「悼む」という言葉をご存知でしょうか。「死を悼む」「故人を悼む」などと言いますよね。亡くなった人を思い出したり、考えたりするときには様々な言葉を使います。「悼む」もその中の一つです。ただ、「悼む」は日常会話で使うことはあまりありません。ですので、意味を知らない、どのように使えばいいのかわからないという方も多いかと思います。お悔やみごとで使う言葉なので、正しく使用したいですよね。そこで今回は「悼む」の意味や使い方、読み方、「偲ぶ・弔う」との違いについて解説していきます。「悼む」をきちんと理解して、上手く使えるようにしましょう!
「悼む」は<いたむ>と読みます。 「つつしむ」とは読まないので注意しましょう。 「悼」は音読みだと「トウ」、訓読みだと「いたむ」と読みます。 「悼」は「人の死をいたみ悲しむ」を意味します。 「悼む」の意味は「人の死を悲しみ嘆くこと」です。 人が亡くなったことを悔やむ、自分の心が痛むといったように人の死を嘆き悲しむ行為そのものを表します。 亡くなった人との思い出を心の中で思い出すことや、安らかな眠りを祈る思いを「悼む」と言います。
「悼む」は亡くなった人を思ったり、悔やむときに使います。 亡くなった人に対してのみ使うので、「入院している母を悼む」「事故に遭った自分を悼む」などとは使いません。 「悼む」は「追悼(ついとう)」という言葉でもよく使います。 「追悼」は「死者をしのんで、いたみ悲しむこと」で、悼む行為そのものを表しています。 法要などとある程度の人数が集まることに使われ、「事故の犠牲者を追悼する」「追悼式を開く」などと言います。 「悼む」の言い回しとしては、
などとなります。 「悼む」は「死」という言葉とともに使うことが多く、「恩師の死を悼む」「祖母の死を悼む」などと言います。 例えば、「友人の死を悼み、涙を流す」といった場合は「友人の死を悔やんだり、悲しんだりして涙を流す」、「今回の地震で被害に遭われた方の死を悼む」といった場合は「今回の地震で被害に遭われた方の死を嘆く。悔やむ」という意味になります。 それでは例文を見ていきましょう。
例文
「偲ぶ」の意味は、
です。 過ぎ去ったり遠く離れたりしたことや人を、懐かしむ気持ちや賞賛の気持ちを持って思い出すことを表します。 「悼む」は「人の死を悲しみ嘆くこと」 「偲ぶ」は「過ぎ去った時間や、遠く離れた場所や人をひそかに思い慕うこと」 「故人を悼む」は、ある人が亡くなってから悲しみ嘆くことを表します。 「故人を偲ぶ」は、ある人が亡くなってからある程度経ったときに懐かしむ気持ちや思い出すことを表します。 また、「悼む」は故人に対してのみ使いますが、「偲ぶ」は故人だけでなく、遠く離れた人や懐かしい人に対しても使うことができます。 他にも、「悼む」には「心惹かれて思いを馳せる。賞美する」という意味は含まれません。 このように「悼む」と「偲ぶ」では意味が異なるので注意しましょう。
例文
「弔う」の意味は、
です。 「悼む」は「人の死を悲しみ嘆くこと」 「弔う」は「人の死を悼み、喪にある人をたずねて慰めること」 「悼む」は人の死を悲しみ嘆く行為のことですが、「弔う」は遺族に対して『非常に残念です』『本当に悲しいです』という思いを伝える行為を表します。 また、「弔う」には「弔問する」という意味の他にも、「死者の冥福を祈る」という意味も含まれます。 「悼む」にはこの意味は含まれません。 このように、「弔う」は死者の冥福を祈る気持ちと遺された人を慰める気持ちを表します。
例文
「戚む」の意味は「深く悲しむ。うれえる。心配して心がいたむ」です。 「戚」は「うれえる。悲しむ」、また「親戚」や「外戚」という言葉があるように「身内」という意味も含まれます。 「戚む」という言葉は「哀悼(あいとう)」とほぼ同じ意味になります。 「哀悼」とは「人の死を悲しみいたむこと」です。 「彼の死を戚む」「病気がちの祖母を戚む」などと使いますが、一般的に「戚む」はあまり使うことはありません。
例文
