「顕在化」 は「けんざいか」と読み、「はっきりとあらわれる」という意味です。「今までもあった問題が顕在化した」などと使います。「顕在化」のさらに詳しい使い方と類語、対義語、英語表現を解説していきます。
「顕在化」の読み方は「けんざいか」です。
「顕在」の意味は「はっきりと目に見える形にあらわれて存在すること」です。 「顕在化」とすると、「隠れていたものがはっきりと表面にあらわれる、目に見える形としてあらわすこと」という意味になります。 今まで姿を見せずに潜んでいたものに対して、見て分かる状態になること・させることを表します。
「健在」の意味は、
です。 一つ目の意味では「祖父母はまだ健在です」と使います。これは「祖父母はまだまだ元気で元気に暮らしていること」を意味します。 二つ目の意味では「その歌手は相変わらず健在で人気がある」などと使います。「その歌手は歌声や状態が衰えずに、前の状態と変わらないことから人気がある」ということを表します。
「顕在化」は堅い言葉なので、ビジネスシーンで使うことが多いです。 「顕在化」をビジネスで使う場合も、ポジティブなこととネガティブなことのどちらにでも使えます。 問題・リスク・対立・損失などネガティブなものに対して使います。 例えば、「社長の交代後、社内の部署間対立が顕在化した」と用います。「社長が代わった後、これまで表に出ていなかった社内の部署間対立が明らかになった」というニュアンスになります。 マイナスなことが明らかになった場合に使うことが多いですが、ポジティブなことに対しても使います。 今まで知られていなかった能力や実力が発揮されたり、見逃していた利点を見つけた場合などです。 例えば、「ピアノを始めてから、彼女の隠れていた能力が顕在化した」などと用います。
「顕在化」は「顕在化する」「顕在化させる」「顕在化していない」という形で使います。 「◯◯の顕在化」という形で使うこともあります。
例文 ネガティブな使い方
ポジティブな使い方
「具体化」は「ぐたいか」と読みます。 「具体化」の意味は「抽象的な事柄をはっきりとした形や内容にあらわすこと」です。 うやむやになっていた物事を明らかにすることを表します。特に、計画や考えを実行に移すことを指します。 例えば、『今度一緒に飲みに行こう』とはっきりとしていない約束を果たすために、場所をどこにするか決めたり、日程を決めたりとプランを立てることを「具体化する」と表現できます。
例文
「可視化」は「かしか」と読みます。 「可視化」の意味は「実際に見えるようにすること」です。 人には見えないようなものを、目で見て把握できるように映像やグラフなどにしてはっきりと示すことを表します。 画像や表にするだけではなく、分析をして数値化することも「可視化」と言います。 「見える化」とも言います。「見える化」は「可視化」をわかりやすくした表現です。 ビジネスシーンでは「数値化」「データ化」といった表現の代わりに「見える化」が使われています。 「見える化を図る」「見える化を進める」「見える化させる」などと使います。
例文
「表面化」は「ひょうめんか」と読みます。 「表面化」の意味は「今まで隠れていた物事が表に出てくること」です。 これまで隠れていたものが、何かをきっかけに表に出てくる状態を表します。 これまで隠れていたものについては、予想していたものだったり、誰も予想していなかった場合があります。 例えば、「地震が発生し、警報システムの不備が表面化した」ならば「地震が発生して、警報システムが十分に機能していないことが明らかになった」というニュアンスになります。
例文
「表沙汰」の意味は、
です。 隠していたかったことや、知られたなくないことが公になってしまうことを表します。 「表沙汰になる」という形で使います。「表沙汰」はネガティブなものに対して用います。 また、「表沙汰」は「裁判沙汰になる」という意味でも使われます。
例文
「顕在」の同義語に「顕現(けんげん)」があります。 「顕現」の意味は「はっきりとした形や姿で現れること、現れるようにすること」です。 「顕現」は、「顕現」単体か「顕現する」の形で使うのが一般的で「顕現化」とは基本的には言いません。 よって、「顕在化する」=「顕現する」となります。 「顕現」という言葉は、宗教や哲学、スピリチュアルな分野で使われることが多いです。
例文
