「高みの見物」という言葉をご存知でしょうか。「高みの見物でいる」「高みの見物を決め込む」などと使います。最近ではネットで使うことが増えているので、見聞きしたことがあるという人が多いかもしれません。では、「高みの見物」とはどのような意味なのでしょうか。なんとなく意味をイメージすることができますが、具体的にはどういったことを表すのでしょうか。意味をきちんと知っておけば、いざという時に使うことができます。そこで今回は「高みの見物」の意味や使い方、類語、「対岸の火事」との違いについて解説していきます。「高みの見物」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「高みの見物」は<たかみのけんぶつ>と読みます。 「高見の見物」は間違いなので注意しましょう。 「高みの見物」の意味は「直接は関係のない立場で、物事の成り行きを様子見すること」です。 自分には直接関係がないため、物事の成り行きを気楽に眺められることを表します。
元々「高みの見物」は「高い場所から、大騒ぎしている人々を楽しむように第三者の立場から見ること」を意味していました。 「高み」は「周囲よりもずっと高いところ」、「見物」は「価値があるもの、好奇心をそそるものを見ること」を意味します。 「高み」の「み」は「見る」ではなく、「甘み」「深み」などと使われているように「状態を表す語」として使います。
「高みの見物」は単に関わりがない物事を見るという場合ではなく、関わりがないからこそ、事の流れを興味本位で見ていられることを表す場合に使います。 例えば、「誰かと誰かが口論しているのを、遠くの方から『いや〜すごいことになっているね〜』などと呑気に眺めている」ということが「高みの見物」です。 「高みの見物でいる」「高みの見物である」などと言う他に、「高みの見物をしていられない」と否定形にして「他人事とは言えない」という意味合いで使うこともできます。 言い回しとしては、
などとなります。 ちなみに、最近ではネットでも「ワイ、高みの見物」といったように使われています。この表現は、自分よりも劣っている人がいた場合に見下す意味で用います。 例えば、「志望校に落ちた」という書き込みがあった場合。受験に成功した人が「合格したワイ、高みの見物」と行ったように使います。
例文
「対岸の火事」は<たいがんのかじ>と読みます。 「対岸の火事」の意味は「他人にとって重要な物事でも、自分にとっては痛くも痒くもない物事のこと」です。 「高みの見物」は「直接的に関係がないため、物事の経過を興味本位で傍観すること」 「対岸の火事」は「他人にとって重要な物事でも、自分にとっては関係ないので痛くも痒くもない物事のこと」 「対岸の火事」と「高みの見物」はどちらも「自分とは関係ないと思うこと」を表しますが、ニュアンスが異なります。 「関係ないとただ思うこと」が「対岸の火事」で、「関係ないと思い、横から面白半分に見ること」が「高みの見物」です。 「対岸の火事」よりも「高みの見物」の方が、悪質でねじ曲がったイメージとなります。 「対岸の火事」は「対岸の火事とせず」などと否定形にすると「自分には関係ない事ではあるが、同じ事を繰り返さないよう注意を向ける」という意味で、教訓として使うことができます。
例文
野次馬(やじうま) (意味:自分とは関係ないにも関わらず、興味を持ち騒ぎ回ること) 「野次馬が集まらないうちに対処してしまわないと」 第三者的な態度 (意味:いかにも無関係だという態度をとること) 「当事者にも関わらず、第三者的な態度をとっている」 他人事(ひとごと) (意味:自分には縁のないが、他人にとっては重大な物事) 「随分と他人事だけど、君も関係あるんだよ」 余所事(よそごと) (意味:直接は自分とは関わりがないこと) 「その事件は余所事とは思えない」 無関係 (意味:そのことに関係がないこと) 「私は無関係だから巻き込まないで」 我関せず(われかんせず) (意味:自分には関わりがないと思っているさま) 「我関せずと言うように、私には関係ない」 お門違い (意味:見当している事が違うこと) 「勘違いしているようだが、それはお門違いだよ」 見殺し (意味:他人の苦しみを知っておきながら救わないこと) 「溺れている人を見殺しにする」 傍観 (意味:関わらないでそばで見ていること) 「騒ぎを傍観する」 明日は我が身 (意味:悪い事が、いつか自分に起こること) 「明日は我が身だと思い生活する」 川向こうの火事 (意味:自分とは無関係の物事) 「川向こうの家事だし、何とかなるだろう」 川向かいの喧嘩 (意味:自分とは関係ない物事) 「川向かいの喧嘩と言うし、関わらないでおこう」
介入 (意味:ある物事に、当事者ではない人物が関わってくること) 「あなたは関係ないし介入してこないで」 干渉 (意味:ある物事に強引に関わって、自分の考えに従わせようとすること) 「干渉しすぎるのは良くないと思う」 口出し (意味:関係ない話に傍から色々と言うこと) 「彼女は口出ししてくるから嫌いだ」 お節介 (意味:関係ないのに迷惑をかけるような事をすること) 「お節介ほど厄介なものはない」 手出し (意味:関わりがないようにわきから色々とすること) 「他の人の手出しはいらない」 容喙(ようかい) (意味:横から色々と口を出してくること) 「頼むから容喙はしないでくれ」 差出口 (意味:ある範囲を超えて口出しすること) 「余計な差出口をするな」 ちょっかい (意味:余計な事をすること) 「しつこくちょっかいを出さないで」 仲介 (意味:どちらかの間に入って特別な計らいをすること) 「仲介してもらうように取り繕う」 斡旋(あっせん) (意味:物事が上手く進むように、両者の間に入ってとりもつこと) 「彼は人を斡旋するのが上手い」
「高みの見物」の英語表現を考えてみましょう。 「高みの見物」と同じ意味の英語のことわざは存在しないので、「傍観する」の英語表現で伝わります。 「傍観する」は英語で、
などになります。
He just looked on as his friends started arguing.
友達が喧嘩し始めたのに高みの見物だった。
「look on」は自動詞として使います。つまり、「look on something」と目的語を取るのは誤りです。 なので、「when」「as」などの接続詞を使い、「〜のときに、彼は傍観した」と表現するととてもナチュラルです。
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「高みの見物」について理解できたでしょうか? ✔︎「高みの見物」は「たかみのけんぶつ」と読む ✔︎「高みの見物」は「直接は関係のない立場で、物事の成り行きを様子見すること」を意味 ✔︎「高みの見物でいる」「高みの見物を決め込む」「高みの見物をしていられない」などと使う ✔︎「高みの見物」の類語には、「野次馬」「他人事」「無関係」「見殺し」などがある