「事案」「案件」「事例」「事件」の意味の違いはご存知でしょうか?どの言葉も聞き馴染みがあると思いますが、正しく使い分けられているでしょうか?4つともそれぞれ異なります。そこで本記事では「事案」「案件」「事例」「事件」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「事案」・・・「現在問題となっている事柄、今後問題が発生しそうな事柄」 「案件」・・・「処理や調査をする必要のある事柄」 「事例」・・・「ある物事に関して、実際に起きた個々の具体的な出来事」 「事件」・・・「犯罪・事故・揉め事など、社会的に問題となっている事柄」
「事案」は「じあん」と読みます。 「事案」の意味は「現在問題となっている事柄、これから問題になりそうな事柄」です。 実際に発生した問題ではないものの、今後問題になりそうな事柄を「事案」と言います。処理するかしないかに関係なく、それ以前の検討する段階にある事柄を表します。 元々は法律用語として、政治的な事柄や法律的な事柄に対して使われていましたが、今では一般的に使われています。
というような使い方をします。 「事案」はネットスラングとしても使われています。ネットにおいては「不審者に間違われる可能性が高い行動」という意味で用いられます。「子供に声をかける」「公園を散歩する」といった普通の行動でも、警察へ通報される可能性があることが原因として挙げられます。 このように「普通のことをしていても事案になる」という風潮が強まったため、誤解を生む可能性がある行動を自虐的に「事案」と表現するようになりました。
例文
「案件」は「あんけん」と読みます。 「案件」の意味は、
です。 現在問題となっている事柄を表します。また、今後調査や処理をするべき事柄も意味します。「案件」はすでにトラブルが起きていて、何か具体的な行動がなされて、処理や対応をする必要性がある事柄を指します。 ビジネスシーンにおいて使われることが多い表現で、「あの件について〜」「例の件は〜」などと言うよりも、「あの案件について」と言う方が丁寧になります。 「案件」には「訴訟となる事柄」という意味もありますが、法律に携わる職ではない限り使用することはありません。 「事案」と同様、ネットスラングとして使われることも増えています。 例えば、「炎上案件」「明日の面接死亡案件」など、気持ちが高ぶったことや周りに伝えたい事柄を「案件」と表現しています。
例文
「事例」は「じれい」と読みます。 「事例」の意味は「ある事に対して、実際にあった個々の例」です。 過去に実際に起きた出来事、先例となる事実を表します。現在問題となっている事柄や、今後問題となりような事柄は「事例」とは言いません。
というような使い方をします。 例えば、「成功事例」ならば「過去に成功した事実」という意味で、実際に成功したという事実があることを表します。 「ヒヤリハット事例」という言葉があります。これは「日常生活において。大きな事故にはならなかったものの、大事故になる可能性が高かった事例」を意味します。大きなミスを防ぐために、医療現場や工事現場など、様々な業種で使われています。 類語には「例」「実例」「前例」「ケース」などがあります。
例文
「事件」は「じけん」と読みます。 「事件」の意味は、
です。 盗難事件、殺人事件、傷害事件など、人々の関心を引く出来事を「事件」と言います。ネガティブな事柄について使われることがほとんどです。 「出来事」というよりも「事件」と言うことで、問題性のある事柄ということが強調されます。 「訴訟事件」の略として使う場合もあります。
というような使い方をします。
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