「恐れ多い」という言葉をご存知でしょうか。「恐れ多い限りです」「恐れ多いことでございます」などと使います。日常会話というよりも、ビジネスシーンなどかしこまった場面で使うことが多い言葉です。では、「恐れ多い」とはどのような意味なのでしょうか。なんとなくマイナスなイメージがある言葉ですが、どのように使えば良いのでしょうか。何気なく使っているという人もいれば、初めて聞いたという人もいますよね。そこで今回は「恐れ多い」の意味や使い方、返し方、類語、「おこがましい」との違いについて解説していきます。「恐れ多い」を適切に知って、上手く使えるようにしましょう!
「恐れ多い」は<おそれおおい>と読みます。 「恐れ多い」は「畏れ多い」と書くこともできます。 「恐れ」は「恐怖に思うこと。悪い事が起こるのではとこわがること」という意味です。 「恐」を用いた言葉には、「恐怖」「恐喝」「恐慌」などがあります。 「畏れ」は「かしこまること。優れたものを敬うこと」を意味します。 「畏」を用いた言葉には、「畏怖」「畏敬の念」「畏縮」などがあります。 一般的には「恐れ多い」を使うことが多いですが、特に敬意を表したい場合などは「恐れ多い」を使うのが良いでしょう。
「恐れ多い」の意味は「目上の人に対して礼を失していて、大変申し訳ないこと」です。 謝罪・お詫びの意味になります。 立場が上の人に対して、無礼で申し訳なく思って頭が上がらない様子を表します。 『そんなことをするなんて申し訳ないです』『非常に失礼だと思います』といった気持ちが込められています。
「恐れ多い」の意味は「自分に身にはとてもありがたく、もったいないこと」です。 感謝・お礼の意味になります。 立場が上の人の好意が、自分にとってはもったいなく思って心が痛む様子を表します。 『自分にはもったいないです』『本当にありがたくて申し訳ないです』といった気持ちが込めれています。
基本的に「恐れ多い」は、目上の人に対して使います。目下の人や同等には使いません。 同等や目下の人に、冗談で『いや〜本当に恐れ多いね〜』『恐れ多くて困るよ』など言うことはあります。 「恐れ多い」自体は敬語ではないが、自分自身をへりくだる謙譲の意味合いを含む言葉です。 「恐れ多い」は謙譲語と一緒に使うと相性がよいです。
「相手に対して失礼で申し訳ないが」という意味での「恐れ多い」は、クッション言葉として使うことも多いです。 目上の人に何かをお願いしたり、意見を言いたい場合に用います。 「恐れ多いことではございますが〜」「恐れ多くて申し訳ありませんが〜」などと言います。
「相手にしてもらったことが分不相応で申し訳ない」という意味で、謙遜するときにも使うことができます。 目上の人に態度や考えを褒められたり、何か品物をもらった場合に用います。 「恐れ多い言葉でございます」「恐れ多い限りでございます」「恐れ多くも〜」などと言います。 このように、「恐れ多い」を使うことで、謙遜や遠慮する気持ちを表せます。
例文 「礼を欠いていて申し訳ない」という意味の例文
「もったいないほどありがたい」という意味の例文
「恐れ多いです」「恐れ多いことでございますが〜」などと言われた場合、何て返せば良いでしょう? 誰かを褒めた場合に、「お褒めの言葉をいただけるとは、恐れ多いです」などと言われたら、
などと返すのが良いでしょう。 「どういたしまして」は相手から感謝の意を示されたときに、「気を使う必要はない」とこちらの意思を伝える言葉です。 「(こちらが)何をしたという訳ではない(ので、気にしないで)」というニュアンスなので、「恐れ多い」の返しとしても使うことができます。 「恐れ多いことですが、一言だけよろしいでしょうか」と依頼された場合は、
などと返すのが良いでしょう。 基本的に「恐れ多い」は目下から目下の人に向かって使うので、軽い返しで十分です。
「恐縮」の意味は「身が縮むほどかしこまること。相手に迷惑をかけたり、厚意を受けたりして申し訳なく思うこと」です。 相手からの厚意などを自分には勿体無いと思い、申し訳なく感じ恐れ入ることを表します。 「恐縮」は様々な場面で使うことができます。お礼・依頼・了承を求める・褒められた時の返事として使えます。 例えば、「この度はご丁寧なお中元の品を賜り、大変恐縮です」とお礼をすることで、「相手の好意をありがたく思っている」という意味合いを強めることができます。 依頼をするときは、「恐縮ですが....」と依頼することによって、「迷惑をおかけしますが...」などと謙遜した気持ちを表せます。相手への配慮も示すことができます。 また、目上の人から褒められた場合に「お褒めいただいて、嬉しいです」「褒めていただきありがとうございます」などととストレートに言うよりも、「お褒めいただき、恐縮です」と言った方がかしこまった印象となります。
