「造作もない」とは「手間や費用がかからず、面倒でなく容易なこと」を意味する慣用句。「造作無い」とも。「造」と「作」はともに「つくる」の意で、「造作」で「骨折り。厄介」を意味する。「ぞうさもない」と読む。「造作」の漢字は「雑作」とも。「造作」を「ぞうさく」と読むと、「作る、特に建造物を作る」の意になる。
「造作もない」の意味は「大したことない」です。 「造作」の意味は「手のかかること」「面倒」です。 「造作をかける」とすると「面倒をかける」という意味になります。 「も」は打ち消しの補強で使われています。 「ない」は打ち消しの表現です。 要する「造作がない=面倒がない」ことを強調した言葉となり「面倒なんかではない」といった意味になります。 ちなみに「造作ない」とも使われます。 どちらも意味は同じで、正しい使い方となります。
「造作もない」の読み方は「ぞうさもない」です。 「造作」を「ぞうさく」と読むと、建築用語になり「家を建てること」という意味になります。 「造作家具」とは「オーダー家具」のことで、既製品で売られている家具ではなく家や部屋のサイズなど目的に合わせて造る家具のことです。
「ぞうさ」の漢字は「雑作」とすることもありますが、これは当て字です。 「造作もない」が一般的となります。
「御造作にあずかる」といった言葉があります。 意味は「ごちそうを振る舞ってもらう」となります。 「御造作」は「ごぞうさ」と読みます。 「ごちそう」「もてなし」といった意味を持ちます。
「造作もない」の由来について解説します。 「造作」の「造」と「作」はともに「つくる」という意味で、もともとは「ぞうさく」と読み、「特に建造物をつくること」を指していました。 昔も今も「建造物を建てる」ことは多くの労働力と時間を要し、大変な作業ですよね。よって、「造作」で「面倒。大変」という意味が生まれました。 そしてもっと遡りますと、「造作」とは元は仏教用語なのです。 仏教において「造作」とは「意識して作り出すこと」という意味です。 ここから転じて、実世界においても何かを製造する時に「造作」という言葉を使うようになりました。
「造作もない○○」の形で名詞を修飾します。 堅い表現なので、日常会話で使う機会は少なく、ビジネスシーンで主に使用します。 「造作もない仕事」なら「たやすい仕事」という意味になります。 片手間で出来ることや時間のかからないことなどを指します。 「造作もないことです」は、人の依頼を快く引き受ける際に使えるフレーズです。 誰かにお願いや依頼をされた場合に使いましょう。 「容易い御用です」と同じ意味合いになります。 「造作もなく」と副詞的にも使います。 「大したことなく」「面倒もなく」といった意味です。
例文
「造作もない」と言い換えられる熟語には
などがあります。 どれも「たやすい」「やさしい」といった意味です。
他にも類語には
などがあります。 「やすやすと」の意味は「簡単に物事を行うさま」です。 苦労や障害なく物事を進められることを表します。 「お安い御用」は「全然苦ではない」ということを表明する言い回しの一つです。 相手から依頼された際に、相手の恐縮を和らげるために使います。 特に相手が問題を起こしてしまったり面倒をかけてしまった場合に「これくらいお安い御用だよ」と安心させてあげるための言葉です。 「ちょろい」の意味は「非常に簡単であること」です。 語源は小さい物が動き回る時の「ちょろちょろ」という擬態語の「ちょろ」が形容詞化されて「ちょろい」となりました。
「造作もない」の対義語は
などとなります。 また「造作」だけで使った場合対義語となります。 「骨折り」の意味は「苦労すること、精を出して働くこと」です。 相手が面倒なことをしてくれたり、助けてくれた場合に「お骨折りいただき〜」と使います。 「厄介」は「やっかい」と読みます。 意味は「面倒で手間のかかること」「迷惑なこと」です。
「造作もない」は「簡単」という意味なので、
などになります。
It's such an easy task for him.
そんなの彼には造作もない仕事ですよ。
依頼を引き受ける時に使う場合は、
などが使えます。
"Can you deal with him?" - "No big deal."
「あいつを始末してくれるか」-「造作のないことです」
上記の例文では違う意味で「deal」を使っています。「deal with」の意味と使い方は、下記の記事を参考にしてください。
いかがだったでしょうか? 「造作もない」について理解できたでしょうか? 「造作もない」の意味は「大したことない」「容易い」です。 「造作もない仕事」「造作もないことです」とビジネスで使います。 また「造作もなく」と副詞的に使うこともあります。 類語は「簡単」「やすやすと」などがあります。 対義語は「面倒」「厄介」などとなります。