「付随」という言葉をご存知でしょうか。「付随資料」「付随する」などと使います。「付随」はなんとなく聞き覚えありますよね。「付随」は日常会話でもビジネスシーンでも使うことが多い言葉です。よく使う言葉ではありますが、意味をしっかりと理解しているでしょうか。「付随」には「付帯」や「付属」など似た言葉が多いため、意味が混同しているということがあります。正しく使うためには、適切に使い方を覚えることが必要です。そこで今回は「付随」の意味や使い方、類語との違い、対義語について解説していきます。「付随」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「付随」は<ふずい>と読みます。 「付」は音読みで「フ」、訓読みで「つける・つく」と読みます。 「付」は「ぴったりとくっつける。添えつける。つく」を意味します。 「随」は音読みで「ズイ」、訓読みで「したがう・まま・まにまに」と読みます。 「随」は「他人の後にそのままついていく」を意味します。 「付随」の意味は「つきしたがうこと。また、従属的な関係にあること」です。 主たる物事に関係して成り立っていること・ある物事が他の物事に付き従って起こることを表します。 「付随」は簡単に言ってしまうと、「ある事にくっついて起こる事」ということです。 「附随」と書くこともありますが、稀です。
ある物事に付き従って他の物事が発生することを表す場合に「付随」を使います。 例えば、「ビルの移転に付随して、片付けなければいけない仕事を済ませる」と言います。これは「ビルの移動に付き従って起こる、行わければいけない仕事を済ます」という意味になります。 他にも、「付随する問題」「ある事に付随して発生する出来事」「今回の件に付随している事件」などと言います。 「Aが起こって、その流れでBが起きる」という関係です。 このように、自然と発生する事柄があることを「付随」と表現します。 言い回しとしては、
などとなります。 「付随業務」は「ある物事に関連して発生する業務」、「付随的」は「何かに伴って結果的に発生するさま」を意味します。
例文
「付随効果」とは、「本来の目的として期待されていたものではない影響のこと」です。 例えば、禁煙の場合。主な目的は「健康促進のため。臭いを消す」などですが、付随効果としては、「タバコ代がかからない。お金が貯まる」などが挙げられます。 他にも、オリンピック開催に伴う付随効果としては。「イメージアップを図ることができ観光の需要が高まる。街の活性化」などが挙げられます。 このように、「付随効果」はそれを目的としていたわけではないが、二次的な効果を得ることができることを表します。
「付帯」の意味は「主なものに付け添えること」です。 「付帯事項」「付帯条件」「付帯保険」「付帯工事」などと使います。 「付帯」は「主たる物事にある物事が必然的に伴うこと」 「付随」は「主たる物事にある物事が関連して発生すること」 このように、「付随」は発生する事柄、「付帯」は付け加える事柄を表します。 「付帯」は「ある物事にセットとして与えられる物事」を表しています。 例えば、「付帯工事」といったら、「主となる工事に付帯して行う工事」を表します。住宅の建築の場合は、水道・ガス・電気といった工事を指します。それ自体が、単体の使用目的に使われるものではない工事を表します。 「付随」と「付帯」は非常に似ていますが、意味が少々異なります。しっかり区別できるようにしましょう。
例文
「付属」の意味は、
です。 「付属」は「ある物が主となるものの一部となって付き従っていること」 「付随」は「主たる物事にある物事が関連して発生すること」 「付属」は「付属部品」「付属パーツ」「付属品」「付属小学校」といったように、”もの”に関して使うことが多いです。 例えば、携帯の付属品といったら、イヤホンや充電器などがあります。付属品は単体では機能はしないけれど、主となるものと一緒に使うことによって役割を果たします。 「付属する出来事」「付属する問題」などと、「付属」は”ものごと”の関しては使いません。 このように、「付属」と「付随」では意味が異なります。
例文
