の構えであるので、しっかりと対策を練らないと。
  • 彼みたいなリーダーシップのある人物がいれば、しばらく磐石なチームを維持できるだろう。
  • この施設は大きな地震があっても決して壊れない、盤石な建物である。
  • 必ず成功させるためにも、盤石の姿勢で新しいプロジェクトに励む。
  • 今回の大会のメンバーからすると、磐石の構えで挑むのだろう。
  • 盤石のごとく、彼の主張は一切変わることはない。
  • 彼が一番上の役職に就任したと同時に、磐石な体制を整えた。
  • 彼の地位は盤石なものとなった。

漢字「盤石」と「磐石」の違い

「ばんじゃく」は「磐石」と書くこともあります。 「磐石」と「盤石」では意味の違いはありません。 「磐」は「平らで大きな岩」を意味します。 「磐」も「盤」もどちらも「大きな岩」を表していて、転じて「堅固で揺るぎない様子」を意味するようになりました。 「盤石」でも「磐石」でも同じですが、「磐」は常用外漢字のため、基本的に「盤」を使うことが多いです。 また、「大盤石」「大磐石」という言葉もあります。 これは、「物事の基礎がしっかりとしていて、堅固で揺るぎないこと」を意味します。 ちなみに、「磐石力勝」「磐石熊太郎」などと「磐石」は大相撲の力士名としてもよく使われています。

「盤石」の類語

「大きな岩」という意味の類語

巨礫<きょれき> (意味:直径256mm以上の礫である) 「巨礫を目印にする」 漂石<ひょうせき> (意味:氷河に運ばれた岩石が、氷河の解けたあとに残ったもの) 「漂石を発見する」 転太 (意味:枝を取り除いた後の大きな木の幹の部分) 「転太が転がっている」

「極めて堅固なこと」という意味の類語

不動 (意味:動かないこと。他によって心が動かされないこと) 「不動の姿勢を貫く」 堅固<けんご> (意味:物のかたくしっかりしていること。心がしっかりと定まって動かないこと) 「堅固な決心を固め、断固として屈しない」 鉄壁 (意味:堅固な壁。非常に固い守り) 「鉄壁な守備を目指す」 堅牢<けんろう> (意味:かたくて丈夫なこと) 「堅牢な家を建てる」 万全 (意味:全てに完全で少しも手落ちのないこと) 「万全の用意を施す」 難攻不落 (意味:攻めにくく容易に陥落しないこと。いくら働きかけてもなかなかこちらの思い通りにならないこと) 「人気がある子を引き抜こうとしたが難攻不落であった」 肝の据わった (意味:度胸があって並大抵のことでは動揺したり不安がったりしないさま) 「あの人は肝が据わっていて何事にも動じない」

「盤石」の対義語

不安定 (意味:安定しないこと。落ち着かないさま) 「この机は不安定でいつか壊れてしまいそうだ」 不十分 (意味:十分でないこと。足りないところのあること) 「証拠が不十分のため、無罪となった」 脆い<もろい> (意味:壊れやすい。砕けやすい。すぐに心を動かされるたちである) 「あの人は情に脆い」 粗雑 (意味:精密でないこと。あらくてぞんざいなこと) 「仕事の出来が粗雑になる」 虚弱 (意味:体力がなく、弱いこと。また、勢いが弱いこと) 「彼は虚弱だから、優しく接してあげなくては」

「盤石」を含む四字熟語

堅如磐石(けんにょばんじゃく)

「堅如磐石」は「どっしりとした大きな岩のように揺るぎない、不動のたとえ」です。 「堅」は「引き締まってかたい」、「如」は「そのとおり。そのまま」を意味します。 「堅如磐石」をそのまま訳すと「堅きこと磐石のごとし」となります。 「堅如磐石の自信」「堅如磐石の体制」などと言うと、「磐石」と言うよりも「揺るぎない」という気持ちが強くなります。

盤石之固(ばんじゃくのかため)

「盤石之固」は「並外れて堅固なこと。しっかりと安定していて揺れ動かないこと」です。 「固」は「がっちりかたまって動かない様子」を意味します。 「盤石之固」は「あまりにも安定して付け入る隙がない」というニュアンスになります。 より「固くて全く揺るがない」ということを強調したい場合は「盤石之固」を使うのが良いでしょう。

「盤石」の英語

「robust」「solid」など

「盤石」は英語で、

  • robust
  • solid

などが当てはまります。 「大きい岩」という意味ならば「big rock」「huge rock」といいます。

They built a very solid structure.

彼らは盤石な構造を築いた。

Japan has not made use of the robust economy.

日本は盤石な経済の活かせないでいる。

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まとめ

「盤石」について理解できたでしょうか? ✔︎「盤石」は「ばんじゃく」と読む ✔︎「盤石」は「大きな岩。極めて堅固なこと」を意味 ✔︎「盤石な自信」「盤石な体制」「盤石な地位」などと使う ✔︎「盤石」の類語には、「漂石」「不動」「難攻不落」などがある

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