「門出を祝う(かどでをいわう)」とは、新しい生活や仕事をはじめる際に祝福や激励をすることです。ビジネスでの異動や転職の送別会、結婚式、入学式、卒業式などで使われる表現です。「門出」の元の意味は、我が家を出発して旅立つことです。
「門出を祝う」の読み方は「かどでをいわう」です。 「門出」を「かどいで」と読んでいた時代もありますが、現在は「かどで」と読まれています。 「門」は、音読みで「モン」、訓読みで「かど」と読みます。 「出」は、音読みで「シュツ・スイ」、訓読みで「でる・だす」と読みます。 それぞれ訓読みをして「かどで」と読んでいます。
「門出を祝う」の意味は「新しいスタートを応援する」です。 「門出」の意味は2つあります。 1つ目の意味は、「家を出発する」です。 例えば、長旅に出るために家を出発することを、「門出」と言います。 2つ目の意味は、「家を出発する」から転じて「新しい生活を始めること」です。 実際に旅に出たり、家をでるわけではなく、「新しい道に進んでいくこと」を「門出」と表現することができるのです。 「門出を祝う」は2つ目の意味が使われています。 「新しい生活を始めること」や「新しい道に進むこと」をお祝いし応援することを「門出を祝う」と言います。
門出を祝う花といえば、スイートピーです。 スイートピーの花言葉が「門出」です。 「門出」の花言葉には他にも、
などがあり、まさに大切な人の門出を祝うのにぴったりなお花です。 スイートピーの花言葉の由来は、スイートピーの花が飛び立とうとしている蝶の形に見えるからではないかと言われています。
「門出を祝う」の英語表現は「good luck」を使います。 「wish somebody good luck on...」で「誰々の...の門出を祝う」の意味になります。 掛け声として「Good luck!」だけでも使えます。 これから新たな旅に出発する人には「bon voyage」も使えます。 これは元はフランス語ですが、英語圏の人も使います。
Everyone wished her good luck on her new life in New York.
皆が彼女のニューヨークでの新生活の門出を祝った。
Bon voyage!
道中ご無事で!
「門出を祝う」場面に結婚式があります。 結婚式でスピーチや乾杯の挨拶を頼まれた場合、ほとんどの人が「門出」というワードを入れるかと思います。 結婚は、新郎新婦2人の新しいスタートとなります。 家族としての生活が始まるわけですから「門出」となり、結婚式に集まった人たちは2人の門出を祝いに来ています。 また、結婚式だけではなく結婚した人へのお祝いの言葉でも使われています。 結婚式へ送る祝電や、お手紙などで使うことが出来ます。
例文
入学式も「門出を祝う」が使われます。 小中高大どの入学式でも使うことができます。 新しく学校に通い始めるのも、人生の中で大きなスタートとなりますよね。 環境も人間関係も変わり子供にとって大きな門出となりますので「新しい場所でも頑張れ」という気持ちを込めてお祝いします。 また知り合いの子供が入学した際のお祝いの言葉としても用いられます。
例文
また「門出を祝う」は入学だけでなく卒業でも使うことが出来ます。 学校を卒業するということは、新しい環境へと一歩踏み出します。 新しい学校へ入学したり、就職をしたり、留学をしたり、それぞれが新しいスタートを切ります。 それを応援し、お祝いします。
ビジネスシーンでは栄転・異動・転職の送別会で「門出を祝う」という言葉が使われます。 悲しい感情を抱く場面でもありますが、これから新しい環境で精進していく上司や同僚、部下に激励の意味も込めて祝福の言葉を送ります。 「新天地でのご活躍」というフレーズが、目上の門出を祝う際に使うことができます。 「新天地でのご活躍を期待しております」などと「期待」という言葉を使ってしまうと上から目線な響きになってしまうので不適切です。 正しくは「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」「新天地での益々のご活躍を祈念しております」などとするとよいでしょう。
「門出」は「門出を祝う」以外でも多く使われています。 例えば、
などがあります。
例文
よく使用されている表現ですが、
などは厳密には二重表現ということができます。 なぜなら、「門出」という言葉自体に「新しい生活」という意味が含まれているからです。 つまり、「頭痛が痛い」と言っているのと同じです。 しかし、この世の中は二重表現であっても、多くの人が使うことによって一般化されることがあります。 例えば、「内定が決まる」「一番最初」など、何気なく使っている二重表現って実はたくさんあるのです! よって、「新たな門出」なども許容ということになります。
「船出」は、「ふなで」と読みます。 「船出」の意味は、「船から港が出ること」です。 「船が出る」で「船出」ですが、船が出航することだけではく、「船を出して進んでいく」ということから転じて「新しい生活を始めること」という意味で使用することもできます。 「船出」も、「門出」と同様に、卒業や入学といったお祝いの場で使用することができる表現です。
例文
「出立」は、「しゅったつ」と読みます。 「出立」の意味は、「旅に出発すること」です。 また、「物事を新しくはじめること」という意味で使用することもできる言葉です。 基本的に、何かを計画をしていて、その計画に向けて行動をし始めるような場面で「出立」という言葉を使用します。 小説など、文章の中で表現されることが多く、話し言葉としてはあまり使用されません。
例文
「門出」は、古語でも使用されていた言葉で、「源氏物語」にも「門出」という言葉が登場しています。 古語では、「かどいで」とも読み、
という意味で使用されていました。 なぜ「仮の」という意味があるかというと、平安時代の旅は吉日・吉方(えほう)を選んでひとまず近くに移ることが多かったからです。 そこで準備を整えてから、旅の日程の都合のよい日に出発するのが普通でした。
「門出を祝う」とは、これから新しい生活や仕事、学校などが始まる人を祝福して応援することを意味します。 ビジネスシーンでは、転職や異動、昇進などで使います。 プライベートでは、結婚式や入学式、卒業式などで使われます。 「門出」の元の意味は「旅や出陣などのために自分の家を出発すること」で、転じて「新生活を始めること」を意味します。