「そちら」は物事や人を指す言葉として日常的にも使用する言葉だと思いますが、「そちら」の意味をきちんと理解し、使用することができていますか?今回は、「そちら」の正しい意味と使い方を例文付きで解説します。また、類語表現である「こちら」との違いやその他の類語表現も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「そちら」の1つ目の意味は、「中称の指示代名詞」です。 「中称の指示代名詞」とは、話し手よりも聞き手のほうに近い事物・場所・方向を示すものをいいます。 例えば、 「お手洗いはそちらにございます」 ・・・ 聞き手に近い方向を指す 「東北はまだ寒いですが、そちらはどうですか」・・・ 聞き手のいる方向にある場所を指す 「そちらの商品はとても人気なんですよ」 ・・・ 聞き手の近くにある物をさす などが、中称代名詞としての使われ方になります。
「そちら」の二つ目の意味は「二人称の人代名詞」です。 「人代名詞」とは、人を指し示す代名詞のことで、話し手自身を指すものを「一人称」、聞き手を指すものを「二人称」、その他の第三者を指す「三人称」があります。 例えば、 「そちらの考えをお聞かせください」 といったように、聞き手自身、また聞き手側を指す使い方が二人称の人代名詞としての「そちら」の使い方になります。
「そちら」の3つ目の使い方は、「三人称の人代名詞」です。 例えば、 「そちらの方はお嬢様でいらっしゃいますか」 といったように、聞き手のすぐそばにいる人を指す使い方で、自分より目上の人に対して使用する表現です。
「そちら」は漢字で表記すると「其方」となります。 「其」は、音読みで「キ」訓読みで「その・それ」と読む漢字で「その・それ」というよう、ほとを指す意味があります。 「方」は、音読みで「ホウ」訓読みで「かた」とよみ、「方角・方向」といった向きを指す漢字です。 元々「其方」は、「そっちのほう(方角)」という意味で使用されていて、「あなた」という二人称も、本来は「彼方(かなた)」という方角を指す言葉でした。
「そちら」は、「そこ」「そっち」「その人」を丁寧に言う敬語で、「改まり語」と言われるものに分類されます。 「改まり語」は、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」とは異なり、「使う」を「使用」と言い表したり、「忘れる」を「失念する」と言い表したりといった具合に、接頭語をつけたりするのではなく、表現の仕方そのものを丁寧に言い換えている言葉のことをいいます。 特にビジネスシーンなどでは、改まった雰囲気を出すために非常に多く使用される表現です。
「そちら」以外にも、日常的に様々な改まり語が使用されています。 例えば、
といった表現も「改まり語」になります。 また、「太っている人」を「体格が良い」と言い表したり、「痩せている人」を「スリム」とオブラートに包んだ表現をすることも「改まり語」といいます。
人と場所を示す「代名詞」は、上述しれいる「そちら」という表現を含め、4つあります。 「こちら」「あちら」「そちら」「どちら」という4種類で、「こ・そ・あ・ど言葉」とも呼ばれている代名詞です。 簡単に説明すると、 「こちら」・・・ 自分に近いものを指す 「あちら」・・・ 自分から遠いものを指す 「そちら」・・・ 中間の物を指す 「どちら」・・・ 「あちら」ほど遠くなく、「こちらでもない」ものを指す というように使い分けます。
「こちら」は、「近称の指示代名詞」・「一人称の人代名詞」「三人称の人代名詞」として使用されます。 それぞれの使い方を簡単に説明すると、 ・「近称の指示代名詞」として使用する場合 「こちらをご覧ください」・・・話してに近い方向を指す 「こちらで働かせてもらっています」・・・話し手のいる、またはその方向にある場所を指す 「こちらもオススの商品です」・・・話しての近くにある物を指す ・「一人称の人代名詞」として使用する場合 「こちらは準備万端です」・・・話して自身、話しての側を指す(当方)。 ・「三人称の人代名詞」として使用する場合 「こちら○○株式会社代表取締役の○○さんです」・・・話し手のすぐ側にいる人をさす。 同等以上の人に使用する。 となります。 「そちら」の基準は聞き手にあるのに対して、「こちら」の基準は話し手にあることが特徴で、話し手側にある話し手の近くにあるものを指す言葉として使用されます。
「そちら」は「改まり語」ですが、冷たい印象があるため、ビジネスシーンでの使用は避けましょう。 例えば、 「そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが」など使用してしまうと、相手を思って提案したことであっても上から目線に感じられてしまい印象がとても悪いです。 目下や、同等の立場の人に使用することはできても、目上や社外の人に使用するのはふさわしくありません。 電話で対応をする場合など、相手の名前がわからないといった場面で「そちら」を使用する場合は「そちら様」という表現を使用するケースがあります。 電話対応や、手紙などやむを得ず使用する場合は「様」をつけて敬意を示しましょう。
