「狂気の沙汰(きょうきのさた)」とは「精神状態が正常ではない行為。常軌を逸した行動」という意味の表現。「狂気」は文字通り「狂った精神」の意。「沙汰」の原義は「水で砂金や米から砂を取り除く」で、転じて「是非を論じて定めること」そして「世の中で是非が問われてしまう行動」。よって「狂気の沙汰」で「狂った行動」の意。
「狂気の沙汰」の読み方は「きょうきのさた」です。 「狂」は「発狂(はっきょう)」などと使いますよね。
「狂気の沙汰」の意味は「精神が正常ではない行動。常軌を逸した行い」という意味です。 簡単に言い換えると「くるった行動」です。 頭のおかしい人が日常的に行うことではなく、気持ちが一時的に高ぶった結果やってしまうことを指します。
「狂気の沙汰」は、故事成語が由来のことわざや偉人の発言の引用などではありません。 また、2つ以上の言葉が組み合わさって、新しい意味を成す慣用句でもありません。 「狂気」とは文字通り「狂った精神」という意味です。「常軌を逸しているさま」を表します。 「沙汰」の元の意味は「砂金や米を水につけて砂を取り除く」という意味です。 「沙」は砂、「汰」は選んで分けるの意です。「淘汰(とうた)」などと言いますよね。 「沙汰」は上記の意味から転じて「物事の善悪・是非を論じて定めること」を意味します。 また、その意から転じて「世の中の人々から善悪を問われてしまう行い」という意味が生まれました。 この意味で「狂気の沙汰」「表沙汰(ざた)」「色恋沙汰(ざた)」「警察沙汰(ざた)」「裁判沙汰(ざた)」などと使います。 それらが組合わさり「物事の処理や、善悪の判断が常軌を逸していること」=「狂っている事柄、行い」といった意味の言葉になりました。
「狂気の沙汰」は、他人の理解できない、くるった言動に対して使われます。 例えば「あの社長に直接文句を言うなんて、狂気の沙汰だ」などと使います。 この場合、「社長に直接文句を言う」ことが、常軌を逸した行為であることを指します。(そんな会社のあり方の方が常軌を逸した感じがしますが・・・) 主な言い回しは
となります。 「狂気の沙汰になる」とは使うことはできません。「沙汰」は行為を指します。
例文
「狂気の沙汰も金次第」というタイトルの書籍がありますが、これは造語です。 正しくは「地獄の沙汰も金次第」です。 「地獄の沙汰も金次第」というのは、「地獄に堕ちた時に閻魔(えんま)様がどのような審判を下されるからも、お金の有無が物を言う」という意味です。 つまり、「人生、金さえあればどうにでもなる」「この世はすべて金の力で左右される」という意味です。 この「沙汰」も語源の箇所で紹介した、「善悪を論じて定める」の意味です。 「裁定」「裁断」などと同義です。
「狂気の沙汰」は使う場合は注意が必要です。 「狂気」は「異常な精神」という意味なので、かなり辛辣な表現です。 ビジネスシーンで目上の人に使うのは論外ですが、プライベートでも他人に対してあまり使用しない方が無難でしょう。 自分の行為に対して言われていなくても、聞くだけ気分を害す人もいるかもしれません。 使う場合は十分に注意しましょう。
「狂気の沙汰」の言い換えには「正気の沙汰ではない」があります。 「狂気」の対義語は「正気」です。 「正気」の意味は「正常な心、確かである意識」です。 「正気を失う」などと使われます。 「正気の沙汰ではない」と、対義語を「ない」で否定することで、同じ意味になります。 「正気の沙汰」は否定形で使います。「正気の沙汰だ」と使うことはしません。
「狂気の沙汰」の同義語には「狂乱(きょうらん)」もあります。 「狂気」と「狂乱」はどちらも「狂」という漢字が使われていますが、微妙に意味が違います。
です。 よって、「狂乱」=「狂気の沙汰」になります。
「狂気」の類語には
などがあります。 「気違い」という言葉は精神障害者を侮辱して言った言葉でもあり、使用には十分な注意が必要です。放送禁止用語になっています。 「精神錯乱」も「精神障害」「精神疾患」のことを指す場合もあり、使用には注意が必要です。
「狂気の沙汰」の対義語は「正気の沙汰」「正常な行動」などになります。 「狂気」の反対語には「常識的」「一般的」「当たり前」「普通」などがあります。
「狂気の沙汰」の英語は「crazy」「insane」です。 これらはネガティブな意味でも使いますが、「めちゃくちゃすごい」とポジティブな意味で使うこともあります。日本語の「やばい」に似ています。 「insane」の方が、「crazy」より「狂っている」度合いが強いです。 スティーブ・ジョブズ氏がよく使ったと言われる言葉に「insanely great」があります。「狂ってるほど素晴らしい」という意味です。
「mad」はイギリス英語では「crazy」「insane」などと同じ意味です。 「mad」はアメリカ英語では「怒っている」という意味で、「angry」と同義語です。
「狂気の沙汰」は「きょうきのさた」と読みます。 「狂気の沙汰」とは「精神が正常ではない行為。常軌を逸した行為」です。 「狂気」とは文字通り「精神が異常な心」です。 「沙汰」とは「水で砂金や米から砂を取り除く」という意味で、転じて「善悪を論じて定める」の意味があります。また転じて「世の中の人々が善悪を論じる問題行動」という意味が生まれました。 「狂気の沙汰」は簡単にいえば「くるった行い」です。