「相好を崩す(そうごうをくずす)」とは「緊張した顔を和らげて、にこにこする」という意味の慣用句。「相好」は仏の容貌の特徴である「三十二相八十好」の略で、そこから転じて「顔つき。表情」という意味になった。「崩す」は「維持していたものを変える」の意。同義語に「破顔する」がある。
「相好を崩す」の読み方は「そうごうをくずす」です。 「そうこうをくずす」と読んだり、漢字を「総合を崩す」としないように注意しましょう。 「相好を崩す」の意味は「にこやかな表情になる」「顔をほころばせて喜ぶさま」です。 「表情を崩す」などの表現も小説などで見かけることがあるが、正式な慣用句ではありません。 「表情が和らぐ」「表情を緩める」の方が一般的です。 「硬い表情を崩さない」だと「緊張した面持ちのまま、笑わない」の意味になります。 「顔を崩す」という表現はないので、使わないようにしましょう。
「相好を崩す」の語源・由来を説明していきます。 「相好」は「顔」「表情」のことを表します。 要するに表情が崩れるほど顔がほころぶことを表します。 「相好」の語源は、仏の美しい身体的特徴である「三十二相八十種好」を略したものです。 見て分かる「32の特徴」と、それを詳しく言ったものが「80の種好」となります。 三十二相は、例えば「足の裏が平らという意味の足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)」や「身体と手足全てが黄金に輝いているという意味の金色相(こんじきそう)」などがあります。
「相好を崩す」は人の表情を指して使います。 ただにこやかな表情のことを指すのではなく、真顔や硬い表情から笑顔に変わることを指して使います。 例えば「緊張しながら結果待ちをしていた選手が、点数が出て1位と分かった瞬間相好を崩した」となります。 緊張して強張っていた顔が、安堵と喜びでくしゃくしゃの笑顔になったことが分かります。
例文
「相好を崩す」の類語には
などがあります。 「顔が綻びる」は「かおがほころびる」と読みます。 意味は「緊張して固くなった表情が緩むこと」「結んでいた口もとが緩むこと」です。 緊張のあまり真顔になっていたり表情が固くなっていた人が、緊張が解けて笑顔になったり表情がやわらぐ時に使います。 「口元が綻びる」と使うこともあります。 「破顔する」は「はがんする」と読みます。 意味は「顔をやわらげて笑うこと」で、微笑む様子を表します。 四字熟語には「破顔一笑」というものがあります。 意味は同じで「顔をやわらげてにっこり笑うこと」です。
「相好を崩す」の対義語には
などがあります。
「相好を崩す」を英語に直訳すると「break into a smile」になります。 ただし、このような表現はあまりネイティブは使いません。 単に「にこにこする」を意味する「smile」「grin」などの動詞を使えばよいでしょう。 「ほっとする」という意味の英語「relieve」も、「相好を崩す」のニュアンスに近いです。
「相好を崩す」とは「顔をほころばせて心から喜ぶ」という意味の慣用句です。 「そうごうをくずす」と読みます。 「相好」とは、仏の各部分の身体的特徴を表す「三十二相八十種好」の略です。 そこから転じて、「表情。顔つき」という意味になりました。 「崩す」の原義は「まとまったものを壊す」ですが、「相好を崩す」の形では「維持されて状態が急に変わる」の意味です。