「ご紹介に預かりました」という言葉をご存知でしょうか?「ご紹介に預かりました」は、スピーチなどをする前に「紹介してもらいました」というようなニュアンスで使用される言葉です。改まった場面で使用されることの多い言葉ですので、きちんと使い方を覚えておきましょう。今回は、「ご紹介に預かりました」の正しい意味と使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ご紹介に預かりました」は、「紹介してもらった」という意味で使用される言葉です。 例えば、「○○株式会社の○○さんにご挨拶いただきます」などと紹介された場合に、「紹介してもらいました○○です」という意味で、「ご紹介に預かりました○○です」というように使用する定型句です。 結婚式にスピーチなどかしこまった場面はもちろん、ビジネスメールでも使用できる丁寧な表現です。
一般的に「ご紹介預かりました」と表記されていることが多いですが、正しい漢字表記は「ご紹介に与りました」となります。 「預」という漢字は、「荷物を預る」といったように一時的に保管するといったニュアンスで使用される言葉であるため、意味合い的に「ご紹介に預かりました」ではおかしくなってしまいます。 しかし、「ご紹介に預かりました」と誤用されていることが非常に多く、「ご紹介に与りました」と表記することが正しいということを知らない人も多いため、「ご紹介にあずかりました」と平仮名で表記することが無難であるといえるでしょう。
「与」は、「与える」という意味で使用されることが非常に多い漢字ですが、「与る(あずかる)」という使い方をすることもできます。 「与る」は、「物事に関わりをもつ・関与する」「目上から好意や恩恵を受ける」という意味で、目上の人から「〜をしてもらった」というような、恩恵を受けた場合に使用する謙譲語としてとして使用することができます。
「ご紹介に預かりました」は、「紹介」という言葉に接頭語の「ご」と、「〜ました」という丁寧語を使用した表現です。 したがって、「ご紹介に預かりました」ですでに敬語表現になっているということがわかります。
「いただく」は「(物などを)もらう」「〜してもらう」の謙譲語になります。 謙譲語は、自分の行動をへりくだって表現することにより、相手に敬意をしめすことができる敬語表現です。 したがって、「ご紹介いただいた」と謙譲語を使用して表現するほうが、相手に敬意を示した丁寧な表現になります。
「賜る」は「たまわる」と読みます。 「賜る」には大きくわけて、「もらう」の謙譲語 と 「与える」の尊敬語 の2つの意味があります。 「もらう」の謙譲語としての「賜る」は、「目上の人からものをいただく・ちょうだいする」という意味を持ち、目上の相手を立てながら自分がいただく様子を表します。 つまり、「ご紹介賜りました」は、「ご紹介していただきました」という意味で、特にスピーチなどかしこまった場面で使用される言い回しになります。
「僭越ながら」は「せんえつながら」と読みます。 「僭越ながら」は「身の程をわきまえず、失礼ながら」「失礼を承知の上で、出過ぎたことをいたしますが」という意味で、出過ぎた行動をするときや、意見を伝える場合に「申し訳ありませんが」といった意味合いで使います。 目上の人に意見するときや、大勢の人の前でスピーチするときなど謙虚さを表すとき謙虚さを表現するクッション用語としてよく使用されます。
「ご紹介に預かりました」は、自分を紹介をしてくれた相手を立てるために使用される言葉です。 したがって、紹介してくれた相手が社内の人間や、身内である場合は立てる必要がないため、「ご紹介に預かりました」は省略することが基本となっています。 社内の人間や、身内からの紹介でスピーチなどと行う場合は、「本日はお足元の悪い中〜…」など、そのまま軽く挨拶を済ませて本題にはいりましょう。
「 株式会社 四角 営業部 部長 佐藤寛太様 初めてメールを送らせていただきます。株式会社丸々の大津と申します。 株式会社四角の三角様よりご紹介に与りました。三角様にはいつもお世話になっております。 この度は、弊社の製品をご利用くださるということで、誠にありがとうございます。 早速ではございますが、製品利用に関する説明をさせていただきたいのですがご都合のよろしい日をお聞かせいただけますでしょか。 株式会社 丸々 営業一課 大 智則 」