「そちらの会社」というように、聞き手の会社を指す場合は「御社」と言い換えましょう。 「御社」は相手の会社を指す言葉で、電話や直接会って話す場合に使用、ビジネスメールなどの文章では「貴社」を使用します。 「そちらの会社では・・・」というように表現するよりも、「御社」「貴社」と表現したほうが丁寧です。
相手の名前がわからない場合など、「そちら様」を使用して敬意を示すと上述しましたが「お客様」など言い換えることができるのであれば、丁寧な表現に言い換えることが好ましいです。 また、「失礼ですが〜…」というようにクッション言葉を使用し、できるだけ失礼のない丁寧な表現を使用するべきです。
「あなたさま」は、相手を指す二人称の「あなた」をさらに丁寧に表現したものです。 「あなた」は、相手対して敬意を示す表現ですが、現代では敬意の度合いが薄れてきているため、「あなたさま」は冷たい印象をもたれてしまう可能性あります。 相手の名前がわかっている場合は、「あなた様」ではなく「○○様」と名前+敬称で呼ぶことが一般的です。
「そちらこそ」は、謙遜して使用する表現です。 例えば、「長時間、炎天下の中での作業お疲れ様でした」と声をかけてもらったという場合に、「そちらこそお疲れ様でした。体調には気をつけてくださいね」などと謙遜した返信をすることができます。 また、「ありがとうございました」とお礼を言われたような場面では、話し手側を指す「こちら」を使用して、「こちらこそありがとうございました」というように返すことができます。
「そちらのほう」という表現は、近年ではよく見られる「バイト敬語」と言われる誤用です。 「そちらのほうもオススメですがいかがですか」など、丁寧な表現にも聞こえますが、「ほう」をつける必要がありません。正しくは、「そちらもオススメですがいかがですか」となります。 同じく、「お飲み物のほうは先にお持ちしてもよろしいですか」も、正しくは「お飲み物は先にお持ちしてもよろしいですか」が正しい表現と言えます。 謙遜して婉曲的に表現することで丁寧に感じてしまわれがちですが、「○○です」と言い切ってしまったほうが印象がいいです。
「その」は、空間的、心理的に聞き手に近い人物をさす言葉です。 また、「その作業は何時頃終了しますか」というように、聞き手が当面している事柄や場面をさす場合や、「その日は朝から出かけていました」というように、現在話に出ている、または話に出たばかりの事柄をさす言葉としても使用されます。 そして、「その1」「その2」のように、全体をいくつかにわけた中の、ある部分を指す場合もあります。 例文
「それ」は、話し手よりも聞き手の方に近いと思われる物事を指す言葉です。 また、「それで構わないよ」というようにすでに話題として取り上げられた事柄を指す場合や、「それ地変そうだね」など、聞き手が直面している事柄をさすこともあります。 そして、「それが君の弟?」などと失礼ではありますが親しい間柄である聞き手の側にいる人を指す言葉として使用することも可能です。 例文
「そっち」は、「そちら」と同じく中称の指示代名詞で、「そちら」をより砕けた表現にした表現です。 したがって、かしこまった場面や目上の人に対して使用する言葉としてはふさわしくありませんので、注意しましょう。 例文
「そちら」の英語は、
What is your opinion?
そちらの意見は?
↓ ビジネスパーソンにおすすめの英会話教室・オンライン英会話についてまとめましたので、興味のある方はぜひ見てみてください
科学的に正しい英語勉強法
メンタリストとして活躍する筆者が、日本人が陥りやすい効率の薄い勉強方法や勘違いを指摘し、科学的根拠に基づいた正しい英語学習方法を示してくれています。 日本人が本当の意味で英語習得をするための「新発見」が隠れた一冊です。
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。 タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。 イラストや例文などが満載なので、これを機会にスラング英語をマスターしちゃいましょう!
「そちら」について理解していただけましたか? ✓「そちら」の意味①中称の指示代名詞 ✓「そちら」の意味②二人称の人代名詞 ✓「そちら」の意味③三人称の人代名詞 ✓「そちら」を感じで書くと「其方」 ✓「そちら」は聞き手側を指す言葉・「こちら」は話して側を指す言葉など