「了知」「承知」「承諾」「了解」「了承」の違いについて正しく理解していますか?どれもビジネスシーンで見聞きすることが多いですよね。どれも同じように使うイメージがありますが、実はそれぞれ異なります。そこで今回は「了知」「承知」「承諾」「了解」「了承」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「了知」・・・「ある物事の内容や事情についてしっかりと知っていること」 「承知」・・・「ある物事の内容をしっかり知っている、知った上で希望や依頼を聞き入れること、許すこと」 「承諾」・・・「相手の意見や依頼を聞いて、それを引き受けること」 「了解」・・・「物事の内容や事情を理解する、理解した上で納得すること」 「了承」・・・「物事の事情を理解して納得すること」
「了知」は「りょうち」と読みます。 「了知」の意味は「ある物事の内容や事情をさとり知ること」です。 「了」は「明らかである、確かである」、「知」は「しる、感づくこと」を意味します。 ある事柄についてしっかりと理解すること、はっきりと知ることを表します。 主に「了知する」という形で、「その物事についてはっきりと知っていること」を表したい場合に使います。 例えば、「事の良し悪しを了知する」などと用います。 「了知」は法令用語として使われることが多いです。 「了知主義」という言葉があります。これは「意思表示の効力が生じるのは、相手がその内容に了知された時点であること」を表します。 「了知」の類語には、「わかる」「会得」「気づく」「知る」「存じ上げる」「認知」などがあります。
例文
「承知」は「しょうち」と読みます。 「承知」の意味は、
です。 「知っている」という意味では、「詳しい内容を承知している」「百も承知」「無理を承知で」などと使います。 「事情をよく知った上で、依頼や命令を受け入れること」も表します。 「承」は「相手の意を受けること」を意味します。「承知」は「承」という字を含んでいるため、丁寧な表現です。 目上の人に対して使うことができます。 主に「承知しました」「承知いたしました」という表現が使われます。 目上の相手には「わかりました」と返事をするよりも、「承知しました」と言った方が丁寧な印象を与えられます。 「事情を知って許す」という意味では、「〜しない」など打ち消しの語を伴って用います。 例えば、「今度遅刻したら承知しない」と使います。打ち消しの語をつけることで、「許さない、勘弁しない」という意味になります。
例文 ①の意味
②の意味
③の意味
「承諾」は「しょうだく」と読みます。 「承諾」の意味は「相手の依頼や要望などをもっともと思い、受け入れること」です。 「諾」は「引き受けること、同意すること」を意味します。 相手の意見・依頼・願望を聞いて、それを引き受けることを表します。 「承諾」は「前向きに引き受ける」とプラスな意味合いを含みます。 契約を結んだり、取引を行う場合などに使います。例えば、「転勤を承諾する」「ドラマへの出演を承諾する」などと言います。 個人の行為に対して使われる他に、会社同士の取引などにも使うことができます。 ビジネスの場では「ご承諾いただき〜」という形で用います。依頼をするときや、承諾してくれたことへの感謝の気持ちを伝える場合に使います。 「承諾を得る」という表現も使われます。「自分の頼みや意見に、相手が納得してくれて引き受けてくれること」を表します。 「承諾」はビジネスシーンだけでなく、日常会話でも使うことがあります。
例文
「了解」は「りょうかい」と読みます。 「諒解」と表記することもできますが、一般的には「了解」と表します。 「了解」の意味は
です。 「了」は「明らかである、確かである」、「解」は「よくわかること」を意味します。 例えば、「サービスの内容を了解する」と使います。 「◯◯の件については了解済みだ」ならば「内容を理解した上で、認める」というニュアンスになります。 また、「了解」は「通信で、内容を受け取ったことを表す語」として使います。 『こちら現場です、どうぞ!』『了解!』などと使うこともできます。 「了解」は相手から何か依頼されたときの返事として使うことが多いです。 「了解」は素っ気なく、敬意が足りない表現のため、同等や目下の人に対して使います。目上の人に使うと失礼に当たります。 「了解!」「了解です」は当然のことながら、「了解しました」と丁寧な言い方でも軽い印象を与えてしまいます。
例文 ①の意味
②の意味
③の意味
「了承」は「りょうしょう」と読みます。 「諒承」と表記することもできますが、一般的には「了承」と表します。 「了承」の意味は「事情を理解して納得すること」です。 納得して賛同することを表します。 「受け入れる」ことに重点を置いていて、「許可する」という意味合いがあるので、上から目線のニュアンスが強いです。 目上の相手に要求・依頼をする場合や、それを許可する場合に使います。 例えば、上司に対して案を提案する場合に「ご了承いただけますか」と言うことができます。それに対して賛成であるというときは、「了承しました」と言います。 「了承する」のは立場が上の人なので、目下が目上の人に対して「了承しました」と使うのは誤用です。 目下が目上の人に使えるのは、了承をお願いするときと、了承してくれたことに対してお礼の気持ちを伝える場合になります。
例文