「かねがね」という言葉をご存知でしょうか。「お噂はかねがね伺っている」「お話はかねがね伺っている」と使います。「かねがね」はビジネスシーンで見聞きすることが多い表現です。よく使う表現ですが、正しく意味を理解しているでしょうか。適切に覚えていないと、誤解を招いてしまう可能性があります。そのような状態にならないためには、意味をしっかりと理解する必要があります。そこで今回は「かねがね」の意味や使い方、漢字、「つねづね・概ね」との違いについて解説していきます。意味を適切に知って、上手く使えるようにしましょう!
まずはじめに「かねがね」の漢字について説明していきます。 「かねがね」は漢字で表すと「予予」「兼ね兼ね」となります。 「かねがね」の意味は「ある行いが前から続いたまま、今現在に至る状態」です。 「かねがね」は簡単に言うと、「以前から」「前々から」「前もって」となります。 「かねがね」は動詞「かねる」の連用形「かね」を重ねた表現です。 「かねる」は「一つのものが二つの役割を持つこと」を意味します。これが「ある段階で、未来のことも前から考える」ことを表すようになりました。
「かねがね」は副詞として使います。 「かねがね」は過去から現在に至るまで、引き続いていることを表す場合に用います。 例えば、「◯◯さんのお噂はかねがね聞いております」だったら「◯◯さんの噂については前から聞いています」という意味になります。 「かねがね」自体は敬語ではありませんが、ビジネスシーンで使うことができます。 目上の人に対して使う場合は、「かねがね」の後に続く言い回しを敬語表現にします。「話はかねがね聞いている」だったら「お話はかねがね伺っております」と直します。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「つねづね」の意味は「いつもその状態が続いていて、変化しないこと」です。 「つねづね」の漢字は「常々」となります。 「つねづね言っている」「つねづね感じている」「つねづね思っている」などと使います。 「かねがね」は「前から」、「つねづね」は「いつも」ということになります。 例えば、「旅行に行ってリラックスしたいとかねがね思っている」だったら「前から思っていること」、「旅行に行ってリラックスしたいとつねづね思っている」だったら「常にそう思っていること」を意味します。 このように、「かねがね」と「つねづね」では意味が異なります。
例文
「概ね」は<おおむね>と読みます。 「概ね」の意味は、
です。 「概ね」はどのくらいの範囲や程度を表しているか、具体的な決まりはありません。 そのため「概ね」の範囲や程度は個人の感覚やなんとなくの共通認識となり、とても曖昧な表現となります。 「概ね」を使うと相手に誤解を生んでしまう可能性もあるので、しっかりと物事を伝えたい場合は他の言葉に置き換えるのが良いです。 「概ね」を「かねがね」と読んでしまう間違いがよくあります。 「かねがね」と「概ね」では意味が異なるので、しっかりと区別するようにしましょう。
例文
以前から (意味:ある時点よりも前から) 「以前から彼女の様子がおかしいことに気づいていた」 従来から (意味:以前から今に至るまで) 「この商品は従来から人気がある」 かねてより (意味:以前から) 「かねてより彼女と付き合っている」 前々から (意味:前から今まで) 「前々からこのサービスを利用している」 従前より (意味:今から前より) 「従前より彼とは仲良くしている」 旧来より (意味:以前から) 「この商品は旧来よりパッケージが可愛くなった」 元来 (意味:前からある状態であること) 「元来、父は怒りやすい性格である」 常日頃 (意味:普段からある状態であること) 「常日頃から身なりをきれいにすることを心がける」 いつも (意味:状態が変化しないこと) 「いつも彼は元気に走り回っている」 しょっちゅう (意味:ある行いが休むことなく続いていること) 「しょっちゅう彼女は学校を休んでいる」 ずっと (意味:状態が続くこと) 「私はずっとこの町に住んでいる」
以後 (意味:今から先) 「以後注意するようにしましょう」 これからも (意味:今から後も) 「これからもよろしくお願いします」 向後(こうご) (意味:これから先) 「彼女の向後が非常に楽しみだ」 今後 (意味:今から先) 「今後、何か悪いことが起こるかもしれない」 その後 (意味:それよりも先) 「その後、お身体はいかがでしょうか」 直後 (意味:これよりも後) 「イベントが終わった直後に雨が降ってきた」 後々 (意味:今より先) 「準備をしておかないと後々困るよ」 以降 (意味:ある時点からあと) 「15時以降から予約が始まる」 事後 (意味:ある物事が終了する) 「しっかり対応しないと、事後処理が大変だ」 先々 (意味:前から) 「先々から悩んでいたが、やっと解決した」 行先 (意味:後の状況) 「彼女の行先が不安だが、見守るしかない」 末ずえ(すえずえ) (意味:後の方) 「彼は末ずえ良い方向に成長すると思う」
「かねがね」を英語で表現するには、現在完了の「have」と「always」を一緒に使えばよいでしょう。
I have always heard about it.
そのことに関してはかねがね聞いております。
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「かねがね」について理解できたでしょうか? ✔︎「かねがね」は「ある行いが前から続いたまま、今現在に至る状態」を意味 ✔︎「お噂はかねがね伺っている」「ご高名はかねがね伺っている」と「かねがね」は副詞として使う ✔︎「かねがね」の類語には、「以前から」「前々から」「かねてより」「元来」などがある ✔︎「概ね」という言葉は「かねがね」と読み間違えられることが多いが、意味は全く異なる