「目途」と「目処」という言葉をご存知でしょうか。「目途が立つ」「目処が付く」といったように使います。では、「目途」「目処」はどのような意味なのでしょうか。この2つの言葉は日常会話においても、使うことがある言葉です。普段使うことがある言葉なので、意味についてしっかりと知っておきたいですよね。しかし、「目処」と「目途」の違いについて曖昧になっていることが多いです。そこで今回は「目途」と「目処」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「目途」・・・物事を進める上で目指すべきところ、目標 「目処」・・・物事を進める上で目指すべきところ、見通し
「目途」と「目処」は同じ意味で、同じように使うことができます。細かく分けると、それぞれ「目途」は「目標」、「目処」は「おおよその見通し」という意味で使います。 細かい違いはあるものの、「目途」としても「目処」としても基本的に間違いではありません。 「目途」は「めど」以外に、「もくと」と読むこともできます。 一般的には「目処」が使われていることが多くて、「目途」はお役所言葉として使われています。
「目処」の意味は「目指すべきところ、おおよその見当、標的」です。 「目」は音読みで「モク・ボク」、訓読みで「め・ま・さかん」と読みます。 「目」は「めじるしとなるもの、しるしとなるもの」を意味します。 「処」は音読みで「ショ」、訓読みで「おる・おく・ところ」と読みます。 「処」は「おる、場所」を意味します。 「目処」は何か物事を進めている上で向かおうとしている事柄、目標としている場所を表す場合に使います。 例えば、「10分を目処に小テストを行う」だったら「10分を目標にして、問題を解く」、「事件を片付ける目処が付く」だったら「事件を片付ける見当が付く」という意味になります。 言い回しとしては、
などとなります。 「目処」は植物「メドハギ」からきていると言われています。易占いで用いる竹棒にメドハギが使われていて、通称メドと呼ばれていました。 易占いが将来向かうべきところを表すことから、「メド」は「目標、見通し」を意味するようになりました。
例文
「目途」の意味は「目指すべきところ、おおよその見当、目標」です。 「目」は音読みで「モク・ボク」、訓読みで「め・ま・さかん」と読みます。 「目」は「めじるしとなるもの、しるしとなるもの」を意味します。 「途」は音読みで「ト・ズ」、訓読みで「みち」と読みます。 「途」は「みち、いきさつ」を意味します。 「目途」は元々「もくと」と読まれていましたが、今現在は「めど」という読みで、「目処」と同じように使われています。 「目途」は日常会話では「めど」と読むことが多いですが、政治家などが挨拶や演説をするときは「もくと」という読みで使うことが多いです。 「目途」は、お役所言葉として用いられています。 「目途」は達成するべき目的、物事を進める上で目指すべきところを表す場合に使います。 例えば、「準備が遅れていて、イベント開催の目途が立たない」といった場合は「準備が遅れていることが原因で、イベント開催の予定が分からないまま」という意味になります。
例文
目当て (意味:目的としているもの、目指しているもの) 「私の目当ては半額になっている洋服だ」 目標 (意味:実現することを目指している基準) 「目標を達成できるように努力する」 目的 (意味:達成させようと目指しているもの) 「この計画の目的としては、みんなの仲を深めることだ」 見通し (意味:物事の結果や成果を予想すること) 「復帰の見通しはまだ立っていない」 見込み (意味:将来の予想) 「もうすぐ復旧する見込みです」 当て所 (意味:目指しているところ) 「旅行の当て所としては、その国の文化を知ることだ」 意図 (意味:何かをしようと目指しているところ) 「早めに行うことを意図しているが、なかなか難しい」 作意 (意味:何か良くないことを計画していること) 「彼の行動には特に作意はないだろう」 意趣 (意味:心が目指しているところ) 「意趣としては、必ず成功させることだ」 狙い (意味:目指しているところ) 「彼女の狙いを読み取るのは難しい」 展望 (意味:将来を見渡すこと) 「未来の対しての展望は今のところない」
「目安」の意味は「だいたいの見当、目印、目当て」です。 「目」は音読みで「モク・ボク」、訓読みで「め・ま・さかん」と読みます。 「目」は「めじるしとなるもの、しるしとなるもの」を意味します。 「安」は音読みで「アン」、訓読みで「やすい・いずくに」と読みます。 「安」は「たやすいこと」を意味します。 言い回しとしては、
などとなります。 「目安」の類語には、「準則」「試金石」「規格」「規準」「準拠」「物差」「標準尺度」「引き合い」「原点」「参考」「指標」「基点」などがあります。 「目処」は「物事を進める上で目指しているもの」、「目安」は「物事を判断するときの基準となるもの」を意味します。 「目処」と「目安」は似ていますが、それぞれ意味が異なります。
例文
「目処/目途」は英語で、
などになります。 「目処がつく」は英語で「I can see the light at the end of the tunnel.」というイディオムがあります。 「I can see the light at the end of the tunnel.」は直訳すると「トンネルの最後の光が見える」になります。これは「物事の終わりが見えてくる」という意味なので、日本語の「目処がつく」にとても似た表現になります。
正しいxxxxの使い方
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「目処/目途」について理解できたでしょうか? ✔︎「目処/目途」は「めど」と読む ✔︎「目処/目途」は「目指すべきところ、おおよその見当、標的」を意味 ✔︎「目処」と「目途」は細かい違いはあるが、基本的に同じように使うことができる ✔︎「目処/目途」の類語には、「目当て」「目標」「見通し」「狙い」などがある
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