「皆様」と「各位」という言葉をご存知でしょうか。「皆様、お元気でしょうか」「関係者各位」といったように使います。では、「皆様」と「各位」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「皆様」と「各位」はビジネスシーンにおいて、使われていることが多い言葉です。2つの言葉を正しく使うためには、意味についてきちんと覚えておく必要があります。使うことが多い言葉だからこそ、適切に知っておきたいですよね。そこで今回は「皆様」と「各位」の使い分けについて解説していきます。意味を正しく覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「皆様」・・・その場にいる全ての人々、何か関係がある全ての人々など複数の人に敬意を表す語 「各位」・・・大勢の人を対象にして、その一人一人に敬意を表す語
「皆様」と「各位」は同義です。どちらも複数を指しているので、2人以上いる場合に使います。 例えば、「ご来場の皆様にお願い申し上げます」でも「お客様各位にお願い申し上げます」でも意味は同じになります。 違いとしては、「皆様」は手紙・アナウンス・挨拶で使われて、「各位」は案内状・お知らせ・改まった場所での挨拶などで使われています。 「各位」の方が、かしこまった言葉となります。 「皆様」は書き言葉として、「各位」は話し言葉として使うこともありますが、「皆様」は口語的、「各位」は文語的に使うことが多いです。
「皆様」は<みなさま>と読みます。 「皆」は音読みで「カイ」、訓読みで「みな」と読みます。 「皆」は「全部、丸々」を意味します。 「様」は音読みで「ヨウ」、訓読みで「さま」と読みます。 「様」は「敬意を表す語」を意味します。 「皆様」とは「その場にいる全ての人々、何か関係がある全ての人々を敬っていう語」です。 多くの人たちに呼びかけたり、注意を喚起する場合に「皆様」を使うことが多いです。 例えば、「ご来場の皆様へお願い申し上げます」「受講の皆様」「患者の皆様」「関係者の皆様」「忘年会に参加する皆様」といったように使います。 「皆様」は目上の人に対して使っても失礼に当たりません。「様」は尊敬の意を表しているので、「皆様」と呼びかけた後は敬語が続きます。 「皆様」は挨拶や手紙などにおいて使われることが多いです。 より丁寧に表現したい場合は「皆様方」とします。「方」は相手を敬っていう語です。 「皆様」の類語には、「あなたたち」「諸君」「諸兄」「君ら」「ご一同」「各々方」「お宅ら」「ご一統」などがあります。
例文
「各位」は<かくい>と読みます。 「各」は音読みで「カク」、訓読みで「おのおの」と読みます。 「各」は「それぞれ、かくじ」を意味します。 「位」は音読みで「イ」、訓読みで「くらい」と読みます。 「位」は「尊敬の気持ち」を意味します。 「各位」とは「大勢の人を対象にして、その一人一人に敬意を表す語」です。 「各位」は複数人の名前を書くのが難しかったり、大変なときに使える表現です。 本来は「◯◯様、△△様、××様」と書くべきですが、あまりにも多く、全員の名前を記載するのが面倒なときに「各位」を使用します。「皆様」と書くよりも「各位」をした方が丁寧です。 「各位」は複数の人にメールや手紙を送ったり、案内状やお知らせ、改まった場所での挨拶などに使われます。封筒の宛名ではなく、「各位」は文章の冒頭もしくは文中で用います。 「各位」は目上の人に対して使っても失礼に当たりません。 主に、「◯◯各位」という形で用います。複数の人の中に数名だけ目上の人が含まれているときは、「◯◯部長 △△課長 及び 関係者各位」などと表記することもできます。
例文
「方々」の意味は、 1.複数の人に敬意を表す語 2.いくつかの動作を兼ねて行うこと 3.あちらこちら、色々な方角や場所 です。 1と2の意味で使う場合、「方々」は<かたがた>と読みます。 複数の人々を敬っていう語なので、主に「◯◯の方々」という形で用います。 複数の人を指すことが多いですが、一人に対して使うこともあります。例えば、「多くの方々」「ご来場の方々」「当店へお越しの方々」などと使います。 また、一つのことをするついでに他のことをするという場合に「方々」を使います。 例えば、「運動方々ポストに手紙を出しに行く」「散歩方々本屋に立ち寄る」などと言います。 3の意味で使う場合、「方々」は<ほうぼう>と読みます。 いろいろな方角や場所を表したり、いろいろなところへ向かう様子を表す場合に「方々」を使います。
例文 「人に敬意を表す」という意味
「兼ねて行う」という意味
「あちらこちら」という意味
「貴殿」は<きでん>と読みます。 「貴殿」の意味は、
です。 「貴殿」は、男性が目上や同輩の男性に対して用いる語となります。相手への敬意を含んでいる表現なので、「貴殿」は目上の人に対して使っても問題ありません。 女性に対して使うのは間違いのような感じがしますが、今の世の中は男女差別をなくそう、男女平等にしようという考えが広がっています。 そういった考えもあって、女性宛の手紙や文書でも多く使われています。女性が文書で「貴殿におかれまして...」と使うこともあります。 しかし、本来「貴殿」は男性に対して使う言葉ということで、基本的に女性に対しては使うべきではないでしょう。女性に対しては、「貴殿」ではなく「貴女(きじょ)」を使うのが無難です。
例文
「様方」は<さまかた>と読みます。 「様方」とは「手紙やハガキを送るときに、送付先住所の世帯主の苗字と受取人の苗字が異なる際に使う敬称」です。 世帯主の苗字と宛先の苗字が同じ場合は、「様方」は使う必要はありません。 「様方」を使う場面としては、
などです。 「送る世帯主の名前+様方+送る相手の名前+様」といった形で使います。 例えば、山田太郎さんと同棲している鈴木花子さんに手紙を送る場合は、「山田太郎 様方 鈴木花子 様」とします。 「様方」は原則的に個人宅の場合に限り使用できます。企業・団体・施設には使うことはできません。
例 ◯板橋一郎さん宅に居候している豊島三郎さんにハガキを送る場合 「板橋一郎 様方 豊島三郎 様」 ◯義実家に帰省している北口四郎さんにハガキを送る場合 「南よし子 様方 北口四郎 様」
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