「お願いできますでしょうか」という表現ビジネスシーンなどで依頼をするときに使用する表現ですが、みなさんは正しく使用することができていますか?今回は、「お願いできますでしょうか」の正しい使い方を解説します!また、「お願いできますでしょうか」と「お願いできませんでしょうか」との違いや英語表現も紹介しますので、参考にしてください。
「お願いできますでしょうか」という表現は、目上の人などに敬意を示して相手に何かを依頼する場面で使用する言葉です。 よく耳にする言葉ではありますが、「お願いできますでしょうか」は「ます」と「でしょうか」という丁寧語が二つ使用されているため二重敬語と呼ばれる誤った文法です。 二重敬語とは、同じ種類の敬語を重複して使用してしまうことをいいます。 つまり、「お願いできますでしょうか」という表現は、本来間違った表現であるということです。
「お願いできますでしょか」を正しい敬語表現にすると「お願いできますか」となります。 とくに同僚や部下といった関係である場合は、シンプルに「お願いします」でも十分な敬語表現として使用することができます。 ただし、少々強引な印象も与えかねないので、社内の上司など目上の人に使用する場合は「する」の謙譲語である「いたす」を使用して「お願いいたします」とするのが無難であると言えます。
「お願いできますでしょうか」という文法は二重敬語であるため誤りであるということを説明しましたが、一般的に使用されている表現です。 二重敬語は、本来であれば使用するべきではありませんが、誤りであっても使用する人が増えれば時の移ろいとともに日本語の習慣として定着していってしまうことがあります。 そのため、一概に間違っているから使用するべきではないと言い切れなくなってしまうのです。 できるだけ正しい敬語表現をすることを心がけ、臨機応変に対応することが望ましいです。
「○○様をお願いできますでしょうか」は、電話で対応をしてくれている人に話したい人に取り次いでもらうことを依頼するときに使用できる言い回しです。 つまり、「電話を○○さんにかわって欲しいです」というお願いを丁寧にした表現です。 その他にも電話での使用例として ・折返しのお電話をお願いできますでしょうか 「お折り返し電話してもらえますか?」 ・お取次をお願いできますでしょうか 「伝えてもらえますか?」 といった言い回しがります。
「ご返信をお願いできますでしょうか?」は、メールなど文面で連絡をとった場合に、相手に返信を求める場面で使用できる言い回しです。 「返信してください」では命令口調に感じられ印象が良くないので、「お願いできますでしょうか?」という言い回しを使用して相手に敬意を示してやわらかくお願いをします。 「返信」は相手の行為なので、尊敬を表す接頭語「ご」をつけるのが好ましいでしょう。
上記で紹介した表現以外にも、
など様々な依頼で使用することができます。
相手に「お願いできますでしょうか」と何か依頼された場合、可能なのであれば「問題ありません」や「承知いたしました」と返信します。 返信の言葉として「大丈夫です」という言葉があげられますが、「大丈夫です」という言葉は敬語ではないため、ビジネスの場面や目上の人に対して「大丈夫です」使用するのは避けるべきです。
などが好ましいです。
「お願いできますでしょうか」と依頼されたことが「不可能」であった場合は、ハッキリと失礼のないように返信をします。 不可のであるとお断りをする場合は、「恐れ入りますが〜」などのクッション言葉を入れ、断る理由を伝えます。 また、「〜でしたら可能ですがいかがでしょうか」というように代替え案を伝えると相手に誠意が伝わります。 そして、「今後ともよろしくお願いいたします」といった今の良好な関係に繋げる一言を述べるなど悪い印象で終わらせないように注意しましょう。 例
「お願いできませんでしょうか」も「お願いできますでしょうか」と同じく、相手に依頼をする場面で使用する言葉で、同じ意味で使用されますが若干のニュアンスの違いがあります。 「お願いできますでしょうか」は、「できる」という「可能」を意味する言葉を用いることにより、可能性を強調した表現となるため依頼の気持ちを強く言い表しています。 一方の「できませんでしょうか」は、「できる」という可能性の意味を「できません」と否定形にすることにより控えめに表現しています。 とくに、目上の相手に使用する場合は「できませんでしょうか」という表現のほうが敬意をしめすことができます。 「お願いできませんでしょうか」も文法的には二重敬語となりますが、「お願いできますでしょうか」と同様に、一般的に使用されている言い回しで、一概に「誤用だ」といえません。
