「趣向」という言葉をご存知でしょうか。「趣向を凝らす」「趣向を変える」などと聞いたことがあると思います。日常会話でも比較的使うことの多い言葉ですよね。よく聞く言葉ではありますが、意味をしっかりと理解しているでしょうか。普段耳にしている言葉でも、読み方や使い方が違っているということがあります。言葉を使うからには、きちんと意味を知って、理解を深めることが大切です。そこで今回は「趣向」の意味や使い方、「趣味嗜好」と「趣味趣向」の違いについて解説していきます。「趣向」を適切に覚えて、上手く使いこなせるようにしましょう!
「趣向」は<しゅこう>と読みます。 「趣」は音読みだと「シュ」、訓読みだと「おもむき・おもむく」と読みます。 「趣」は「心の向かうところ。めざすところ。考え」を意味します。 「向」は音読みだと「コウ・キョウ」、訓読みだと「むく・むける・むかう・むこう」と読みます。 「向」は「心がめざす。おもむき」を意味します。 「趣向」の意味は、 1.おもむきやおもしろみを出すための工夫。また、そのおもむき・趣意・趣旨 2.歌舞伎や浄瑠璃で背景として選ばれた類型的な世界に対して、作品に新しい変化を与える工夫 3.俳諧で、句の構想 です。 おもしろみやおもむき・方向性や方針・物事や作品において味わいを出すために工夫することを表します。
よく履歴書などでも「趣味趣向」と書いてある欄がありますよね。 このように、「趣向」は日常生活でも比較的よく使われる言葉の一つだと言えます。 上記で説明したように「趣向」には3つの意味がありますが、「趣向」は「おもむき。おもしろみを出すための工夫」といった意味で使うことが多いです。 作品やイベント、企画やビジネスなどの方向性を示す場合に「趣向」を使います。 例えば、「この料理は様々な趣向を凝らして作られた」といった場合は「この料理はより良くなるように様々な工夫がなされて作られた」という意味になります。 言い回しとしては、
などが使われることが多いです。 それでは例文を見ていきましょう。
例文
「趣向」を敬語にすると「御趣向」となります。 目上の人に「◯◯さんの趣向はとても斬新で、素晴らしいと思います」と言ってしまうと少々軽い感じになってしまいますよね。 「◯◯さんの御趣向はとても斬新で、大変素晴らしいと思います」とすると丁寧な印象を与えることができます。 自分よりも立場が上の人に対しては、「趣向」ではなく「御趣向」を使うようにしましょう。 また、「御趣向」を「ごしゅこう」もしくは「おしゅこう」とどう読めばいいか迷ってしまいますよね。 正しくは「ごしゅこう」です。音読みの語は「ご」、訓読みの語は「お」とします。 「おしゅこう」だと違和感を与えてしまうので注意してください。
例文
「趣味」は「専門としてでなく、楽しみとしている事柄」です。 「趣味趣向」は「その物事が自分にとって好ましいか好ましくないか判断する心持ち」を表します。 「趣味嗜好」は「個人的に好きなこと。趣味の好みやたしなみ」を表します。 「趣味趣向」は「趣味の方向性や方針」を、「趣味嗜好」は「自分の好み」を表します。 例えば、趣味がゴルフだとした場合。 一口に趣味がゴルフと言ってもプロが競っているのを見るのか、自分が実際にゴルフをするのか、ゴルフの道具を集めるのが好きなのか、色々と分類できます。このように趣味が◯◯でも、具体的になになにをするというのが「趣味趣向」となります。 逆に、「趣味嗜好」は「趣味嗜好はスポーツです」「趣味嗜好は美味しいものを食べることです」と自分の好みそのものを表します。 「趣味趣向」の方が明確に表していることになります。 「趣味趣向」と「趣味嗜好」では意味が異なるので間違えないように注意しましょう。
「趣向(しゅこう)」と「嗜好(しこう)」で非常に発音が似ていますが、意味は全く異なるので注意してください。 「嗜好」の意味は「たしなみこのむこと。特にあるものをこのみ、それに親しむこと」です。 主に、飲食物に対して使い、「嗜好が変わる」「日本人の嗜好に合っている」「嗜好がかたよっている」などと言います。 「嗜好品」は「栄養摂取を目的とせず、香料や刺激を得るための飲食物。酒・茶・コーヒー・タバコの類」です。 直接的な栄養とはなりませんが、味覚や嗅覚、触覚などに快感を与えるものを表します。 食べ物であったら、砂糖を多く含んでいるお菓子類 アイス・チョコレート・スナック菓子など 飲み物であったら、カフェインを多く含んでいるもの 緑茶・紅茶・コーヒー・アルコール・ビール・炭酸飲料など ニコチンを含んでいるタバコや、香りを楽しむことを目的としているお香や香水なども嗜好品の一つとなります。 また、操作することによって体感的に楽しむことができる自動車・バイク・カメラといった物品も嗜好品となります。
「趣旨」は<しゅし>と読みます。 「趣旨」の意味は、
です。 事を行うにあたっての、もとにある考えや主なねらいを表します。 行動や計画の目的を意味していて、何のための話や文章であるかを伝えたいという気持ちが込められています。 「趣向」は「おもむきやおもしろみを出すための工夫。また、そのおもむき」 「趣旨」は「ある事をするわけやねらい。話や文章が伝えようとしている肝心なこと」 例えば、「会社設立の趣旨を述べる」とは言いますが、「会社設立の趣向を述べる」とは言いません。 このように、「趣向」と「趣旨」は全く別の意味になります。間違えないようにしっかりと区別しましょう。
例文
技巧 (意味:技術の巧みなこと。制作を巧みに行う手腕または手法) 「技巧を凝らした作品を完成させる」 工夫 (意味:色々考えて良い方法を得ようとすること。また、考えついた方法) 「料理を工夫して作ってみたらいつもより美味しくできた」 意匠<いしょう> (意味:工夫をめぐらすこと。工夫) 「意匠を凝らすといつもとは違ったものが出来上がった」 細工 (意味:細かな点についてのくふう。特に小さな点を変えるなどとして人目をあざむこうとする企み) 「何かおかしいなと思ったら、案の定陰で細工されていた」 捻り<ひねり> (意味:普通と変わってひと工夫してあること。また、変わった趣向があること) 「今回の作品には捻りがきいている」 面白み (意味:おもしろいこと。興味。おもむき) 「やっていくうちにだんだんと面白みが出てきた」 醍醐味<だいごみ> (意味:深い味わい。ほんとうの面白さ) 「未だに山登りの醍醐味がわからない」
「趣向」は英語で「preference」になります。 「工夫されている」は英語で「well designed」「ingenious」などといいます。
当サイト「英語部」で一番人気の英会話教室が、NOVAです。 全国展開(270校舎)をしている大手英会話教室の中で圧倒的に価格が低いのが特徴です。 しかも講師は全員ネイティブ!
「格安で週一回NOVAのネイティブ講師と会話し、あとは自習する」という英語学習法が非常におすすめです。 ご興味のある方はホームページから無料体験レッスンをぜひ!
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「趣向」について理解できたでしょうか? ✔︎「趣向」は<しゅこう>と読む ✔︎「趣向」は「あじわいやおもしろみを出すための工夫。また、そのおもむき」を意味 ✔︎「趣向を凝らす」「趣向を変える」「趣向を生み出す」などと使う ✔︎「趣向」の類語には、「技巧」「工夫」「面白み」などがある