何でも疑ってしまう「疑心暗鬼」な人っていますよね。 なぜ、そこまで他人を疑ってしまうのでしょうか。 今回はそんな「疑心暗鬼」の原因に迫ります! さらには、克服方法も紹介します。 まずは、「疑心暗鬼」について詳しく知りましょう。 意味や使い方、由来まで解説します。 例文と類語も紹介し分かりやすく説明していきます!
「疑心暗鬼」とは、「疑心、暗鬼を生ず」の略です。 意味は、「疑心が起こると、ありもしない恐ろしい鬼の形が見えるように何でもないことまでも疑わしく恐ろしく感じること」「疑心があるために、何でもないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること」です。 「疑心」は疑う心のこと、「暗鬼」は暗闇の中の鬼・亡霊のことを意味します。 疑いの深さから、あらぬ妄想に囚われてしまう様子を表しています。 疑う心があるだけで、見るものすべてが疑わしく思えたり恐ろしく思えたりしてしまうことです。
中国の春秋時代の思想家に禦寇 (ぎょこう)という人がいました。 その人の著書である『列子』に「疑心暗鬼」の由来となるが書かれています。 内容は、「あるところに鉞(まさかり)を失くした男がいました。男は、隣家の息子が盗んだのではないかと疑い、様子を見ることにしました。すると隣家の息子の顔つきも話し方も態度も鉞を盗んだ者のように見えました。 ところがしばらくして、男は山を歩いていると失くした鉞を見つけました。 その後、隣家の息子を見ると、顔つきも話し方も態度のどれをとっても鉞を盗んだ者のようではなかった」というものです。 要するに、疑う心があると盗んでいない者であっても言動や顔つきすべてが盗人のように見えるということです。 ちなみに「疑心、暗鬼を生ず」といった言葉は、この「列子」では出て来ません。 この話を解説した「沖虚至徳真経鬳斎口義(ちゅうきょしとくしんきょうけんさいくぎ)」という文献で喩えられました。
「疑心暗鬼」は、疑惑があることや証拠のある疑惑に対する疑心については使いません。 実際に疑うべきことではないかもしれないけど、なんでも疑わしく思ってしまうことを指します。 主に、 「疑心暗鬼になる」 「疑心暗鬼に駆られる」 「疑心暗鬼に陥る」 「疑心暗鬼の状態」 「疑心暗鬼を生じる」 などと使います。 詳しくは例文を参考にしてください。
「彼女は仲の良かった友達に裏切られ、誰に対しても疑心暗鬼になっている」 「こんなにもことがうまく進みすぎると、疑心暗鬼を生じる」 「疑心暗鬼に駆られて、暴言を吐き何もしていない恋人を傷付けてしまった」 「疑心暗鬼の状態の彼に、何を言っても聞く耳を持ってはくれなかった」 「親に捨てられ、友達にいじめられていた彼はどんどんと疑心暗鬼に陥った」 「一度疑心暗鬼になると、なかなか克服ができない」
「疑心暗鬼」とは、理由や証拠もなく周りを疑っている様子を表します。 この「疑う心」とは誰にでも潜んでいるものです。被害妄想をしてしまったり、誰かを疑ってしまったりすることは、人間の「防衛機制」に基づく当たり前の反応ではあります。 ただ大半の人はうまくこの感情を消化したり、そこまで悩んだりせずに日々過ごしています。 ではなぜ、「疑心暗鬼」に囚われてしまうのか、原因を説明していきます。
疑心暗鬼の原因のひとつに、「トラウマ」が考えられます。 特に、家族や友人、恋人など親しい間柄に裏切られた経験など人を信頼できなくなるような出来事があった人は、それが原因で「疑心暗鬼」に陥ってしまっていることが多いです。 最も信頼していた友達に陰口を言われていた、両親がいつも喧嘩をしどちらも自分に対してお互いの悪口を言ってきていた、結婚を考えていた恋人に浮気された、などです。 そして、自分自身が誰かを裏切った経験からも人を疑ってしまうことがあります。 誰かを騙したり裏切った経験があると、周りも自分に対してそうなのではないかと思ってしまいます。 それは「防衛機制」の中の「投射(投影)」にあたります。 自分自身が持っている傾向を他人が持っていることにしようとする、一種の責任転嫁です。
「外見が良くない」「学歴がない」「友達が少ない」「結婚していない」など、さまざまなコンプレックスを抱いている人がたくさんいます。 それでも「完璧じゃなくてもいいじゃない」「自分にはこういう良いところもある」と思えると、「疑心暗鬼」にはなりません。 しかし、この「コンプレックス」が強くなると、「周りからも良く思われていない」「外見が悪いから結婚できないんだ」「学歴がないから誰からも認めてもらえない」などと、「コンプレックス」が原因で周りに対して「疑心暗鬼」になってしまいます。
