「画一的(かくいつてき)」とは「ひとつの枠にはめこみ、特徴や個性のないさま」「何もかもすべてを一様にそろえるさま」というネガティブな意味をもつ言葉です。「一本の線を引いたかのように整っていること」を意味する「画一」に、性質を表す接尾語「的」が付いたものです。一様に揃えようとする態度を「画一主義」、一様に揃えることを「画一化」などと言います。
「画一的」は「かくいつてき」と読みます。 「画一」の漢字は「劃一」とも書きます。 読み方は変わりません。
「画一的」の意味は「ひとつの枠にはめこみ、特徴や個性のないさま」「何もかもすべてを一様にそろえるさま」です。 要するに「全てを同じようにすること」を表します。 「画一」の意味は「一本の線を引いたかのように整っていること」です。 これは、ここの差異や事情を認めずに、すべてを一様に統一することを指します。
「画一的」は悪い意味で使うことが多くなっています。 例えば「画一的な教育」とした場合、一人一人の個性や事情を考えずにある基準で律して均一にしてしまう教育のことです。 それぞれ得意分野や好きなことがあるのを無視して、一つの枠にはめこみ、そこからはみ出る人を悪としてしまいます。 そういった教育は、子供の個性を成長させるのを妨げてしまいますよね。 「画一的」は「個性をなくす」「無理やり一つの枠にはめこむ」といった意味合いで使われることが多くなっています。
例文
「画一的」は良い意味で使うこともあります。 例えば、「どの店舗でも画一的なサービス」とした場合は、どの店舗で一律のサービスが得られるということになります。 何店舗も構えている企業では、店舗によってサービスの度合いに差があってはいけませんよね。 多くのものが同じである方がいい場合には「画一的」は良い意味となります。 また、世の中にはハガキや写真のサイズなどが一律で決まっていますよね。 これも「画一的」だからこそ、カメラを作る際や印刷をする際に困らないわけです。 「画一的」であることに、意味を成していることも多くあります。
例文
「画一的」以外にも「画一」には
などの表現もあります。 「画一化」は「物事を同じ様子や状態に揃えること」を意味します。 「画一化された」「〜を画一化する」などと使います。 「画一性」は「全体を一様に揃える傾向」となります。 「画一主義」とした場合は「何もかも揃えることを基本的な指針としていること」です。
「統一的」の意味は「全体を一つにまとめる立場をとるさま」です。 「統一」の意味は「ばらばらになっているものを一つにする、多くのものを一定のものにまとめること」です。 そこに「的」が加わり、「全体を一つにまとめる立場をとるさま」「一つにまとめて支配するさま」といった意味を持ちます。 「画一的」と「統一的」の違いは「一様にそろえる」か「一つにまとめるか」です。 「画一」は様々なものを一つの枠にはめこみ一直線にすることですが、「統一」は分立していたものを一つにまとめるといった意味が強くなります。組織化するといった意味です。
その他にも「画一的」の類語はたくさんあります。
「画一的」の対義語もたくさんあります。
「画一的」を意味する英語には「uniform」があります。 形容詞として使うと「画一的な」という意味ですが、名詞として使うと皆さんもご存知の「制服」という意味になります。 名詞は「uniformity」で「画一性」という意味になります。 ネガティブな意味で使う場合は「つまらない。味気のない」を意味する「dull」「bland」「boring」などと組み合わせるとそのニュアンスがしっかり伝わります。
Japan must change its uniform education system.
日本は画一的な教育制度を変えなければならない。
The office walls are a dull uniform white.
オフィスの壁はつまらない白で画一されている。
「画一的」の英語には「standardized」もあります。 「standardized」とは「標準化された」「規格化された」という意味です。
As an outcome of the standardized lifestyle, the obesity epidemic began.
画一的な生活様式の結果、肥満が流行した。
「画一的(かくいつてき)」とは、「特色も変化もなく、すべてが一様に揃っている様子」「特殊事情を考慮せず、すべて型にはめること」を意味する言葉です。 「画一的な教育」「画一的な生活様式」などと日本社会のあり方を非難する時によく使われます。 「画一」とは「一本の線を書いたかのように正しく整っている」という意味で、それに性質を表す「的」が付いて、「画一的」です。 すべて一様に整っている性質を「画一性」、すべてを一様に整えることを「画一化」、すべてを一様に整えようとする考え方を「画一主義」とそれぞれ言います。