「お願いしてもよろしいでしょうか」や「願えますでしょうか」は、ビジネスシーンや目上の人に使用できる丁寧な表現です。 「よろしいでしょうか」「願えますでしょうか」は相手の意志を確認したり、同意・許可を求めるときに使う表現です。 「よろしいですか」では少々砕けた表現になるため目上の人に対して使用するには不適切であるため、「よろしいでしょうか」と言ったほうがいい印象を与えます。 例
「お願いしたく存じます」「お願い申し上げます」は、さらに丁寧な表現になります。
「存じます」は「思います」「知っています」という意味の謙譲語で、自分自身をへりくだった言い方で、目上の人に対して使うことができる表現です。 「思います」「知っています」の「ます」も丁寧語なので敬語ですが、謙譲語「存じます」を使うと、より丁寧な表現になります。 例
「申し上げます」は、「申し上げます」は「言わせていただきます」という意味の謙譲語で、目上の人など敬意を払うべき相手に対して、”うやうやしく言う”というニュアンスになります。 ビジネスシーンにおいて感謝やお詫びを伝えるとき、また今後もお世話になることをお願いするときなど様々な場面で使うことができるとても丁寧な表現で、「申しあげます」ではなく「申し上げます」が正しい表記となります。 例
「お願いします」または「お願いできますか」は、同僚や部下に対して使用することができるカジュアルな依頼表現です。 「お願いします」は、「お願いする」という言葉に尊敬を表す補助動詞の「します」がついた表現です。 目上の人以外に使用する場合は、シンプルに「お願いします」と表現することが多いです。 「お願いできます」も「お願いします」も、依頼をする表現としてはぶっきらぼうな印象を与えてしまう可能性があり、命令口調に感じられてしまう場合があるため、目上の人に使用することは避けたほうがいいと言えるでしょう。 例
「ご確認いただけますか」は、相手に確認をお願いするときに使用される表現です。 「いただけます」は、「もらう」の謙譲語「いただく」+可能を表す「〜ける・〜れる」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「いただけますか」の形で使うことが一番多く、「◯◯できるならしてほしい」という意味になります。 つまり、「確認してもらうことはできますか」という意味で相手にお願いをする場面で使用することができる表現です。 例
「変更できますでしょうか」は、日程の変更をお願いするときに使用する表現です。 「できますでしょうか」という依頼をするときに使用する表現は、「できます」と「でしょうか」の二つの敬語を使用した二重敬語であるため本来は使用をさけるべき表現ではありますが、現代では一般的に広く使用されている表現です。 目上の人に正しい敬語で敬意を示すには「変更していただけますか」というような表現を使用することが望ましいです。 例
「お願いできますか」の英語は「Could I ask you a favor?」になります。 日常会話で使う場合は、「could」ではなく「can」を使えばよいでしょう。
Could I ask you a favor? I'd like you get a copy of this document.
この書類のコピーをお願いできますでしょうか。
ビジネスシーンでの依頼の英語表現で一番よく使われるのは、「Could you please...?」です。 「Could you please...?」は「物理的に可能かどうか」を聞いており、「Would you please...?」は「物理的には可能な前提で実際に実行してくれるか」を聞いています。 よって、「Could you please...?」の方が「そもそも物理的に不可能かもしれない」という前提にたって依頼しているので、より丁寧な依頼になります。
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このプロジェクトに関して、いくつかご教示をお願いできますでしょうか。
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「お願いできますでしょうか」について理解していただけましたか? ✓「お願いできますでしょうか」は二重敬語だが、一般的に使用されている ✓「お願いできますでしょうか」の正しい敬語表現は「お願いできますか」 ✓「お願いできますでしょうか」は電話やメールなど様々な場面で使用可能 ✓「お願いできまうでしょうか」を「お願いできませんでしょうか」にすると控えめに