「年季が入る」という言葉をご存知でしょうか。「年季が入ったわざ」「年季が入ったカバン」といったように使います。日常会話でもよく使われている言葉ですが、意味についてしっかりと理解しているでしょうか。見聞きしたことはあっても、意味はよく分かっていないという方が多いかもしれません。「年季が入る」と聞くと、意味は単純な感じがしますが、実は味わいのある言葉となっています。正しく使うためには、意味についてきちんと知っておくことが必要です。そこで今回は「年季が入る」の意味や使い方、例文、類語について解説していきます。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「年季が入る」は「ねんきがはいる」と読みます。
「年期が入る」は誤用です。 「年季」を「年期」と書き間違える方が多いので注意しましょう。 「年期」は「一年を単位とした期間」を意味します。 「年季」と「年期」の意味は似ていますが異なります。「年季」の意味や語源については下記で詳しく解説します。
「年季が入る」の意味は「長い間一つの仕事に従事して、熟練していること」です。 長年そのことの修練を重ねて、見事な腕前であることを表します。 また、「年季が入る」は「あるものが長い間使われているさま」という意味でも使われます。単に「古い」という意味ではなくて、「長く使われ続けていて、古くなる」という意味合いになります。
「年季が入る」は長い間ある事についての技術を磨いて、その道のプロであることを表す場合に使います。 例えば、「長い間レストランで働いている彼は、料理を作ることに年季が入っている」といったように言います。これは「彼は長くレストランで働いているので、食材を切ったり、料理を完成させることが早い」ということを表します。 「◯◯は年季が入っている」「年季が入った技」「年季が入った動き」などと使うことができます。 「年季が入った人」だったら「長い経験によって、そのことの知識や腕前が優れている人」を指します。 「年季が入った」という表現は、「ものが長い間、よく使い込まれている」という意味で使われます。「年季が入った車」「年季が入ったラジカセ」といったように、主に「年季が入った◯◯」という形でものに対しても用います。 「年季を入れる」という言い回しでも使います。意味は「長い間、ある物事を訓練すること」です。
例文
「年季」の元々の意味は「奉公人を雇うときに定めた年限」です。 「年季」は「年数を定めて、ある場所で働く」という意味の「年季奉公」が由来となっています。 「働く年数が定められる」という意味から「経験があって熟練した」という意味で「年季」が使われるようになったのです。
「入る」には様々な意味がありますが、「年季が入る」の「入る」は「」という意味です。 例えば、「夏休みに入ったので、存分遊ぶ」「夜に入り、一気に涼しくなった」などと使います。 「年季」は「」という意味なので、「年季が入る」で「」という意味になります。
熟す (意味:技術に優れていて上手なこと) 「彼はピアノが熟していて、よくコンクールに出ている」 円熟する (意味:技術が優れていて、豊富な内容となっていること) 「彼女の円熟した演奏に聞き入ってしまう」 老練(ろうれん) (意味:経験を積んで、その物事が上手であること) 「老練な動きに感心する」 風格がにじむ (意味:あるものが長い年月を経て、趣が出ること) 「風格がにじんでいる家が並ぶ」 味が出る (意味:あるものが長い間使われて、趣が出ること) 「長く使っている財布に味が出てきた」 時代を帯びる (意味:ものが長い年代を経て、趣を持つこと) 「時代を帯びたお皿が欲しい」 時代めく (意味:古めかしくて趣がある) 「時代めいた建物に興味を持つ」 古びた (意味:古めかしいさま) 「古びた帽子ばかり持っている」 レトロな (意味:昔懐かしいこと) 「彼女はレトロなワンピースを着ている」 古めかしい (意味:昔の雰囲気があるもの) 「古めかしい建物の中に入る」 年代物(ねんだいもの) (意味:長い間を経て、価値があるもの) 「年代物の洋服をもらった」
経験が浅い (意味:知識や技術が十分でないこと) 「まだ経験が浅くて、何もできない」 未熟 (意味:技術が十分でないこと) 「彼女はまだまだ未熟である」 不慣れ (意味:物事にまだ慣れていないこと) 「不慣れだから、完成まで時間がかかる」 青二才(あおにさい) (意味:知識や技術が十分でない若い男) 「青二才の私ですが、よろしくお願いします」 駆け出し(かけだし) (意味:物事を始めたばかりで、慣れていないこと) 「彼はかけだしだから、ミスは大目に見てください」 見習い (意味:始めたばかりで、人のすることを見て学ぶこと) 「まだ彼は見習いだが、よく頑張っている」 なりたて (意味:ある物事になって時間が経っていないこと) 「なりたての頃は、物事を覚えるのに必死だった」 新米(しんまい) (意味:ある物事を始めてから、時間が経っていないこと) 「新米に仕事を教える」 くちばしが黄色い (意味:若くて、物事に慣れていないことをあざける語) 「彼はくちばしが黄色いから、信用できない」 尻が青い (意味:未熟で、物事に慣れていない) 「まだまだ尻が青いから、しっかりと物事を教える」
「年季が入っている」の英語表現を見ていきましょう。
人が主語で「修練した、熟練した」という意味ならば、
などの形容詞を使えばよいでしょう。
直接的に表現すると「old」になります。「old」は物に対して使うとき「古い、ボロボロ」というニュアンスでネガティブな響きがあります。 そこで、動詞「age」と副詞「well」を使い、「◯◯ aged well.」と表現するとよいでしょう。「◯◯は良い状態で古くなった」という意味になります。このフレーズが一番「年季が入っている」のニュアンスに近いでしょう。
Your book has aged well.
あなたの本は年季が入っていますね。
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「年季が入る」について理解できたでしょうか? ✔︎「年期が入る」と表すのは間違い ✔︎「年季が入る」は「長い間一つの仕事に従事して、熟練していること」を意味 ✔︎「年季が入った技」「年季が入った家」「年季を入れる」といったように使う ✔︎「年季が入る」の類語には、「熟す」「味が出る」「駆け出し」「年代物」などがある