「予定調和」という言葉をご存知でしょうか。聞いたことない、初めて聞いたという方も多いと思います。「予定調和」と聞くと、何だか難しそうな言葉であるというイメージを抱きますが、意味は比較的簡単ですぐに使えるようになります。また、「予定調和」の類義語や対義語もいろいろあるので、意味の印象が掴みやすいかと思います。そこで今回は「予定調和」の意味や使い方、哲学においての「予定調和」について解説していきます。意味を適切に知って、上手く使いこなせるようにしましょう!
「予定調和」の意味は「(日本社会で)小説・映画・演劇・経済・政治などと幅広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであること」です。 あらかじめ誰の目にも結果が明らかで、実際に予想通りの結果になることを「予定調和」と言います。 「予定」は「行動や行事などをあらかじめ定めること。前もって見込みをつけること。また、その見込みや定められたこと」を表します。 「調和」は「上手く釣り合い、全体がととのっていること。いくつかのものが矛盾なく互いに程よいこと」を表します。 例えば、「日常は、ドラマや映画のように予定調和の世界ではない」といった場合は「日常は、ドラマや映画のように予測通りの結果にはならない」という意味になります。
小説や漫画など物語においては「このような状態になったら、次はこのような事が起きる」という物語のタイプが多数存在するため、ある状態になったときに次に起こる事を予想できることがそれなりにあります。 予測どおりに物事が進行したとき・結果だったときに、「予定調和」という言葉を用います。 例えば、映画で怪物が街を破壊するシーンがあったとします。 どうなるかなと思いながらも、心のどこかでは「まあ映画だから誰か救世主が出てきて平和に終わるだろう」と予測してしまいますよね。 そして、いざ終わってみるとやはり街は全壊することなく平和になります。ここで「やっぱりな」と安心するわけです。 逆に、救世主が現れずに街が全壊してしまうと、視聴者も動転してしまい、後味が悪くなってしまいますよね。 このように、お決まりの展開になるだろうなと予想通りだったことを「予定調和」と言います。
例文
「予定調和」は、ドイツの哲学者”ゴットフリート・ライプニッツ”が唱えたものです。 ライプニッツは哲学者としてだけではなく、数学者としても有名な人物です。 「予定調和」とは、”宇宙は互いに独立したモナドからなり、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからである”というライプニッツの学説です。 ライプニッツは、現実に実在するものの構成要素を分析していくと、それ以上分割できない、広がりや形を持たない実体に到達すると考えました。この実体を「モナド」と言います。 「モナド」は部分を持たない、単純な実体にも関わらず、属性として状態を持ちます。属性を持っていないと、他のモナドと区別ができず、複数のモナドがあると言えなくなるからです。どのモナドも、他の全てのモナドと互いに必ず異なっており、またモナドは変化します。 モナド同士が相互に影響を及ぼすことはなく、モナドは、他のモナドに影響を及ぼしているように見える方法で神によって作成されたと考えました。これを「予定調和」と言います。 この予め神によって全ての孤立したモナドの間に仕組まれた調和が、哲学における「予定調和」になります。 これが転じて、小説や演劇などの物語において決まった結末が定められ、物語がその結末へ向けて収束することを「予定調和」と呼ぶようになりました。
示し合わせ (意味:前もってひそかに相談しておく。互いに合図をして知らせあう) 「兄弟で互いに示し合わせて家を抜け出す」 神の見えざる手 (意味:市場において、各個人の利己的な行動の集積が社会全体の利益をもたらすという調整機能) デウス・エクス・マキーナ (意味:演劇・文芸で、行き詰まった状況や難しい結末を必然性なく登場して解決する便宜的な役柄) 縁 (意味:そのようになる巡り合わせ) 「このように一緒に仕事をするのも、何かの縁だろう」 業<ごう> (意味:前世の善悪の行為によって現世で受ける報い) 「業をさらす」 因果 (意味:前に行った善悪の行為が、それに対応した結果となって現れるとする考え) 「親の因果が子に報い」 運命の導き (意味:将来の成り行きを案内する。今後どのようになるか示す) 「運命を導き出す一冊の本」
予想外 (意味:予想と違った成り行きとなること) 「映画の結末は予想外のものとなった」 肩透かし (意味: 意気込んで向かってくる相手の勢いをうまくそらすこと) 「いつもは混んでいる道が肩透かしを食うほど空いている」 想定外 (意味:事前に予想した範囲を越えていること) 「想定外の自動車事故に遭ってしまう」 不慮 (意味:思いがけないこと。意外) 「知人が不慮の死を遂げる」 拍子抜け (意味:手ごたえや反応、やりがいが予想よりないこと) 「難問を簡単に解決して、拍子抜けする」 期待はずれ (意味:心待ちにしていたような結果にならないこと) 「期待はずれの出来となる」 型破り (意味:常識を超えたやり方・考え方をするさま) 「型破りな新人である」 殊の外<ことのほか> (意味:予想とかなり違っているさま。思いのほか) 「殊の外、成績が良かった」
哲学における「予定調和」は「pre-established harmony」と言いますが、これは日常会話で使うことはまずありません。 日常的に使うことができる「予定調和」の英語表現は、「predetermination」が一番近いでしょう。「予め決められたこと」という意味です。
I don't like things that are predetermined.
予定調和が嫌いだ。
Things took place as if they were expected.
予定されていた通りに物事が進む。
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「予定調和」について理解できたでしょうか? ✔︎「予定調和」は「予め誰の目にも結果が明らかで、実際に予想通りの結果になること」を意味 ✔︎「予定調和」は、予測どおりの物事が起きることを表すときに使う ✔︎「予定調和」の類語には、「示し合わせ」「縁」などがある ✔︎「予定調和」の反対語には、「予想外」「不慮」「殊の外」などがある