「蓋然性」は「確からしさ」、「可能性」は「有無を問う」という点が大きな違いです。「蓋然性」の意味は「ある事柄が起こり得る確実性の度合、判断などが多分そうであろうという可能性の程度」です。「可能性」の意味は「物事が実現できる、現実となりうる見込みや事実がそうである見込み」です。
「可能性」と「蓋然性(がいぜんせい)」は非常に意味が似ていますが、微妙に違います。 「可能性」は「将来の見込み」を意味する一般的な語です。 「可能性」は本来、可能か不可能か(の二者択一)を表す語で、「可能性がある/ない」というのが正しい使い方です。 「蓋然性(がいぜんせい)」は聞き慣れない難しい語ですが、「確率」と同義語だと認識すると分かりやすいです。 全ての物事には0%から100%までの確率が存在するので、「蓋然性が高い/低い」というのが正しい使い方です。 すべてに「蓋然性がある」のは当たり前で、「蓋然性がない」ものはこの宇宙に存在しません。確率0%でも、0%という蓋然性が存在することになります。 確率が0%の場合、「可能性がない」ということができます。 確率が1%以上あるならば、「可能性がある」といえます。
「可能性」と「蓋然性」は意味が違うのに混同される原因は、使い方にあります。 「可能性」には「高い/低い」「大きい/小さい」「強い/弱い」「多い/少ない」などの程度表現がありますが、これは本来は間違っています。 「可能性」は本来、可能か不可能かを表す語なので、高いも低いもありません。あるか、ないか、です。 「可能性が高い」は、厳密には「可能性の程度が高い」または「蓋然性が高い」と言い換えるのが正しいです。 よって、「蓋然性」=「可能性の程度」ということができます。 しかし、「可能性が高い/低い」は慣例的によく使われため、間違った表現とは現代ではいえません。 「蓋然性」もまた然りで、「蓋然性がある/ない」という表現は本来おかしいです。 「可能性」と「蓋然性」は本来の意味とは反して、混同して使用されています。
「可能性」と「蓋然性」はどちらも英語の訳語です。 「可能性」は英語で「possibility」です。 形容詞は「possible」です。 「possibility」は「possible」か「impossible」かの二者択一です。 「蓋然性」の英語は「probability」です。 形容詞は「probable」です。 「probability」は「low」から「high」までグラデーションです。
「蓋然」は「おそらくそうであろうと思わせるさま。ある程度確実であるさま。多分そうであるさま」という意味のため、「可能性」より「蓋然性」の方が実現する見込みが高いともいえます。 「可能性」はあくまで主観的で、「蓋然性」は客観的事実に基づくなどといわれる場合もあります。 しかし、それは「蓋然」の意味であって、「蓋然性」はあくまでも「可能性の程度」という意味なので、当てはまらないと考えるのが妥当です。 そもそも、「蓋然」という言葉が知らない人が多いので、そのニュアンスも伝わらないでしょう。 したがって、「可能性が高い」と「蓋然性が高い」はほぼ同義と考えて問題ありません。 「可能性」は口語的表現で、「蓋然性」は文語的表現という違いもあります。
「蓋然性」は「がいぜんせい」と読みます。 「蓋然性」の意味「ある事柄が起こり得る確実性の度合」です。 また、ある事柄が真である確実性の程度をいいます。 「蓋」には、「おそらく、思うに、たしかに」という意味があります。 「然」には、「そうである、そのとおりである」という意味があります。 「蓋然性」は、様々な点からみてそうなることが十分に予測できることを表します。 必然と偶然の間にある概念で「多分こうなるであろう」という根拠がある場合に限って使われます。 例えば、「数学」「統計学」「哲学」「投資」「特許」「会計」「法律用語」など専門的な分野で「蓋然性がある」などと使われることが多いです。 ちなみに、「蓋然性」をはっきりと数値化したものが「確率」になります。 その他の主な言い回しには
などがあります。 「蓋然性」の対義語は「必然性(ひつぜんせい)」です。 「必然性」は「必ずそうなる」という意味です。 「蓋然性」は、確実性の度合いを表す言葉なので「そうなること以外はありえないこと」を表す「必然性」は対義語になります。
例文
「可能性」は「かのうせい」と読みます。 「可能性」の意味は、「物事が実現できる見込み。事実がそうである見込み」です。 「可」には、「できる」という意味があります。 「能」には、「あたう。よくする。よくできる」という意味があります。 「可能性」は、未知の事柄の実現についてある程度可能だと予測される状態にあることを表します。 例えば「これは犯人の足跡である可能性がある」などと使います。 また、何かを実現できる潜在的な要素という意味で使うこともあります。 例えば「無限の可能性がある」など使います。 「無限の可能性がある」は、可能性が無数に多くあることや、様々な変化や出来事が考えられることを表しています。 「可能性がある」の他にも、
といった、言い回しで見込みの有無を表現することが出来ます。 また、
などの使い方もできます。
例文