「不条理」という言葉をご存知でしょうか。「世の中は不条理だ」「不条理な話」などと何となく聞いたことがあると思います。比較的よく使う言葉ですが、意味は知らない、適当に使用しているという方も多いのではありませんか。また、よく聞く言葉に「理不尽」という言葉もありますが、二つの意味について説明できるでしょうか。このように意外と理解していないことが多いですよね。そこで今回は「不条理」の意味や使い方、類語、反対語、「理不尽・不合理」との違いについて解説していきます。「不条理」の意味を正しく知って、上手く使いこなせるようにしましょう!
「不条理」の意味は、
となります。 一般的に、「筋道が通らない・道理に反すること」を表す語として用います。 「条理」は「物事の道理。筋道。人の行うべき正しい道」を表します。 ”道理”は正しい道、”筋道”は物事の正しい順序を意味しています。 これに”打ち消し・否定の意”を意味する「不」を付けることによって、「不条理」は「道理に合わない」という意味になります。 このように、物事の正しい筋道に合わないことを「不条理」と言います。
世の中は筋の通ったことばかりではなく、矛盾していることが出てしまうものです。 そのように感じたときに、「不条理なルールだ!」「不条理だ!」などと「不条理」という言葉を使うことができます。 例えば、生まれた国によってその人の人生が決まることは「不条理」です。 自身の人生を決める機会を誰にでも平等に与えられることが「正しい筋道」となりますが、今の世の中はそうなってはいません。これを「世の中の不条理」などと言います。 人の力ではどうしようもないことが「不条理」です。 このように、「なぜ?」と言われても答えが出ない、運命の悪戯であるとしか説明するしかないことに対して「不条理」を使います。 例えば、「震災による被害を目の当たりにして、不条理な現実に呆然とする」と用います。 これは「震災の影響で大きな被害が出たが、何とも道理に合わない現実に呆然とする」という意味になります。
例文
「不条理」は実存主義の用語です。人生に何の意義も見出せない、絶望的状況を表します。 特に、フランスの作家カミュの不条理の哲学によって知られています。 哲学における「不条理」は、「世界に意味を見出そうとする人間の努力は、最終的には失敗せざるを得ない」といったことを主張しています。 そのような意味は少なくとも、人間にとっては存在していないからです。 不条理主義者の哲学では、「不条理」は人による世界の意味の追究と、世界の明らかな意味のなさの不調和によって生じるとされています。だったら、意味を持たない世界で意味を探す必要がある、人はこのジレンマを解決する3つの方法を持っているそうです。 その3つの方法というのが、 自殺:一つの簡単な方法として人生を終わらす 盲信:不条理を超えた何か、触れられず実験的に存在が証明されていないものを信じる(これをするには理性を失くす必要がある) 不条理を受け入れる:不条理を受け入れて生きる となります。
「理不尽」の意味は、
となります。 「理不尽」は「道理」+「不尽」が合わさった言葉です。 「不尽」は「つきないこと。十分につくさないこと」を表します。 ですので、「理不尽」は「道理を尽くさない。道理が足りない。納得できない」という意味になります。 簡単に言うと、「無茶苦茶なこと」という意味です。 「理不尽」は、他人の理屈に合わない行動を対象とする場合に用います。 「不条理」は「道理に合っていない」「道理に反すること」、 「理不尽」は「道理を出し切っておらず、納得できない」を意味します。 「理不尽」は「不条理」ほど絶望的ではありません。 「部長に理不尽な扱いを受ける」などと、人から人に対して筋が通らないことを行う場合に使うことが多く、「不条理」に比べると自分でなんとか対応できます。
例文
「不合理」の意味は「道理に合わないこと」「矛盾していること」「筋の通らないこと」です。 「合理」は「道理にかなっていること」を表します。 これに”打ち消し・否定の意”を意味する「不」を付けることによって、「不合理」は「道理にかなっていない」という意味になります。 「不合理」は、上手く社会の中で機能しない間違った制度について非難する場合に用います。 「不条理」は「道理に合っていない」「道理に反すること」、 「不合理」は「道理に適っていないこと」を意味します。 「不条理」は人の力ではどうにもならないことに対して使い、「不合理」は何かの制度や組織について述べる場合に使います。
例文
矛盾 (意味:辻褄が合わないこと。物事の道理が一貫しないこと) 「前後が矛盾した意見である」 無理 (意味:物事の筋道が立たず道理に合わないこと) 「何と無理な言いがかりであろうか」 非合理 (意味:論理や道理に合わないこと) 「非合理的な会話が延々と続いた」 シュール (意味:非日常的なさま。奇抜なさま) 「この映画は良し悪し関係なく、シュールな作品である」 超現実的 (意味:現実からかけ離れているさま。実際にはあり得ないさま) 「超現実的な小説である」 背理<はいり> (意味:道理に背くこと。論理に反していること) 「背理の論法」 荒唐無稽<こうとうむけい> (意味:言動に根拠がなく、現実味のないこと) 「その話はあまりにも荒唐無稽であり、聞くに堪えない」
条理 (意味:物事の道理。すじみち) 「その議論は条理が立っている」 道理 (意味:物事のそうあるべき筋道。人の行うべき正しい道) 「道理にかなった行為である」 理<ことわり> (意味:道理。条理。格式・礼儀にかなっていること) 「あなたの言うことにも多少の理がある」 理路 (意味:物事の話の筋道) 「彼のプレゼンは理路が整然としている」 筋道 (意味:物事の道理。条理。物事を行う順序・手続き) 「しっかり筋道を立てて説明する」 つじつま (意味:あうべきところがあうはずの物事の道理) 「上手くつじつまを合わせる」
「不条理」の英語は「absurdity」と言います。 形容詞では「absurd」となります。 「completely unreasonable and ridiculous(全く理にかなっておらず馬鹿げている)」などと表現してもよいでしょう。
It is absurd for the CEO to fire employees because they complain about how he runs the company.
従業員が社長の会社経営に口を出したからといって解雇するのは不条理だ。
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「不条理」について理解できたでしょうか? ✔︎「不条理」は「道理に反すること。筋道が通らないこと」を意味 ✔︎「不条理」は、自分の力ではどうしようもないことを表す ✔︎「不条理」の類語には、「矛盾」「非合理」「超現実」などがある ✔︎「不条理」の対義語には、「条理」「筋道」などがある