「 ○○くん、○○さん、本日はおめでとうございます。 ただ今ご紹介に預かりました○○です。 本日はこのような華やかな席にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。 僭越ながら、友人代表としてひとことご挨拶させていただきたいと思います」 「 ○○(新郎)さん、○○(新婦)さん、ご結婚おめでとうございます。 心よりお祝い申し上げます。 ただいまご紹介に預かりました○○株式会社の遠藤でございます。 僭越ではございますが、ご指名いただきましたので、 お祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います。 」
「ご指名」は、「指名」という言葉に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「指名」は「対象の人物の名前の指し示す」という意味があり、「ご紹介に預かりました」を同じような意味合いで使用することが可能です。 忘年会などの乾杯の挨拶の指名をされたという場合には「ご指名に預かりました○○です」などと使用することがあります。 しかし、かしこまった場面では「ご紹介に預かりました」を使用するのが一般的です。 例文
「ご質問に預かりました」は、「ご質問いただきました」という意味で、質問に応える時のみに使用できる言い回しです。 例文
「ご紹介に預かりました」を、「ご紹介に上がりました」を使用してしまうのは、よくある誤用ですので注意してください。 この場合の「上がりました」は、目上の人に対して「お迎えに上がりました」と使用するのと同様に「紹介しに来ました」という意味の敬語表現になってしまいます。 したがって、「ご紹介に上がりました○○です」などと使用してしまうと、「紹介しに来ました○○です」という意味になってしまい不自然な文章になってしまいますので注意してください。
「ご相伴」はごしょうばんと読みます。 「相伴」には、 1.一緒に行くこと 2. 食事の場で、もてなしを受けること 3. 人の相手役を務めて、一緒に飲み食いすること 4.(比喩的に)他人とのつり合いで利益を得ること と4つの意味があります。現代では1の意味で使うことはほとんどありません。 主にビジネスシーンにおいて「ご相伴にあずかる」は「同席させていただく」「ごちそうになる」といった意味で使われています。
例文
「恩恵に与る」は、「おんけいにあずかる」と読みます。 「恩恵」とは、「利益や幸福をもたらすもの」という意味の言葉で、「人に情をかける」という意味合いがあります。 「恩恵に与る」は目上の人に、何かをしてもらったという場面で、「恵みを受ける」「幸福を受ける」というニュアンスで使用されます。 例文
「与って力がある」は、「あずかってちからがある」と読みます。 「与って力がある」とは、「物事の実現のために、多大な貢献をする」という意味の言葉です。 例文
「留守を預かる」の意味は、「主人や家族が不在の間、留守番の責任を負うこと」です。 この場合の「預かる」は、「物事の管理や運営をまかされてする」という意味になります。 つまり、「留守番をまかされる」という意味で使用される言葉です。 例文
「下駄を預ける」は、「相手に物事の処理の方法や責任を任せること」です。 ある問題について、処理や決断、責任などをすべて相手に任せるという場合に使用されます。 人に預けた下駄を返してもらうまでは自由に動くことができないといったことが由来で「下駄を預ける」と表現されます。 物事を任されるときは、逆に「下駄を預かる」と表現します。 例文
「ご紹介に預かりました」の英語は「Thank you for the introduction.」といいます。 直訳的に「I was given an introduction.」や「My name is Taro Yamada, who was just introduced」などと言うのは不自然な英語です。 下記の例文のように言うのが自然な英語です。
Thanks for the introduction. I'm Taro Yamada.
ご紹介に預かりました山田太郎と申します。
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「ご紹介に預かりました」について理解していただけましたか? ✓「ご紹介に預かりました」の意味は「紹介してもらった」 ✓「ご紹介に預かりました」は誤りで、正しくは「ご紹介に与る」 ✓「ご紹介いただいた」「ご紹介賜りました」はさらに丁寧な表現 ✓「ご紹介に預かりました」は結婚式のスピーチなどで使用される ✓ご紹介に上がりました」は「紹介しに来ました」という意味なので注意