「有志」という言葉をご存知でしょうか。「有志による寄贈」「有志を募集する」などと使います。「有志バンド」といったように日常会話でよく聞きますよね。日常的にだけでなく、ビジネスシーンにおいても「有志」は目にすることが多いです。「有志」は香典や祝儀、贈り物を贈る際にも用います。ただ、使われていることが多くても、正しく使えているとは言えません。よく使用する言葉だからこそ、適切に使いたいです。そこで今回は「有志」の意味や使い方、類語、例文について解説していきます。「有志」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「有志」は<ゆうし>と読みます。 「有」は音読みで「ユウ・ウ」、訓読みで「ある・たもつ・もつ」と読みます。 「有」は「〜がある。存在する」を意味します。 「志」は音読みで「シ」、訓読みで「こころざす・こころざし・しるす」と読みます。 「志」は「こころざし」を意味します。 「有志」の意味は「ある事柄についての関心やそれに関係する意志を持っていること。また、その人」です。 一緒に物事を行おうとする気持ち・その気持ちを持っている人々を表します。 「有志」は「志を有する」と書くように、「同じ目標や目的を持った人」という意味になります。 『よく分からないけれど参加してみる』などと漠然としているのではなく、明確な意志を持っている人を指します。
ある物事に関心があり、関わろうとする意志を持っていることを表す場合に「有志」を使います。 「有志」は実際に参加する人、お金を出してくれる人、計画をする人、準備をしてくれる人、などと形は様々です。 どんな形であっても、物事に関わっているならば「有志」と言うことができます。 よく使われている表現に「有志を募る」があります。 何かのイベントや行事がある時に、募集の広告や紙に書かれていることを目にすると思います。 文化祭などでも「有志バンド」「有志ステージ」というものがありましたよね。これは、強制ではなく自分から『やりたい!』と申し込んで集まってきた人たちで結成されたバンドを表します。学生時代にあった「有志」は、やりたい人だけが集まったもので形成されていました。 社会人にもなると、「有志」というのは、やりたくないけど少々強制的に参加させられてやらされるということが多くなります。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
お金や品物などを贈るときに「有志一同」を使います。 「一同」は「そこにいる人々、または仲間全体。みなみな」を意味します。 「有志一同」は「社内にいる全員」ではなく、「感謝や祝う気持ちを持った全員」ということを表しています。 「有志一同」も「有志」と同様に、計画だけ考えてくれる人、お金だけ出す人、文句ばかり言っている人など様々です。 その中には実際には贈りたいと思っていない人も含まれますが、建前として「一同」としています。 ただ、「有志」と「一同」ではどちらも「人々」という意味なので、「有志一同」は重言であるという意見もあります。 こういった考えもあることから「◯◯課 有志」、有志ではない場合は「◯◯課 一同」と書くのが無難でしょう 例えば、退職のお祝いであったら『◯◯様 長い間お疲れ様でした。益々のご活躍をお祈りいたします。 △年△月△日 株式会社□□ 有志』とします。 「有志」は香典や祝儀でも使うことができます。 社長や役員などは『株式会社◯◯ 代表取締役△△』と社名・名前を記載します。 同じグループや部署内で賛同した人をまとめる場合は『株式会社◯◯ △△事業所 有志』と社名・グループ名・有志を記載します。
「ボランティア」とは「志願者。奉仕者。自ら進んで社会事業などに無償で参加する人」です。 自発的にある活動に参加する人・社会事業活動に無報酬で参加する人を表します。 「有志」は「ある事柄についての関心やそれに関係する意志を持っていること。その気持ちを持っている人々」 「ボランティア」は「自主的に社会事業などに参加して、無償で奉仕活動をする人々」 「有志」の方が意味が広く、意味的に「ボランティア」は「有志」に内包されます。 「ボランティア」は何かに関心があるのは間違いないので有志であることは確実ですが、「有志」が無償で何かをやるとは限らないので「ボランティア」であるとは一概には言えません。もちろん「有志」が「ボランティア」である場合もあります。
例文
「一緒に物事を行おうとする気持ち」を表す言葉はないため、「ある事柄についての関心を持っている」という意味の類語を紹介します。
志を持つ (意味:心の向かうところを持っていること。心に目指すことがあること) 「志を持つ者だけが上に行ける」 覚悟のある (意味:心に待ち設けることがあること。心構えがあること) 「覚悟のある人だけが集まっている」 望みがある (意味:将来に寄せる期待があること) 「失敗してもまだ望みがある」 決意がある (意味:意志を決めることがあること。決心があること) 「決意があるので何とかやっていける」 堅固な (意味:物のかたくてしっかりしていること) 「堅固な気持ちがあるため上手くいくだろう」 泰然自若<たいぜんじじゃく> (意味:ゆったりと落ち着いて平常と変わらないさま) 「泰然自若として適切に処置する」 毅然<きぜん> (意味:意志が強くて、物事に動じずしっかりとしているさま) 「毅然として立ち向かっていく」 熱意がある (意味:熱心な気持ちを持っていること。意気込みがあること) 「彼女は熱意があるから、成功しそうだ」 高邁<こうまい> (意味:気高くて衆に優れていること) 「彼は高邁な精神を持っている」
結婚式のお祝い金や、退職のお祝いの品など、社内において有志で賛同をお願いするときがあります。 そこで、有志による賛同を求めるメールの書き方を紹介します。 有志を募集するメールはなるべく長くならないように気をつけます。 時候の挨拶は必要なく、用件のみを伝えます。 例えば、「◯◯さんが△月△日に結婚式を挙げることになりました。そこで有志によるお祝いの品を出したいと考えております。つきましては、お祝いの品に賛同いただける方は私までご連絡ください。なお一人◯◯円としたいと思います」などとします。 まず初めに、「◯◯さんにお子さんが誕生されました」「◯◯さんが定年退職されます」などと、誰かのおめでたいことについて書きます。 そのあとは、「有志でお祝い金をお贈りしたいと考えております」などと、何を贈るについて記載し、「賛同される方は私までご連絡ください。一人800円を予定しております」と、必要な金額をしっかりと書きます。
メールの一例
金額:一人500円 集金方法:◯月◯日に私まで
返信としては、有志を賛同する場合は、「賛同いたします」「賛同します」などと返します。 有志を断る場合は、「お断りします」「今回は遠慮いたします」などと返しましょう。 「賛同しません」と返すのはNGです。はっきりとしていて冷たい印象を与えてしまいます。 ただ「お断りします」だけでも何となくイメージが良くないので、前にクッション言葉を付けます。 「申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」「失礼ですが」「あいにくですが」などがあります。 「申し訳ございませんがお断りします」「恐れ入りますが今回は遠慮いたします」などとすると丁寧に聞こえます。
「有志」は「興味関心のある人」なので
かなと思ってしまうのですが、これだと違う意味になってしまうので注意です。 ※ここの「party」は「パーティー」の意味ではなく、「a group of people」つまり「集団」という意味です。 「interested person」「interested party」は「利害関係者」という政治的な用語になってしまいます。 ですので、「有志」は「people who are interested」と表現すればよいでしょう。
People who are interested just get together to learn how to do Bonsai.
有志が盆栽のやり方を学ぶたまにただ集まった。
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「有志」について理解できたでしょうか? ✔︎「有志」は「ゆうし」と読む ✔︎「有志」は「一緒に物事を行おうとする気持ち。その気持ちを持っている人々」を意味 ✔︎「有志を募る」「有志の人」「有志の飲み会」などと使う ✔︎「有志」の類語には、「志を持つ」「堅固な」「熱意がある」などがある