「元来」「本来」「本当」「元々」の意味の違いはご存じでしょうか?どれも日常会話においてよく使われていますよね。ただ、意味と使い方の違いについて理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は「元来」「本来」「本当」「元々」の違いについ徹底解説していきます!
「元来」・・・「はじめからそのような性質や状態である、改めて物事を説き起こす際にいう語」 「本来」・・・「性質・実力・役割などとして本質的に備わっていること、当然そうするべきこと」 「本当」・・・「嘘や間違いではなくその通りである、当然そうするべきこと」 「元々」・・・「最初からその状態である、前に示した状態が起きても起こる前とそれほど変わらないこと」
「元来」は「がんらい」と読みます。「げんらい」とは読まないので注意してください。 「元来」の意味は、
です。 「元来」ははじめからある状態や性質であること、前の状態を表します。生まれつき持っている性質という意味でも使えます。 例えば、「この着物は元来祖母の物である」と用います。これは「以前からこの着物は祖母の物だ」という意味になります。「前はその状態だった」と以前の状態も、「以前からその状態だ」とその状態が今現在も続いている場合にも使うことができます。 「元来」は物事だけではなく、人の性格を表す際にも用います。 また、「元来」は物事を説き起したり、疑問を投げかけるときに使うこともできます。「元来、◯◯は」と文頭で用います。 この場合の「元来」は「そもそも」と同義です。話を本題に戻したり、わけを振り返って説明する場合に役立ちます。 「元来」は話し言葉というよりも、書き言葉として用いるのが一般的です。
例文
「本来」は「ほんらい」と読みます。 「本来」の意味は、
です。 「本来」はいつからそうだという訳ではなく、本質的に備わっているものを表します。 例えば、「テストで本来の力を発揮できなかった」と用います。これは「自分が元から持っている実力を十分に出すことができなかった」という意味になります。 また、「本来」は「当たり前」「一般的に考えて、当然そのようにすべき」という意味でも使うことができます。「本来あなたが持っているべきだ」ならば「本当はあなたが持っていなくてはならない」という意味になります。 「◯◯すべき」「◯◯はず」「ならない」などと、当為・禁止を表す表現を伴って使うことが多いです。
例文
「本当」は「ほんとう」と読みます。 「本当」の意味は、
です。 うそや見せかけではないことを表します。例えば、「作り話ではなく本当の話だ」ならば「作り上げた話や嘘ではなく、事実である」という意味です。 本物である、正式な姿であるという意味でも「本当」を使うことができます。 「本当は私からお礼を言わなくてはいけない」などと「実際はこうだが、正しくはそうあるべきだ」という意味でも「本当」を使用します。 「演奏よかったよ、本当!」と文末に使うことで、自分の意見を強調することもできます。また、「本当にありがとう」「本当に嬉しい」などと、程度が甚だしいことも表します。 このように、「本当」は広い意味で使うことができる表現です。
例文
「元々」は「もともと」と読みます。「げんげん」と読むと、「根本」「基本」と違う意味になってしまうので注意してください。 「元々」の意味は、
です。 「元々」は、はじめからそのような状態であることを表します。現在より遡った始まりに言及する場合に使います。 例えば、「元々左利きだった」ならば、「以前は左利きだった」という意味になります。「元々〜だった」と過去形になっているので、「今は左利きではなく右利きである」と解釈できます。 「元々左利きだ」と現在形の場合は、「以前から左利きである」と前から変わらず左利きであることを意味します。 「元々」は、実際に行う前と比べて何も変わらないという意味でも用います。この場合は、行っても得たり失うものは少ないだろうと見当する気持ちを表します。 「ダメで元々」という言葉があります。略して「ダメ元」です。これは「仮に試みて失敗しても、何もしないよりは良いと考えること」を意味します。
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