「深謀遠慮」の意味は「深く考えを巡らして、遠い先のことまで考えたり計画を立てること。また、その計画」です。「しんぼうえんりょ」と読みます。「深」は考えが深いこと、「謀」は計画すること、「遠」は遠い未来のこと、「慮」は考えをそれぞれ指し、これらの四文字が複雑な結びつき方をして生まれた言葉です。
「深謀遠慮」の読み方は「しんぼうえんりょ」です。 意味は「深く考えを巡らして、遠い先のことまで考えたり計画を立てること」です。 その計画そのものを指すこともあります。 現代において「遠慮」の意味は「人に気遣って控えめにすること」ですが、元々は「遠い未来を考えたり思うこと」でした。 「深」は「考えが深いこと」を表します。 「謀」は「はかりごと」の漢字で「計画」のことです。 「遠」は「遠い将来のことまで考えること」を表しています。 「慮」は「おもんぱかる」の漢字で「考え」のことです。
「深謀遠慮」は中国前漢の「賈誼(かぎ)」の著書『過秦論(かしんろん)』に由来します。 原文は「深謀遠慮、行軍用兵之道、非及曩時之士也」で、意味は「深く考えを巡らして遠い先のことの計画や、軍事利用の方法においても、諸侯国には及ばない」となります。 これは秦が法治を重んじ過ぎたことで二世で終わったことを批判しています。 そもそも過秦とは「秦の過ち」のことを指しています。 ちなみに「深謀遠慮」と調べると三国志と出てきますが、これはゲームの大三国志におけるアビリティの名前として用いられていたり、三国志14における戦法の名前として用いられています。
「深謀遠慮」はただ計画を立てるだけではなく、遠い将来のことまで見通している場合に使います。 主な言い回しは
などです。 例えば「深謀遠慮の結果」であれば、遠い未来を考えて計画を立てた結果となります。 それが良い結果に対しても、悪い結果に対しても使うことが出来ます。 基本的に「深謀遠慮」は良い意味で用いられますが、「将来のことを考えすぎている」といった意味で用いられることもあります。が、主に嫌味で使われる事が多いでしょう。 「深謀遠慮の策」や「深謀遠慮の軍配」はゲームで使われている言葉です。 一般的に用いられているわけではありません。
例文
「深謀遠慮」と似た言葉に「深慮遠謀」があります。 これは漢字の順番が入れ替わっただけであり、意味は同じです。 「深慮」の意味は「欠陥のないよう考えられた計画」で 「遠謀」の意味は「将来のことを見通して考える」です。 一般的には「深謀遠慮」の方が使われています。
「深謀遠慮」の類語には 「百術千慮(ひゃくじゅつせんりょ)」 「周到綿密(しゅうとうめんみつ)」 「遠慮近憂(えんりょきんゆう)」 「先見の明(せんけんのめい)」 「備えあれば憂いなし」 「転ばぬ先の杖」 などがあります。 「百術千慮」の意味は「いろいろと方法を考え、思慮をめぐらすこと」です。 遠い未来を考えるといった意味は含みませんが、思慮をめぐらせ方法や手段を考える点で類語となります。 「遠慮近憂」の意味は「将来のことまで見通した考えを持たないでいると身近なところで心配事が起こる」です。 これは「深謀遠慮」していないと心配事が起こりますよ、ということを教える四字熟語です。 「先見の明」の意味は「事が起こる前にそれを見抜く見識」です。 先々を予測して、的確に判断する力・将来どうなるかを前もって見抜く見識を表します。
「深謀遠慮」の対義語には 「短慮軽率(たんりょけいそつ)」 「軽挙妄動(けいきょもうどう)」 「軽佻粗暴(けいちょうそぼう)」 などがあります。 「短慮軽率」の意味は「結果がどうなるかを考えずに、物事を決めたり行動したりすること」です。 「短慮」は考えた浅はかであること、「軽率」は軽々しく行動することを表します。 「軽挙妄動」の意味は「善悪を考えず、軽はずみに行動すること」です。 是非や後先なども深く考えず行動することを表します。
「深謀遠慮」を和英辞書で調べると「far sight and deep design」がよく出てきますが、これはあまり自然な英語ではありません。いかにも直訳という感じです。 「think through a plan」で「計画を熟考する」という意味になり、「深謀遠慮」に近いです。
いかがだったでしょうか? 「深謀遠慮」について理解出来たでしょうか? ✔読み方は「しんぼうえんりょ」 ✔意味は「深く考えを巡らして、遠い先のことまで考えたり計画を立てること」