「欺瞞」と「偽善」の違いについてしっかりと理解しているでしょうか?「自己欺瞞」「偽善者」などと、日常会話でも見聞きすることがある言葉ですよね。音が似ているので同じように使えるイメージがありますが、実はそれぞれ異なります。そこで今回は「欺瞞」と「偽善」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「欺瞞」・・・「あざむきだますこと、相手を信用させておいてだますこと」 「偽善」・・・「外面をいかにも善人らしく見せかけること、そういった言動」
「欺瞞」は「ぎまん」と読みます。 「欺瞞」の意味は「あざむきだますこと、裏切ること」です。 「欺」の訓読みは「あざむく」で、「信用させておいてだますこと」を意味します。 「瞞」の訓読みは「だます」で、「ごまかす、だますこと」を意味します。 「欺瞞」は同じ意味を持つ漢字で成り立っています。 ただ騙すということではなく、「相手を信用させておいてだます、納得がいくように装ってだます」というニュアンスになります。 「欺瞞」は軽い嘘や冗談とは違い、罪や不正を隠すなど、結構な不利益を及ぼします。 そのため、「政府が欺瞞する」など、国会や国際問題などの大きなことでよく使われます。 「自己欺瞞」という言葉があります。 「自己欺瞞」とは「自分を騙す、自分の思っている行動に反した言動をとってそれを正当化すること」を意味します。
というような使い方をします。 「欺瞞」の類語には、「いんちき」「いかさま」「ごまかす」「欺く」「騙す」「ぺてん」などがあります。
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「偽善」は「ぎぜん」と読みます。 「偽善」の意味は「本心からではなく、見せかけだけの善行」です。 「偽」は「本当のことを隠す、だます」、「善」は「正しいこと、良いこと」を意味します。 「偽善」はギリシャ語に由来しています。元々「劇中において、ある役を演じる」という意味で、「外面をいかにも善人らしく見せかけること、そういった言動」を意味するようになりました。 「偽善者」という言葉がよく使われます。「偽善者」とは「偽善を行う人、善良であると偽っている人」を表します。 表面的には相手のことを思っての言動に見えるが、実際には自分にとって得になることを行なっている人が「偽善者」です。 「偽善」の類語には、「不純な」「邪な」「猫かぶり」「食わせもの」「下心を持つ」などがあります。 対義語は「偽悪(ぎあく)」です。 「偽悪」とは「わざと悪く見せること」という意味で「偽悪者」「偽悪趣味」などと用います。「偽善」をもじって作られた表現になります。
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