「陶酔」という言葉をご存知でしょうか。「自己陶酔」「演奏に陶酔する」などと使います。使い方からしてあまり良いイメージをしませんが、どのような意味なのでしょうか。日常会話でも使うことが多い表現なので、しっかりと意味を知っておきたいですよね。また、「陶酔」に似た言葉には「心酔」や「恍惚」があります。何が違って、どのように使い分けするのでしょうか。色々と疑問に思いますよね。そこで今回は「陶酔」の意味や使い方、語源、類語について解説していきます。「陶酔」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「陶酔」は<とうすい>と読みます。 「淘酔」と書かないように注意しましょう。 「陶」は音読みで「トウ」、訓読みで「すえ」と読みます。 「陶」は「緊張が和らいで楽しいこと」を意味します。 「酔」は音読みで「スイ」、訓読みで「よう」と読みます。 「酔」は「気持ちを奪われること」を意味します。 「陶酔」の意味は、 1.気分良く酔うこと 2.ほれぼれとするほど、その境地に浸ること です。 心地よく酔って気持ちいいこと・ある物事に心を奪われてうっとりと気持ちがいいことを表します。 「気分が良い」「快適である」などと、非常に惚れ惚れとしている状態を指しています。
心を奪われて、すっかり魅力にはまってしまうことを表す場合に「陶酔」を使います。 「陶酔」は何か美しいものや、素晴らしいものを見たときのうっとりとした気分を表すときに使うのが適します。 例えば、演奏を聴いたとき・美しい景色を見たとき・感動的な演劇を見たときなどに使うのが良いでしょう。 言い回しとしては、
などとなります。 よく「自己陶酔」なんて聞くと思います。「自己陶酔」とは「自身の考えや容姿の素晴らしさにうっとりすること」です。 ナルシスト、自分自身に酔っているというイメージになります。 「自己陶酔」は「自分に酔う」という言葉なので、あまり良い印象の言葉ではありません。 他にも、「陶酔境」という言葉があります。これは「程よく酒に酔った時などの、なんとも言えない良い気持ち」を意味します。
例文 「酔うこと」という意味
「ほれぼれするほどはまること」を意味
元々「陶酔」は「酒を飲んで酔うこと」を表していましたが、だんだんと「酔ったようにうっとりすること」を表すようになりました。 「陶」という漢字は、「焼物を作る」「喜ぶ」「教え導く」「良い気持ちになる」「憂が晴れる」という意味があります。 「酔」という漢字は、「酔っ払う」「自制心を失う」「乗り物に乗って気分が悪くなる」という意味があります。 この「陶」と「酔」が組み合わさることによって、「気持ちが惹かれて良い気持ちになる」という意味になります。
「心酔」は<しんすい>と読みます。 「心酔」の意味は、
です。 「陶酔」は「何か美しいものや素晴らしいものに心を奪われて、うっとりすること」 「心酔」は「物事や人物に心を奪われて、深い尊敬の気持ちを持つこと」 「心酔」は人物や物事に心から酔うほど夢中になり、尊敬の気持ちを持つこと・物事の出来栄えに心を奪われることを表します。 「陶酔」と「心酔」は意味も使い方も異なります。 「陶酔」は「あるものに魅了されて心地よくなる状態」、「心酔」は「あるものに心が夢中になる状態」を意味します。 「人や物事に熱中する」という意味なので、「心酔」の方が「心が惹かれている」という意味合いが強くなります。
例文
「恍惚」は<こうこつ>と読みます。 「恍惚」の意味は、
です。 「恍」も「惚」も「心がぼさっとする。ぼんやりするさま」を意味します。 「陶酔」は「何か美しいものや素晴らしいものに心を奪われて、うっとりすること」 「恍惚」は「周りが見えなくなるほど、ある物事に惹かれて惚れ惚れとすること」 「陶酔」と「恍惚」はどちらも「ある事に心が惹かれてうっとりするさま」を表します。 ただ、「恍惚」は「老弱したせいで、意識がぼんやりしている状態」という意味も含まれるように、「恍惚」の方が「朦朧とするほど心を奪われる」という意味合いが強くなります。
例文
酔いしれる (意味:ものすごく酔っていること) 「酔いしれてヘロヘロになっている」 酔いどれる (意味:ひどく酒に酔うこと) 「酔いどれていて顔が赤い」 がっつり酔う (意味:たっぷりと酔うこと) 「がっつり酔っているため送ってあげなくては」 酔っ払う (意味:酒に酔っていること) 「慣れない酒を飲んで酔っ払う」
うっとり (意味:綺麗なものに心を奪われること) 「美しい彼女にうっとりとする」 夢中 (意味:ある事に色々な物事を忘れるほど熱中すること) 「ビデオゲームに夢中になっている」 熱中 (意味:ある事に心を注ぐこと) 「勉強に熱中する」 傾倒(けいとう) (意味:ある人やある物事に熱中すること) 「彼女は菜食主義に傾倒している」 没頭 (意味:他のことを忘れてある事に集中すること) 「夏休みは遊びに没頭していた」 心を奪われる (意味:他の事に興味がわかないほど、ある事に熱中すること) 「あるアイドルに心を奪われる」 かかりきる (意味:ある一つの事柄に従うこと) 「この業務にだけかかりきる」 無我夢中 (意味:自分を忘れるほど、ある事に集中すること) 「無我夢中で何かに励む」 世界に浸る (意味:ある物事に夢中になること) 「ある世界に浸っていて、こちらに気づいていない」 陶然(とうぜん) (意味:心地よく酔ってうっとりすること) 「懐かしい曲に陶然する」 寝食を忘れる (意味:寝ることも食べることも忘れ、ある物事に集中する) 「寝食を忘れるほど、商品を作るのに集中する」
「陶酔」の英語表現を見てみましょう。 「少し酔っている」は英語で、
になります。 「drunk」が最も一般的に使われる単語になります。「intoxicated」は堅い表現になります。 「うっとりする」の「陶酔」は、
などの表現を使うとよいでしょう。
I was totally enchanted by the beauty of ocean view.
オーシャンビューの美しさに完全に陶酔した。
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「陶酔」について理解できたでしょうか? ✔︎「陶酔」は「とうすい」と読む ✔︎「陶酔」は「心地よく酔って気持ちいいこと・ある物事に心を奪われてうっとりと気持ちがいいこと」を意味 ✔︎「名演技に陶酔する」「音楽に陶酔する」「自己陶酔している」などと使う ✔︎「陶酔」の類語には、「うっとり」「心を奪われる」「没頭」「傾倒」などがある