「随伴」は<ずいはん>と読みます。 「随伴」の意味は、 1.供となって、つきしたがうこと。つれだち伴うこと 2.何かが起きるのに伴って起きること です。 「随伴」は「供としてつきしたがうこと。また、一緒に連れて行くこと」 「付随」は「主たる物事にある物事が関連して発生すること」 「随伴」は「お供する」ということなので、「社長に随伴してパーティーに参加する」などと使います。 また、「随伴」には「ある物事につれて、他の事が起こる」という意味も含まれます。 「医療の進歩に随伴して起きる問題」「随伴現象」などと使います。 こちらの意味では「付随」とほとんど同じ意味になります。 ただ、「随伴」は「お供する」という意味で使うことが多いので、2つめの意味ではほとんど使いません。
例文
「追随」は<ついずい>と読みます。 「追随」の意味は、
です。 「追随」は「あとから追いしたがうこと。人の業績の跡を追うこと」 「付随」は「主たる物事にある物事が関連して発生すること」 主に、「追随」は「他人の意見や行動を真似する」という意味で使います。 例えば、「追随を許さない」などとよく言いますが、これは「相手の技術が簡単に真似できないくらい優れている」という意味になります。 このように、「追随」と「付随」では全く意味が異なります。
例文
「不随」の意味は「(身体が)思うように動かないこと。自由がきかないこと」です。 「半身不随」「全身不随」「下半身不随」などと言います。 「不随」は「病気などのために,からだの動きが自由にならないこと」 「付随」は「主たる物事にある物事が関連して発生すること」 「付随」と「不随」はどちらも「ふずい」と読みますが、意味は全く異なります。間違えないように、注意しましょう。
例文
添う/ 副う<そう> (意味:そば近くよる。基準となるものから離れないようにする) 「既定方針に添って行う」 付す/ 附す<ふす> (意味:つく。従う。付け加える) 「あとがきは巻末に付す」 くっつく (意味:ぴったりとつく。つきしたがう) 「強い方にくっつく」 付いてまわる (意味:離れずに一緒に動く。つきまとう) 「悪い噂がどこまでも付いてまわる」 伴う<ともなう> (意味:つれだつ。一緒にいく。同時に生じる) 「危険を伴う作業だ」 帰属 (意味:つくこと。したがうこと) 「会社への帰属意識をもつ」 付録 (意味:付け加えて記録すること) 「当日の名簿を付録とする」 所属 (意味:従属または付属していること) 「サッカー部に所属する」 従属 (意味:中心となるものや力のあるものにつきしたがうこと) 「Aチームに従属する」
離れる (意味:くっついていたものが解けて分かれること) 「二人の気持ちはだんだん離れていった」 引き下がる (意味:さがる。しりぞく) 「すごすごと引き下がっていった」 退散 (意味:集まっている人々が退き散ること) 「退散を命じられる」 去る (意味:時が過ぎて行くこと。あるところや状況から離れて他へ行くこと) 「やがて春も去って行く」 退く<しりぞく> (意味:あとへさがること。退出すること。身を引くこと) 「現役から退く」 見放す (意味:みきりをつけ従来の関係を断つこと) 「医者に見放される」 見限る (意味:見込みがないと考えてあきらめること) 「先生に見限られた」 敬遠する (意味:表面は敬うような態度をして、実際は疎んじて親しくないこと) 「先輩を敬遠する」
「付随」の英語表現を見ていきましょう。 「同時の」を意味する「simultaneous」は同じようなニュアンスで使うことができるでしょう。
A variety of things started to happen simultaneously with it.
それと付随的に様々なことが起こり始めた。
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「付随」について理解できたでしょうか? ✔︎「付随」は「ふずい」と読む ✔︎「付随」は「主たる物事に関係して成り立っていること。ある物事が他の物事に付き従って起こること」を意味 ✔︎「付随する」「付随業務」「付随作業」「付随効果」などと使う ✔︎「付随」の類語には、「添う」「伴う」「帰属」などがある