「具現化」という言葉をご存知でしょうか。「具現化する」「具現化に至る」といったように使います。では、「具現化」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「具現化」は日常会話でもあまり使うことはないですよね。ビジネスシーンでは使われている場面が多いので、きちんと意味を知っておく必要があります。また、「具象化」や「具体化」など似た言葉がたくさんありますが、何か違いはあるのでしょうか。そこで今回は「具現化」の意味や使い方、類語との違い、対義語について解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「具現化」は<ぐげんか>と読みます。
「具現化」は「理想や思っていることを、実際の形やものとして表すこと」です。 今まで見えていなかったもの、頭の中で考えていたものを、実際に目に見えるものにすることを表します。 イメージや構想などを、商品やサービスなどしっかりと形のあるものにすることが「具現化」です。
考えやアイデアなどを、実際の形に表してみることを表す場合に「具現化」を使います。 例えば、新しい商品の開発をする場合、アイデアがあってそれを実際に作ってみたりと、形のあるものにすることを「イメージを具現化する」と表現できます。 このように「具現化」は、誰かの頭の中に思いついていたものを実際に表してみることを指します。ただ思っているだけ考えているだけで、形にしない場合は「具現化」は使うことはできません。 「具現化」は実際に行動に移してみることなので、とても良いイメージを伴って使うことができます。 「目標を具現化できた」「◯◯は私の目標を具現化したものだ」といったように用います。 使い方としては、
などとなります。
例文
「具体化」は<ぐたいか>と読みます。 「具体化」は「実際にはっきりとした形や内容を表すこと」です。 特に、計画・考えを実行に移すことときに使います。 「具体化」は、うやむやだったことをまとめてはっきりとさせる場合に使います。 例えば、『今度一緒に遊びに行こう』とはっきりとしていない約束を果たすために、どこに行くかを決めたり、日程を決めたりとプランを立てることが「具体化」と表現できます。 「具現化」は理想や目標、「具体化」は理想や目標以外にも計画や考えを叶える場合に用います。 「具現化」「具体化」は商品にしたり、作品にしたりと目に見えるものや手で触ることができるものを指す場合に使うという点で、同じように使うことができます。
例文
「具象化」は<ぐしょうか>と読みます。 「具象化」の意味は「思っていることを、実際に形にしてみて分かりやすくすること」です。 美術の分野において使われることが多い言葉です。 「具体」と「具象」の意味は同じです。 「具象名詞」などの言い回しでは「具体」と置き換えることは不可です。 「具象化」は美術において、ものをはっきりと表現する場合に使います。風景や人物などを思っている通り、見える通りに書くことが「具象化」となります。 具象化して描かれた絵を「具象絵画」と呼びます。
例文
「実体化」は<じったいか>と読みます。 「実体化」の意味は「漠然としているものや考えていることを、客観的にあるものにすること」です。 意識の元にあるだけのものを客観的な実物にすることを表します。事柄の真相を明かす場合にも「実体化」を使うことができます。 現代における写真などを「実体写真」と言います。これは「対象物をわずかにずれた角度から撮って、並べてそれぞれの目で見る写真」を表します。 「実体化」するものは物理的に形になっているもので、「具現化」するものは物理的に形になっているものとは限りません。 哲学用語としても用いられ、かなり難しい概念であり言葉です。日常会話で使われることはほとんどないでしょう。
例文
「実現化」は<じつげんか>と読みます。 「実現化」は「実際に事実となって表すこと」です。 考えていたことや、期待していたものが実際のものになることが「実現」となります。 「具現化」と最も意味が近いのが「実現化」です。 ただし「実現化」という言葉は実は造語で正しい日本語とされていません。「実現する」という形で使うのが正しい使い方になります。 「具現化」と言うよりも「実現する」の方が、実際に起こる可能性が高い表現となっています。
例文
「現実化」は<げんじつか>と読みます。 「現実化」の意味は「実際に存在したり、起こったりするようになること」です。 夢や妄想の中ではなくて、実世界の中で起きたり、確認できる形になることを表します。 「現実化」も「具現化」とかなり意味が近いです。 「具現化」「実現化」「現実化」は同義語とみなして問題ないでしょう。 「現実化」は「言葉は現実化する」といったように、日常的にもよく使われている言葉になります。
例文
その他の類語には、
などがあります。
「抽象化」は<ちゅうしょうか>と読みます。 「抽象化」の意味は「物事の注目する部分だけを抜粋して、それ以外は取り除くこと」です。 例えば、アンケートを実施するとして、「10代学生」「30代会社員」などと大雑把に分類することが「抽象化」となります。 抽象化することによって、重要な点はどこなのかを知ることができます。「10代はゲームが好きだ」といった場合は、抽象化しなければ人間ということですが、抽象化して「10代」とすれば物事が分かりやすくなります。
「仮想化」は<かそうか>と読みます。 「仮想」とは「実際ではそうではないことを、仮に考えること」です。 「仮想化」という言葉はコンピューティングの世界で使われる言葉なのであまり馴染みがないと思いますが、簡単に言えば「一つのサーバーで、いくつかのサーバーを活用すること」という意味になります。 「サーバーの仮想化」「仮想化ソフトウェア」といったように使います。一つのサーバーで、複数のサーバーをまとめるので、コストや負担を減らすことができます。 サーバーだけではなくて、ネットワークやストレージなどにも応用することが可能です。
「理想化」は<りそうか>と読みます。 「理想化」は「物事を自分が目指している姿や形に近づけて、見たり考えること」です。 対象を自分が目指しているものにひきつけることなので、実際のものとして扱うことが難しくなってしまいます。 目指すものがあるのはとても良いことですが、実際のものと離れ過ぎてしまうと上手く処理することができなくなります。実際に起きて欲しいと思っていることは、理想化しないようにしましょう。
「普遍化」は<ふへんか>と読みます。 「普遍化」は「特殊なものを無視して、共通のものを取り出して概念などを作り出すこと」です。 「普遍」は「特殊なものではなくて、どこにでも存在するような一般的なもの」を意味します。「普遍化」とすると、「独特なものを無視して、一般的なものを取り扱うこと」を表します。
「一般化」は<いっぱんか>と読みます。 「一般化」は「共通している部分だけに注目して、それらを一つの概念にすること」です。 物事の共通しているところに着目して、平均を取ることで扱いやすくすることを表します。 「一般化」は「普遍化」と同じ意味です。 また、「一般化」は「広く世間に行き渡っているもの」という意味でも使うことができます。この場合は、「土日休みが一般化する」といったように使います。
「具現化」は英語で「embody」になります。 「embody」は「体」を意味する「body」を動詞化した単語です。 対義語は「disembody」です。
The writer embodied his own philosophy in his life.
その作家は、自身の哲学を自身の人生で具現化した。
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「具現化」について理解できたでしょうか? ✔︎「具現化」は「ぐげんか」と読む ✔︎「具現化」は「理想や思っていることを、実際の形やものとして表すこと」を意味 ✔︎「具現化」の類語には、「具体化」「具象化」「現実化」などがある ✔︎「具現化」の反対語には、「理想化」「抽象化」「一般化」などがある