「加味」と「考慮」という言葉をご存知でしょうか。「加味する」「考慮した上で」といったように使います。では、「加味」と「考慮」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。この2つの言葉は「考えること」を意味するということは、だいたいイメージがつきますよね。ただ、この2つの違いについて聞かれるとなかなか説明できません。使うことが多い言葉なので、しっかりと意味を知っておく必要があります。そこで今回は「加味」と「考慮」の使い分けについて解説していきます。意味を適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「加味」・・・物事を行う前に、ある特定の要素を付け足すこと 「考慮」・・・物事を行う前に、色々な要素を含めてよく考えること
「加味」と「考慮」は似ていますが、意味は異なります。 「加味」は「ある限定された要素を付け加えて、物事を考えること」で、「考慮」は「様々な要素を頭に置いて、物事をよく考えること」を表します。 「加味」よりも「考慮」の方が、幅広い事を考えに入れているので、熟考しているイメージとなります。
「加味」は<かみ>と読みます。 「加」は音読みで「カ」、訓読みで「くわえる・くわわる」と読みます。 「加」は「その上につむ、のせる」を意味します。 「味」は音読みで「ミ・ビ」、訓読みで「あじ・あじわう」と読みます。 「味」は「薬種」を意味します。 「加味」の意味は、
です。 「加味」は「調味料を足すことで、味を変えること」という意味から、「物事をより良いものにするために、工夫したり考えを巡らすこと」を表すようになりました。 例えば、「選手の意見を加味して、対策を考える」と言います。これは「ある程度対策は決まっているが、選手の意見も付け加えてより良いものにする」という意味になります。 言い回しとしては、
などとなります。 「加味」の類語には、「塩加減」「調味料」「塩梅」「香辛料」「シーズニング」「考量」「斟酌」「勘案」「視野に入れる」「計算に入れる」「計算に含めて」などがあります。
例文 「味を付け足す」という意味
「他の要素を付け足す」という意味
「考慮」は<こうりょ>と読みます。 「考」は音読みだと「コウ」、訓読みだと「かんがえる」と読みます。 「考」は「かんがえる、思い起こす」を意味します。 「虜」は音読みだと「リョ」、訓読みだと「おもんぱかる」と読みます。 「虜」は「あれこれと考えを巡らすこと」を意味します。 「考慮」の意味は「判断や行動をする前に、色々な考えをめぐらすこと」です。 単に「考える」ということではなく、「様々なことに思いを巡らせる」というニュアンスになります。 例えば、友人とどこかへ遊びに行くことになった場合、計画を立てるというときには「自分や友人の都合・お金の問題・天候・時間」といった要素を考えに含みます。このように、よく考えることを「考慮」と表します。 言い回しとしては、
などとなります。 「考慮」の類語には、「思慮」「内省」「考えに耽る」「先読み」「見当」「思量」「考察」「しっかりと考える」「酌量」「熟考」「思いを巡らす」などがあります。
例文
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