ビジネスシーンでは敬語が必須になります。その中でもよく使う言葉が「思う」です。「思う」だけでは丁寧な表現でないので、敬語にする必要があります。では、「思う」の敬語表現をしっかり知っているでしょうか。「思います」や「存じます」などが挙げられます。ビジネスパーソンであったら、きちんとした言葉遣いを発揮したいですよね。仕事をしている上では頻繁に使っている言葉だけど、適切に使用できているか疑問い思うことがあるという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は「思う/思います」の敬語表現、「存じる」と「存じ上げる」の違いについて解説していきます。
敬語を簡単におさらいしたいと思います。
尊敬語・・・相手の動作や事物などを高めて言い表すことによって、敬意を表現する語 謙譲語・・・自分や身内の動作や事物などをへりくだって言い表すことにより、相手を立てる語 丁寧語・・・話し手が聞き手に対して敬意を直接表したり、ものごとを丁寧に表現する語
動詞を丁寧語にするためには、「です・ます」を付けます。丁寧語は必要最低限の敬語です。 「私はA案の方が良いと思う」を「私はA案の方が良いと思います」と言い換えることができます。 「思います」「思っています」は丁寧な言葉遣いなので、話し言葉としても書き言葉としても用います。 ただ、「思います」は丁寧な言い方ですが、ビジネスシーンにおいて使うにはややカジュアルな印象となるので他の表現を使うのが良いでしょう。下記で紹介する尊敬語や謙譲語もしくは他の言葉を使うのが無難です。 例えば、上司に「資料作成、明日までに終わる?」と聞かれた場合「はい、終わると思います」と言ったとして。 上司としてはできるか、できないか問うたつもりだったのに、自身の思いを答えられて困ってしまいます。 単に「思います」と言ってしまうと曖昧で相手に戸惑わせてしまうので、この場合は「できます」と言ってしまうのが良いです。 上司や先輩などとの何気ない会話であったら、「思います」でも問題ありませんが、相手や状況によってはしかるべき敬語や言葉を使うことが大切です。
例文
「思う」の尊敬語は、
などとなります。 疑問文などで使う場合は、これらに丁寧語を付け加えて使います。 尊敬語は、目上の人に対して使います。 「部長はどう思いますか?」だと軽い感じがするので、代わりに「思われますか?」「お思いになりますか?」と言います。 「思し召す(おぼしめす)」は「思う」の尊敬語「おぼす」+「めす」を付けてさらに敬意を強めた語です。 昔、お殿様が農民のためを思い助けたことを「思し召し」と言ったことが始まりになります。 尊敬語は「私はこうお思いになります」「私は◯◯だと思われました」などと、自分の思うことに対しては使えません。 時々、自身の考えで「ミスは◯◯が原因であると思われる」といったように使うことがあります。これは「思う」の尊敬語として使用している訳ではなく、推測して自身の考えを表しているだけなので、注意しましょう。
例文
「お思いになる」をもっと丁寧に表そうと「お思いになられる」と使われることがありますが、誤用です。 「思う」の尊敬語「お思いになる」+尊敬語「れる・られる」なので、二重敬語となります。 一つの言葉に同じ種類の敬語を2回以上重ねて使ってしまうことを「二重敬語」と言います。 「お思いになられる」や「思いになられる」などと慣習的に使われていることもありますが、二重敬語は相手に失礼な印象を与えたり、かえって回りくどい感じがしてしまうので使用は避けるようにしましょう。 丁重にしようとして、敬語をいくつも重ねようとしなくても、「お思いになる」「思われる」だけで十分丁寧な敬語になっているので、こちらを使用します。
「思う」の謙譲語は、
になります。 これらに丁寧語も付け加えて、
などとも言います。 謙譲語は、相手に何かを聞かれた場合に使うことが多いです。 「私は◯◯だと存じます」「私は◯◯だと存じ上げます」などと使います。 ビジネスメールでも、「お忙しいとは存じますが...」「ご迷惑をおかけするとは存じますが...」などと相手に依頼をする場合に使います。この後に、お願いや理解を求める文章が続きます。 「所存」は「心中に思うところ・思惑・考え」という意味です。「所存」は「存ずるところ」を省略した表現なので、「思う」の謙譲語になります。 「◯◯と思っている所存です」は二重表現なので誤用です。注意しましょう。 また、「存じる」は「思う」だけでなく、「知る」の謙譲語としても使います。 例えば、『この計画についてご存知でしたか』『はい、存じております』などと言います。 「知る」なのか「思う」なのかどちらの意味で使われているかは、前後の文脈で判断するようにしてください。
例文
「おります」は存在を表す動詞「おる」+丁寧語「ます」で成り立っています。聞き手や読み手に対してへりくだることで、相手への敬意を示す表現です。 「思っております」とすることで、動作や状態が進行していることを表す補助動詞としての役割を持ちます。 「思っております」は丁寧な言い方ですが、多用するのは避けましょう。事あるごとに「思っております」と言ってしまうとややしつこい印象となります。何回も使う必要がある時は、上記で紹介した「存じます」や「思います」に言い換えるのが良いです。 他にも、
などが類似表現にあたります。 「存じ上げております」は「知っています」の謙譲語です。「考えております」は「考えています」の謙譲語です。
例文
「存じる」は「思う、知っている」 「存じ上げる」は「思っている、知っている」 という意味で、意味はほとんど同じです。 「存じ上げる」は「思っている、知っている」対象が「人」のときに使います。 「存じる」は「思っている、知っている」対象が「もの・サービス」のときに使います。 例えば、「◯◯様のお名前はかねてより存じ上げております」「新商品の内容については存じております」などと言います。 人に関することに「存じ上げる」を使うのは、「上げる」という言葉が「へりくだった意を表す」という意味があり、人を持ち上げる役割を果たすからです。 人を持ち上げるとは言いますが、人以外を持ち上げるとはなかなか言いませんよね。ですので、「存じ上げる」は人に関する場合、「存じる」は人以外に関する場合に使うと覚えておきましょう。
「思われます」は「思う」+自発を表す「れる」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「〜になるのは当然のことである」という意味で「思われます」は使われています。 例えば、「これはあなたのミスであるので、私が謝罪するべきではないと思われます」などと言うことができます。 この場合は「これはあなたの失敗だから、私が謝らないのは当然である」という意味になります。 回りくどくて自己保身をしているようなイメージですよね。 「思われます」はそもそも「ます」が付いていて丁寧に聞こえているだけで、敬語としては不適切です。また、「〜となるのは当たり前だ」とはものすごく失礼な表現であると言えるので、目上の人に使うのは避けましょう。 正しい「思われます」の使い方としては、自然現象に関して用います。 「今日の午後は大雨になると思われます」「これだけ雪が降ると、交通機関に遅れが出ると思われます」などと言います。
「思う/思います」は英語で、
になります。
I think you are such an idiot.
あなたは相当は馬鹿だと思います。
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「思う/思います」について理解できたでしょうか? ✔︎「思う」を丁寧語にすると「思います」になる ✔︎「思う」の尊敬語には、「お思いになる」「思われる」などがある ✔︎「思う」の謙譲語には、「存じる」「存じ上げる」「所存だ」などがある ✔︎「思っております」は「思っています」の謙譲語になる