「立役者」とは「物事を成功させるのに、重要な役割をする中心人物」を指す言葉です。「一座の中心となる重要な役者」という意味から転じた言葉です。「たてやくしゃ」と読みます。「陰の立役者」というと裏方として目標達成を支える人を意味します。
「立役者」の読み方は「たてやくしゃ」です。 「りつやくしゃ」ではないので注意しましょう。
「立役者」は、「物事の中心となって活躍する人」という意味があります。 「立役者」は必ずしも社長やチームリーダーなどの権力者とは限りません。 「重要な役割を果たす」とありますが、「重要や役割」は組織によってまちまちです。 例えば、ある会社で平社員の営業マンであっても、大企業の新規顧客を獲得した場合は、「立役者」ということができます。
「立役者」は元々演劇用語です。 「一座の中心となる重要な役者」という意味があります。 「立役(たてやく)」「立者(たてもの)」とも言います。 この意が転じて、演劇の場に限らずビジネスなどでも使われるようになりました。
「立役者」は、「○○への立役者」「△△の立役者」という形で使います。 先程ご説明したように、「重要な役割を果たす人」を意味する言葉ですから、物に対しては基本的は使いません。 「立役者の行動のおかげで物事が良い方向へ進む」という、ポジティブなニュアンスで使う表現です。 主な言い回しは、
などがあります。
例文
「立役者」は、「陰の立役者」という形でも使います。 「陰の立役者」とは悪い意味ではなく、物事の達成のために裏方としてそれを支えている人です。 目立つことはないが、物事を成功させたり目標達成するのに重要な役割を果たす人のことを指します。 「影の立役者」は誤記なので注意です。 「陰」には「外から見えない隠れた部分」という意味があります。 「影」と表記すると「日や月などの光」とニュアンスが異なってしまいますので注意しましょう。 類語には「縁の下の力持ち」があり、「人に知られることなく、陰で努力したり苦労する人」という意味で使います。
例文
「立役者」がただの「中心人物」という意味ならば、類語は「リーダー」「指導者」「中心人物」などになってしまいます。 しかし、「立役者」は「重要な役割を果たす」人なので、
などが類語にあたります。 「仕掛け」とは「行動に出ること、準備すること」という意味があります。 似たような言葉で「仕掛け者」がありますが、「人を騙す者」とネガティブな意味合いになりますので注意しましょう。 「火付け」は「火を付けること、またその人」という意味があります。 その意が転じて「物事のきっかけを作る人」という意味で使います。
例文
基本的に「立役者」は物事を成功や達成に導いた人、つまりポジティブな意味合いで使われる言葉です。 「重要な役割を果たす人」といった意味では「立役者」と同じだが、悪い意味で使う場合は、
などが類語にあたります。 「黒幕」の意味は「表に出ず陰で影響力や権力を持ち、計画したり指図したりする人」です。 「○○の黒幕」「黒幕は△△」という形で使います。 「フィクサー」の意味は「公式ではないやり方で物事の仲介や調停をする人、またそれで報酬を受ける人」という意味があります。 「フィクサー」は英語の「fix」が語源です。「fix」には「問題を解決する、改善する」という肯定的なニュアンスの意味合いもありますが、ここでは「不正に仕組む、操作する」といった否定的な意味合いで使われています。 何か問題が生じた時に、「正しい」と言われる方法で解決するのではなく、一般的に「悪い」「やってはいけない」ようなやり方で問題を解決しようとする人です。
例文
上記でご紹介したように、「立役者」は演劇用語でもあります。 演劇用語の言い換えは、
などがあります。 「座長」「座頭」は「劇団などの一座のトップ、最高役者」という意味があります。 「花形」「大立者」「名優」「千両役者」「スター」には「目立っている役者」「演技の優れた役者」という意味があります。
例文
「特に何の役にも立たない人」といった意味での反対語は、
などがあります。 「平社員」とは、「何の役職もついていない社員」という意味があります。 「平社員=役立たず」というわけではありませんが、「役職」がある人が重要な役割を果たす人とした場合の対義語は「平社員」になります。 「ぺいぺい」は「未熟な人を見下している時の呼び方」です。 自分をへりくだって言う時にも使います。
例文
演劇用語としての反対語は「脇役」「端役」です。 「脇役」は「わきやく」と読み、「演劇などで主役を引き立たせる役者」という意味があります。 「脇役」は演劇以外でも「中心人物の補佐的な役割を果たす人」というニュアンスで使われます。 「端役」は「はやく」と読み、「重要でない役」という意味があります。 また、「臨時で雇われる、端役を務める出演者」の意味を持つ「エキストラ」も「立役者」の反対語になります。
例文
「立役者」の英語表現は「play a key role in...」です。「play an important role in...」という形でも使います。 「...で重要な役割を果たす」というニュアンスで使われます。 「key」はこの場合「鍵」という意味ではなく「重要な」という意味で使われています。 「role」は「役割」という意味ですので、「key role」で「重要な役割」となります。 直訳すると「重要な役割を演じる」となり、その意が転じて「重要な役割を果たす」となります。 inの直後には「the meeting」などの名詞が入ります。
Her financial expertise played a major role in London City airport's development.
彼女の金融の専門知識は、ロンドン・シティ空港の発展に大きな役割を果たしました。
「中心人物」といった意味での英語に「leader」があります。日本語でも「リーダー」とよく言いますよね。 「指導者、統率者、指揮者」などの意味合いがあります。 ただし冒頭でもお伝えしたように、「leader」が必ずしも重要な役割を果たすとは限りません。
She became the country’s most influential political leader.
彼女はこの国で最も影響力のある政治指導者となった。
「職場の上司」といった意味合いで使われる英語が「boss」です。日本語でも「ボス」と言いますね。 「直属の上司、親方、監督者、雇用主」という意味があります。 男性に対しても、女性に対しても使うことができます。 日本語で「ボス」と言うとネガティブな響きもありますが、英語では悪い意味はありません。
I need to talk to my boss and get an approval about that.
上司と話して承認を得る必要があります。
特に政治的、宗教的な活動で、大衆行動を率先して指揮したりする人のことを「agitator」と言います。 動詞「agitate」に「世間に訴える、かき立てる」などの意味があります。
The riot was the work of political agitators.
暴動は政治的扇動者の仕業だった。
いかがでしたか? 「立役者」について理解は深まりましたか? ✔読み方は「たてやくしゃ」 ✔意味は「物事の中心となって活躍する人」 ✔基本的にポジティブなニュアンスで使う。 ✔類語は「仕掛け人」「黒幕」「座長」など ✔対義語は「平社員」「ぺえぺえ」「端役」など ✔英語表現は「play a key role in...」「leader」など