「無情」と「無常」という言葉をご存知でしょうか。「無情な仕打ち」「無常を感じる」などと言います。では、「無情」と「無常」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「無情」と「無常」は同音異義語で、それぞれ意味が異なります。意味を知らずに同じように使っている、違いなど気にせずに使っているという方も多いかもしれません。日常会話でも使うことがある言葉なので、違いについてきちんと知っておく必要があります。そこで今回は「無情」と「無常」の使い分けについて解説していきます。違いを正しく知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
「無情」・・・思いやりや温かみなどと、人間らしい感情を持っていないこと 「無常」・・・世の中の物や人間は常に変化するので、永遠に同じ状態が続くはずないこと
「無情」は<むじょう>と読みます。 「無」は音読みで「ム・ブ」、訓読みで「ない・なみする」と読みます。 「無」は「存在していない。いない」を意味します。 「情」は音読みで「ジョウ・セイ」、訓読みで「なさけ」と読みます。 「情」は「ある気持ちが生じること」を意味します。 「無情」の意味は、 1.思いやり慈しみがないさま 2.感情や感覚を持っていないさま です。 「無情」には2つ意味があります。2の意味では仏教用語として使うので、主に1つめの意味で使うことが多いです。 「無情」は感情が全くないということではなく、薄情・人間らしい感情を持っていない様子を表します。 例えば、事故に遭って大怪我をした人を何とも思わない、世話を一切しない人を「無情」と表現します。「無情」は人だけでなく、「無情の雨」「無情の海」「無情の夢」などとものに対しても使うことができます。 言い回しとしては、
などとなります。 「無情」の類語には、「冷血」「不良」「残酷」「熾烈」「無慈悲」「冷淡」「無感覚」「心なさ」などがあります。
例文
「無常」は<むじょう>と読みます。 「無」は音読みで「ム・ブ」、訓読みで「ない・なみする」と読みます。 「無」は「存在していない。いない」を意味します。 「常」は音読みで「ジョウ」、訓読みで「つね・とこ・とわ・とこしえ」と読みます。 「常」は「変化がないこと。同じ状況が続くこと」を意味します。 「無常」の意味は、 1.人の命はあっけないこと。人生は変わりやすいこと 2.人の死 3.物は変化するため、永遠に同じ状態の物はないこと です。 元々「無常」は仏教用語で、「物は変化するので、一定ではないこと」を意味します。 例えば、携帯や冷蔵庫などいつかは壊れてしまうので、ずっと使い続けることができるわけではありません。 人や動物なども同じで、永遠に生きられるはずはなく、いつかは死んでしまいます。これを「無常」と言います。 言い回しとしては、
などとなります。 「無常」の類語には、「短命」「儚い」「まぼろし」「虚しい」「有為転変」「栄枯盛衰」などがあります。
例文
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