「顕著化」は「けんちょか」と読みます。 「顕在化」と「顕著化」の意味は全く同じです。 「顕著」の意味は「誰が見てもはっきりとあらわれていること」です。 「顕著化」とすると、「誰が見てもはっきりとわかる状態になる、させること」を表します。 「顕著化する」「顕著化させる」などと使います。
例文
「発現」は「はつげん」と読みます。 「発現」の意味は「物事の性質などが現れ出ること」です。 物事の性質や病気の症状などが現れ出ることを表します。「個性が発現する」「効き目が発現する」などと使います。 「遺伝子発現」という言葉があります。これは「遺伝情報が、多くの生体機能を持っているたんぱく質の合成を通して具体的に現れ出ること」を意味します。
例文
「潜在化」は「せんざいか」と読みます。 「潜在」は「表に出ずに、うちに潜んで存在すること」を意味します。 「潜在化」とすると、「表からは見えない状態になること、させること」を表します。 「潜在」という形で、「潜在的」「潜在能力」「潜在意識」などと使われることも多いです。 例えば、「潜在する能力」ならば「表に出ていない能力」を意味します。 目に見えるものを表す場合は「潜在」を使うことはできません。 「顕在化」と「潜在化」は反対の意味を表す言葉ですが、一緒に使用されることも多く、混同しやすいです。 しっかりと使い分けできるようにしましょう。
例文
「潜伏」は「せんぷく」と読みます。 「潜伏」の意味は、
です。 「隠れ潜む」という意味では、「地下に潜伏する」「街のどこかに潜伏する」などと使います。 何かを避けて隠れることを表すので、ネガティブなものに対して使うことがほとんどです。 「症状が現れない」という意味では、「潜伏期」「潜伏期間」などと使われています。
例文
「不可視化」は「ふかしか」と読みます。 「不可視」は「肉眼では見ることができないこと」を意味します。 「不可視化」とすることで、「実際には目に見えない状態である、見ることができないこと」を表します。 「不可視化する」「不可視化している」などと使います。
例文
「内面化・内在化」は「ないめんか・ないざいか」と読みます。 「内面化・内在化」の意味は「社会が有す基準や価値を、自分の価値や基準として受け入れること」です。 周りの人や親からの教えや習慣を受け入れて、それを自分のものとして行動することを表します。「内面化・内在化」は心理用語として使われています。
例文
「裏面化」という言葉はありません。 「裏面」は「ものの裏側の面」を意味します。「書類の裏面を見る」「裏面に名前を記入する」などと使います。
「顕在的」の意味は「潜んでいなくて、明確になっていること」です。 「顕在的知識」「顕在的なニーズ」「顕在的カリキュラム」「顕在的防御」などと使われています。 例えば、「顕在的ニーズ」ならば「顧客がある商品やサービスの必要性をしっかりと気付いていること」を意味します。
「顕在能力」は「自分自身がはっきりと自覚している能力」を意味します。 自分自身がしっかりとわかっているだけでなく、周りから見ても認められる能力を表します。
「顕在層」とはマーケティング用語として使われています。 「顕在層」は「すでにその商品やサービスのことを知っていて、購入を考えている顧客」を表します。 すでに「こういう商品が良い」と考えている人たちを「顕在層」と言います。
「顕在意識」とは「認識することができる意識」を表します。 別名「表面意識」とも言います。 自分自身の意思で行なっているもの、歩いたり、走ったり、昼食を考えたり、などといった行動は「顕在意識」によって行われています。
「顕在化する」は英語で、
という意味です。
It has become apparent that the economy is gradually deteriorating.
徐々に経済が悪化しているのが顕在化した。
「顕在化する」は「気づく」を意味する「realize」で表現することも可能です。 気づくのはなぜかというと顕在化したからなので、「realize」を使い間接的に顕在化したことを表現することができます。
We just don't realized that there is a huge risk on this project.
このプロジェクトのリスクは顕在化していないだけだ。
「顕在化」について理解していただけましたか? ✔︎「顕在化」は「けんざいか」と読む ✔︎「顕在化」は「はっきりとあらわれること」を意味 ✔︎「顕在化する」「顕在化される」「顕在化している」などと使う ✔︎「顕在化」の類語には、「具体化」「表面化」「発現」などがある