「遅まきながら」とは「時機に遅れて物事をはじめること」の意。「遅まき」とは、時季に遅れて種をまくこと。また、その品種。そのため「遅まき」の漢字は「遅巻き」ではなく「遅蒔き」。「遅まき」は名詞、「ながら」は接続助詞、「遅まきながら」で副詞的に使い、動詞が続く。「早まきながら」という表現はない。
「遅まきながら」の読み方は「おそまきながら」です。 「遅まきながら」の意味は「時期に遅れて物事を開始すること」です。 敬語ではありませんが、堅い表現なので丁寧な響きがあります。 そのためビジネスシーンやかしこまった場面でも使われています。 「遅まき」は名詞、「ながら」は接続助詞です。 「遅まきながら」は副詞的に使い、動詞を修飾します。
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「遅まきながら」の「遅まき」は他の言い回しでも使います。
などの形でも使います。 どの表現でも意味は共通しており、「時機に遅れている」です。
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「遅まき」は農業用語で「通常より遅い時期に種まきをすること」という意味です。 反対語は「早まき」です。 古語が由来の言葉ではありません。 「ながら」は逆説を表す接続助詞です。 内容の矛盾する二つの内容を繋ぐ役割を果たします。 「学生ながら勉強しない」「知っていながら答えない」「苦しいながらも生きる」などと使います。
「おそまきながら」を全て漢字変換すると「遅蒔き乍ら」になります。 接続助詞の「ながら」は基本的には漢字にしません。 読めない人がほとんどなので、使わないようにしましょう。 「遅巻きながら」とするのはよくある誤字です。 「巻く」は業界用語で「予定された時間よりも早めに進める」という意味があるため、意味的に合致する気がしてしまいますが誤用なので注意しましょう。 「遅蒔きながら」よりも「遅まきながら」と「蒔き」をひらがな表記することが多いです。 本来の「遅く種を蒔く」という意味から離れているため、「遅まきながら」とした方がしっくりくる方が多いです。 また、「おそまき」は「晩蒔」と表記する場合もあります。
「遅ればせながら」は「遅くなってしまいましたが...」「今更になってしまいましたが...」という意味の言い回しになります。 適当なタイミングは過ぎているけど、物事を行っておくということを表すフレーズです。 「遅くなってしまい申し訳ありません」と、遅れたことに対しての謝罪の気持ちが含まれます。 「遅ればせながら」は自分の遅れている行為に対して恐縮して使うのに対し、「遅まきながら」にはそのような意味は含まれません。 「遅ればせながら」の漢字表記は「後れ馳せながら」です。 「後れ馳せながら」の原義は「人より遅れて駆けつける」です。 そこから転じて、「時機を逃したが」という意味になり、「遅ればせながら」と同様にビジネスで使用することができます。
例文
「遅まきながら」はかしこまった場面で使われることが多くなっています。 そのため日常的には「今さらではあるが」「今更感は否めないが」などが使われています。 「今さら」は「もっと早ければ」「今となっては遅すぎる」といった意味を表す言葉です。 親しい友人などにも「今さらだけど」「今さらになっちゃった」などと使うことが出来ます。
例文
「遅まきながら」の英語は「late」で表現することができます。 「late」の類語には「belated」があります。 「late」は単に「遅れた」という意味ですが、「belated」は「手遅れになった」というネガティブなニュアンスが強いです。
I know it's late but I started exercising at this age.
遅まきながら、この年で運動を始めました。
Belated happy birthday!
遅ればせながら、お誕生日おめでとう!
「遅まきながら」の意味は「時機に遅れてしまったが」です。 名詞「遅まき」に、接続助詞「ながら」が付いたもので、動詞が続きます。 「遅まき」とは農業用語で「通常より遅い時期に種まきをすること。また、その品種」の意です。 類語「遅ればせながら」には、謝罪の意が含む点で異なります。