「共々」の意味と使い方を正しく理解していますか?「共々」はビジネスシーンはもとより年賀状や御礼、結婚式など様々な場面で使う表現になります。夫婦共々、親子共々、主人共々、家族共々、役員共々、関係者共々、担当者共々など色々な言い回しが存在します。また、「共々」と「一同」の違いも解説します。
「共々」は「ともども」と読みます。 「共々」は「共共」と書くのが正式ですが、「共々」と書くのが一般的です。
「共々」は「一緒に、そろって、ともに」という意味です。 「一緒に同じことをするさま」「どちらも同じ状態であるさま」を表現する言葉です。 共々は、2人以上の人が同じことをすることを表す言葉です。 2人の場合もあれば、3人、4人の場合でも使うことができます。
「◯◯共々」の形で使います。
などと使います。 「兄共々」などと言う場合は、「兄」と「話者本人」が同じ状態だ、という意味になります。 「親子共々」は文字通り「親」と「子」が一緒に〜する、という意味になります。
「共々」は相手に対して使う言葉ではありません。 相手が目上・目下の人関係なく、相手を含めて使うことはできません。 「ご家族共々いらしてください」などとは言わないので注意してください。 「共々」は親族や社内の人など身内に対して使う言葉なので、他人に対して使うと失礼に感じる人が多いです。
「共々」はビジネスシーンや年賀状などかしこまった場面で使われる言葉ですが、謙譲語ではありません。 よって、ビジネスの場面で取引先や顧客などの目上の人に対して使う場合は、その他の表現を謙譲語や丁寧語にする必要があります。 上記でも触れましたが、「共々」は身内に対して使う言葉なので、尊敬語を使うのは誤りです。 「共々」を謙譲語だと誤認しやすい原因に「私共(わたしども)」という言葉があります。 「私共(わたしども)」は謙譲表現で、「私達(わたしたち)」をへりくだって言う表現です。 同じ「共」という言葉が使われていますが、「共々」は謙譲語ではないので混同しないようにしましょう。
「共々」は結婚式でよく使う表現なのですが、結婚式で使ってはいけない表現に「重ね言葉」があります。 「重ね言葉」とは、「再び、再度、またまた、しばしば、重ね重ね」など「再婚」を連想される言葉や同じ音を繰り返す言葉を指します。 「共々」は「一緒に」という意味なので「再婚」を連想させる言葉ではありませんが、同じ音を繰り返す表現ではありますよね。 しかし、「共々」は「一緒に、そろって」という意味で「離婚・再婚」とは真逆の意味なので、「重ね言葉」に含めないのが基本です。 (同じ言葉を繰り返すすべての言葉が重ね言葉ではない、ということになります) 人によっては「共々」を使うのを避ける人もいますが、基本的には結婚式で「共々」は使っても問題ありません。 「共々」を使うのを一応避けたい方は「夫婦共々」を「私たち」「私ども」「私たち一緒に」と言えばよいでしょう。
社長や役員は自分にとっては目上の存在ですが、社外からしたら身内で同じ立場になりますので、「社長共々」「役員共々」は正しい表現になります。 取引先やパートナー企業に対して自社の説明をする際に、社長や役員なども挙げる必要がある場合は「社長共々」「役員共々」などと言えばよいでしょう。 しかし、それなりの立場のある人が使わないと違和感があります。 例えば、新人社員が「社長共々〜」などと言うのは不適切です。 「社長共々」と言う人はそれなりの立場があり、日常的に社長と直接コミュニケーションを取ることができる人が使います。 身内ならば目上の人に対して「共々」は使うことは可能ですが、基本的には同等または目下の人を指して「共々」と言うのが基本的になります。 例えば、社長が「社員共々〜」と言ったり、営業部長が「営業部の◯◯共々〜」などと言うことの方が多いです。
ここからは「共々」の具体的な使う場面を例文付きで見ていきましょう。
ビジネスシーンで「共々」は、身内の社員や子会社、関連会社、自社サービスなどを紹介するときによく使われます。 上記でも解説しましたが、基本的には責任のある立場の人が部下を指して「共々」は使います。 「共々」は人だけではなく、子会社やサービスなどを紹介するときにも使うことができます。 「◯◯共々〜」の後には「よろしくお願いします」という文章が続くことがほとんどです。
例文
「共々」はビジネスシーンで取引先や顧客に対して、責任者が部下と一緒に感謝している旨を伝えるときにも使われます。 例文です。
例文
「共々」は挨拶でも使われます。 特に年賀状での新年の挨拶や公式サイト上の創立記念日での挨拶などで使われることがあります。
例文
「重ね言葉」の箇所でも少し触れましたが、「共々」は結婚式でよく使われる表現です。 夫婦そろっての挨拶や御礼を述べるときに使います。 「夫婦共々」という言い回しでよく使われます。
例文
ビジネスシーン以外でも、「共々」は年賀状の新年の挨拶でも使われます。 「家族共々」「主人共々」「家内共々」などの表現がよく使われます。
例文
出産時に「母も子も健康」と言う場合は、「共々」ではなく「共に」を使い、「母子共に健康」などと言うのが普通です。
その他でも手紙やメールで「共々」を使うこともあります。
例文
「共々」と「一同」の意味は似ています。 「一同」は「居合わせた者や仲間の全体、みんな」という意味になります。 「社員一同よろしくお願いいたします」などと言う場合には「共々」と置き換えることが可能です。 「一同」はご祝儀やお香典などで「株式会社◯◯ 社員一同」などと送り手の名称として使うことがあります。この場合は「共々」に置き換えることはできませんので注意しましょう。
「一同」以外の「共々」の類語には、
などがあります。 すべて複数の人々が同時になにかをしたり、同じ状態にあることを意味します。 「ともに」は「共に/倶に」の2つの漢字があります。
「共々」を英語で表現する際は、「with」「both」「together」などを使います。
Both my wife and I are very happy to hear that.
家内共々その知らせに喜んでおります。
I'm going to participate in it with my son.
親子共々参加させていただきます。
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