「際して」という言葉をご存知でしょうか。「出発に際して」「交渉に際して」などと使います。ビジネスシーンだけでなく、日常会話で使うこともある言葉です。では、「際して」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。見聞きしたことがある言葉でも、意味を知らない、何となく使っているという方が多いかもしれません。意外にも「際して」を使いこなしている人は少ないです。正しく使うためには、意味について適切に知っておく必要があります。そこで今回は「際して」の意味や使い方、「あたって・関して」との違い、類語について解説していきます。正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「際して」は<さいして>と読みます。 「際して」の意味は「ある状態や事態の時に、ある機会に臨んで」です。 ある物事や事柄に関係していることを表します。 「際して」は動詞「際する」の連用形「際し」+接続助詞「て」で成り立っています。 「際する」は「ある状態や出来事に直面すること」を意味します。
主に、「◯◯に際して」という形で用います。 例えば、「卒業に際して」「出発に際して」といった場合は「卒業するにあたって」「出発するにあたって」という意味になります。 物事を行う場合に、それに伴う注意事項や条件がある場合に「際して」で表現することができます。 使い方としては、
などとなります。 「際して」は堅い表現なので、ビジネスシーンで用いることが多いです。 ビジネスメールで使うこともでき、「際して」を使うことにより、文章を分かりやすくまとめることができます。 他にも、文書や挨拶、スピーチなどで使われます。
例文
「際しまして」は「際して」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「際して」も「際しまして」も意味は同じですが、「際しまして」の方が丁寧な言い方となります。 ビジネスシーンなど改まった場面や、目上の人に対して使う場合は「際して」ではなく「際しまして」を使うようにしましょう。 例えば、「契約に際して、注意事項を確認します」でも丁寧ですが、「契約に際しまして、注意事項を確認します」とするとより丁寧な印象を与えられます。 「際しまして」は手紙や何かを説明する場合に用いることが多いです。
例文
「あたって」の意味は「何かを行うときに、ある状態になる前に」です。 「あたって」は漢字では「当たって」と書くことができます。 「際して」は「◯◯するすぐ直前」、「あたって」は「◯◯するのに前もって」という意味になります。 「ご利用に際して」「ご利用するにあたって」とどちらを使っても違和感がない場合もあれば、言い換えることができない場合もあります。 例えば、「彼とデートするにあたって、何日も前からダイエットをしたり化粧の練習をした」と言います。この場合は「あたって」を「際して」に置き換えることはできません。 「際して」を使いたい場合は、「デートするに際して、待ち合わせ時間に遅れないよう早めに起きた」といったように間近の行為を表すようにします。
例文
「関して」の意味は「ある事柄に関連して、関わりがあって」です。 主に、「◯◯に関して」という形で用います。何か繋がりがある物事について言及することを表す場合に使います。 「際して」は「◯◯するときに」、「関して」は「◯◯に関係があって」という意味です。 例えば、「ケーキの作り方に関して、いくつか聞きたいことがあります」とは言いますが、「ケーキの作り方に際して」と置き換えることはできません。 「際して」を使いたい場合は、「ケーキの作り方に際して、注意するべき点があります」といったように何か条件があるときのみです。 「際して」と「関して」では意味が異なります。また「関して」よりも「際して」の方が堅い表現となります。
例文
「の際に」の意味は「〜するときに、〜の場合に」です。 「の際に」という表現は、日常会話で多く使います。例えば、「お帰りの際には」「ご入場の際には」「退院の際には」「お買い上げの際には」などと言います。 「〜に際して」と「の際に」は同じ意味です。 ただ、「の際に」よりも「〜に際して」の方が堅い表現なので、挨拶やスピーチなど改まった場面で使われることが多いです。
例文
〜について (意味:ある事柄に関係して) 「今日は薬物について学びたいと思う」 〜において (意味:ある事物に関係すること) 「彼はスポーツにおいては誰にも負けない」 するに当たり (意味:何かを行うのに当たって) 「開催するに当たっての注意事項を述べます」 関連して (意味:事柄に関わりがあること) 「今日の会を開くに関連して注意すべき点がある」 出くわして (意味:人が出会うこと) 「旅先で友達と出くわして嬉しかった」 直面して (意味:事柄に直接関わること) 「最悪な事態に直面して困った」 向き合って (意味:お互いが立ち向かうこと) 「二人は向き合っていて、ピリピリしていた」 当面して (意味:直接物事に関わること) 「困難に当面して、落ち着きがなくなってしまいます」 対峙(たいじ)して (意味:対立しているものが、向き合ったまま静かにすること) 「両チームは対峙して整列していた」
「際して」は英語で「when」を使えばよいでしょう。
When we leave, please make sure that you have all you need.
出発に際して、必要なものをすべて持っていることを確認してください。
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「際して」について理解できたでしょうか? ✔︎「際して」は「さいして」と読む ✔︎「際して」は「ある状態や事態の時に、ある機会に臨んで」を意味 ✔︎「際して」の敬語表現は「際しまして」になる ✔︎「際して」の類語には、「〜について」「するに当たり」「向き合って」などがある