例文
恐れ入りますが (意味:自分の不完全さや相手への迷惑を考えて申し訳なく思うこと) 「お忙しいところ恐れ入りますが、確認していただけますか」 申し訳ありませんが (意味:相手にすまなく思っていて、どうしようもない) 「誠に申し訳ありませんが、お電話いただけますでしょうか」 お手数ですが (意味:相手に手間をかけてしまい、申し訳ないこと) 「お手数ですが、ご連絡のほどお願い申し上げます」 あいにくですが (意味:期待や目的に外れていて、申し訳ないさま) 「あいにくですが、その日は予定がございます」 差し支えなければ (意味:都合が悪ければ断っても良いですが) 「差し支えなければ、ご一緒にお食事はいかがですか」
ありがたい (意味:相手に感謝の気持ちでいっぱいであること) 「ありがたくいただきたいと思います」 もったいない (意味:分不相応でかたじけないこと) 「ありがとうございます。もったいないお言葉です」 かたじけない (意味:とてもありがたいこと) 「お気遣い、かたじけなく思います」 身に余る (意味:自分の身にあっていないこと) 「身に余るお言葉いただき、ありがたく思います」 恥ずかしい (意味:自分の至らなさにバツが悪くなること) 「成績がとても悪くて恥ずかしい」 申し訳ない (意味:相手に合わせる顔がなくて、すまないこと) 「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」 汗顔の至り (意味:ものすごく恥ずかしく思うこと) 「今回の件に関しては汗顔の至りでございます」 赤面の至り (意味:あまりにも恥ずかしいこと) 「この度のミスについては赤面の至りです」 やんごとない (意味:ものすごく貴重であること) 「やんごとないお言葉をいただいて、嬉しい限りです」 光栄です (意味:行動を褒められて名誉に思うこと) 「お目にかかれて光栄です」
「恐れ多い」の対義語は特にありません。
「おこがましい」の意味は、 1.ものすごくばかげていて、みっともない。あざけりの対象になりそうだ 2.分不相応である。さしでがましい。図太い です。 「おこがましい」には2つ意味がありますが、主に1つめの「生意気である」という意味で使います。身の程をわきまえていない様子を表します。 「恐れ多い」は「目上の人に対して礼を失していて、大変申し訳ないこと」 「おこがましい」は「自分の立場では分不相応なさま。自分の身では出過ぎているさま」 どちらも、「おこがましいのが重々承知ですが〜」「恐れ多いことでございますが〜」などと依頼する場合に使います。 ただ、「恐れ多い」は謙譲の意味合いを含む言葉ですが、「おこがましい」には謙譲の意は含まれません。 「恐れ多い」は基本的に謙遜の意味として使いますが、「おこがましい」は謙遜する以外にも使うことがあります。 「恐れ多い」の方が丁寧な言い方であることが分かります。
例文
「恐れ多い」の意味は簡単に言ってしまえば、「ありがとう」と「ごめんなさい」です。 感謝・お礼の英語表現は、
などがあります。 感謝の英語表現に関しては、下記の記事でまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
謝罪・お詫びの英語表現は、
などがあります。
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「恐れ多い」について理解できたでしょうか? ✔︎「恐れ多い」は「おそれおおい」と読む ✔︎「恐れ多い」は「礼を失していて、大変申し訳ないこと。自分にはとてもありがたく、もったいないこと」を意味 ✔︎「恐れ多い」は目上の人に対して、お願いをするときや謙遜を表す場合に使う ✔︎「恐れ多い」の類語には、「ありがたい」「もったいない」「かたじけない」などがある