「痛む」の意味は、
です。 「痛む」は肉体的な、精神的な苦しみを表す場合に使います。 「雨の日は古傷がズキズキと痛む」「あのことを思い出すと胸が痛む」「懐が痛む」などと言います。 例えば、「階段から落ちて擦りむいたところが痛む」といった場合は「階段から落ちて擦りむいたところが痛い。苦痛を感じる」という意味になります。 このように「痛む」は、心や体に痛みが生じるということを表すことができます。
例文
「傷む」の意味は、
です。 「傷む」は器具や建物がきずついたり、食べ物が腐ったりする場合に使うことが多いです。 「魚が傷む」「屋根が傷む」「傷んだ野菜」などと言います。 例えば、「買ったみかんをそのまま放置しておいたら傷んだ」といった場合は「買ったみかんをそのまま放置したら腐ってしまった」という意味になります。 このように「傷む」は、物質が最初の状態よりも悪化してしまったということを表すことができます。
例文
よく使われるお悔やみ言葉としては、「お悔やみ申し上げます」「ご冥福お祈りします」「ご愁傷様」があります。 「お悔やみ申し上げます」は、一般的によく使われるお悔やみの言葉として知られています。 「お悔やみ申し上げます」には「相手の気持ちに寄り添い、慰めの気持ちを表す」という意味が含まれ、「故人の死を残念に思い、悲しんでいる」というニュアンスになります。 「ご冥福お祈りします」は「冥土でさまよった後、良い場所(幸せな場所)に行けることを祈っています」という意味です。 「ご冥福を御祈りいたします」は遺族に対してではなく、故人に対して使う言葉になります。 「ご愁傷様」は、通夜や葬儀の場で遺族に述べるお悔やみの言葉の常套句です。 「ご愁傷様」の意味は「相手を気の毒に思うさま、身内を失った人に対するお悔やみの言葉」です。 葬儀の際にどんな言葉をかけていいのか分からないとき、「ご愁傷様」の一言でお悔やみの意を伝えることができます。
例文
近親者が亡くなった場合に、一定の期間亡くなった人の死を悼み、世間との関わりを避けつつましく暮らすことを「喪に服す」と言います。 この期間を「忌中」「喪中」と言い、「忌中」は「故人のために祈りを捧げる期間(他界後、四十九日の忌明けまで)」、「喪中」は「故人を偲ぶ期間(一周忌まで)」を表します。 「喪中」の期間は故人との関係によって異なりますが、だいたい長くて一年とされています。 父母:12ヶ月〜13ヶ月 子供:3ヶ月〜12ヶ月 祖父母:3ヶ月〜6ヶ月 兄弟姉妹:30日〜6ヶ月 このようになります。 また、「喪中」に控えるべき行事としては、結婚式の参列・新年のお祝い・旅行・神社の参拝などがあります。
「悼む」の英語は「mourn」を使います。 自動詞で「mourn+事」と使うこともできますし、他動詞で「mourn for+人」と使うこともできます。 「追悼の意」は「condolences」になります。
I am still mourning for my father.
父の死が未だに悲しい。
John mourns the death of his mother.
ジョンは母の死を悼んでいる。
I'd like to express my sincere condolences.
深く追悼の意を表したいと思います。
追悼の意を示すときに使うスラング表現に「RIP」があります。 「RIP」に関しては、下記の記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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「悼む」について理解できたでしょうか? ✔︎「悼む」は「いたむ」と読む ✔︎「悼む」は「人の死を悲しみ嘆くこと」を意味 ✔︎ 似た言葉の「弔う」は、「死者の冥福を祈る気持ちと遺された人を慰める気持ち」を表す ✔︎ お悔やみの言葉には、「お悔やみ申し上げます」「ご冥福お祈りいたします」「ご愁傷様」などがある