「自己否定感」も「コンプレックス」の原因である「投射(投影)」が原因である場合が多くあります。 自分が自分自身を受け入れられないことを他人が受け入れてくれないことにしてしまいます。 また、自分を否定するあまりに、「他人から嫌われていて当たり前」「他人に悪く思われている」と決めつけて、周りから嫌われていると思い込んでしまっている状態です。
「プライドが高い人」がなぜ「疑心暗鬼」になってしまうかというと「傷付きたくないから」です。 傷付かないように、最初から信じないようにしているのです。 疑い続けていると、疑わなくていいことまで疑うので、疲れたり無駄に嫌な気持ちになったりします。 しかし、信じていた相手に裏切られて傷付けられることと比べれば、まだマシなわけです。 「プライドが高い人」は、他人によって傷付けられた自分を、どうしても受け入れられません。 そういう面での「プライドの高さ」には、「甘えられない環境で育ったことから弱みを人に見せられなくなってしまった」ことが原因だったり、「傷付いたときに慰めてくれる人がいなかった」ことなどそれぞれに理由があります。
「SNS」では、相手の自分が知らない一面や自分以外の人たちで集まっていることを知ることがあります。 相手は、自分の生活の一部を載せたり話したりしているだけであっても、「自分よりこの人との方が楽しそう」「自分はこの会に呼ばれなかった」などと感じて「自分は嫌われている」と「疑心暗鬼」になってしまいます。 人はどうしても他人の動向が気になるものですが、あまり深読みはしないことをおすすめします。
では、「疑心暗鬼」をどのように克服していけばいいのでしょうか。 「疑心暗鬼」の治し方をいくつか紹介します。
「疑心暗鬼」がどうしても消えないときは、前向きな人やポジティブな人と過ごす時間を作ってみてください。 どんなことも気にせずにいつも楽しそうな人を見ていると、「こんな風に何も気にしないでいられたら楽だろうなぁ」と思ったり、「自分だけこんなに悩んでバカバカしいなぁ」などと思ったりします。 また、ポロッと「わたしは嫌われてるからな」などとその人に話をしても「それは気にしすぎじゃない?」とスパッと言ってくれて、そういった一言がキッカケで心が軽くなったりします。
心や体が疲れていたりストレスが溜まっている状態だと、イライラしたり疑い深くなったりと、何かとマイナスな方へと思考が働いてしまいます。 自分が元気な時って、周りは気にならないものです。 なんだか最近なにごとにも「疑心暗鬼だな」「イライラするな」と感じたら、ゆっくりと身体を休めてしっかりと睡眠を取りましょう! それだけで身も心もスッキリします。
職場や学校など、ひとつ空間に長くいると自分のことや他人との関わりを客観的に見れなくなることがあります。 そういった時は、いったんその仕事や人間関係のことを考えない時間を作ってリフレッシュすると良いですよ。 自分の趣味に没頭する時間や、おいしいものを食べる時間、行ったことのない場所に行くなどして気分転換をはかりましょう。
いっそのこと、開き直ってしまいましょう。 実際に疑っている内容が事実だとしたら、傷付くかもしれません。 ですが、それだけがあなたの人生ではありません。 たとえ、その相手が家族や友人、恋人であっても、本当に疑っていた内容が事実なのであれば一緒にいることは出来ませんし、違えばそれまでのことです。 そうかもしれないけど、そうだとしたらその時考えよう!と、疑った事実を恐れずに開き直って受け止めてしまいましょう!
○呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ) 意味:勘違いして無駄に怯えること …呉は中国の地名で南方にある。暑い地域である呉にいる牛が月を見ても太陽だと思い苦しそうに呼吸することから由来している ○窃鈇之疑(せっぷのうたがい) 意味:確かな証拠がなくても、相手の言動のすべてが疑わいく思えること …「疑心、暗鬼を生ず」の元となった話 ○風声鶴唳(ふうせいかくれい) 意味:怖気づいて、わずかなことにも恐れてしまうことの喩え …「風声」は風の音、「鶴唳」は鶴の鳴き声、風の音や鶴の鳴き声にも敵が来たのかと恐れてしまう様子 ○草木皆兵(そうもくかいへい) 意味:全てが敵に思えてひどく怯えている様子 …相手の勢いなどを恐れるばかりに気が動転し、草木が敵の兵士に見えること ○警戒心 意味:危険などに備えて予め注意し、用心する気持ち ○不信感 意味:相手を信用出来ないという気持ちや考えを心の中に持つこと ○猜疑心(さいぎしん) 意味:相手に行為に対して自分が不利になるのではと疑う気持ち、妬む気持ちのこと
「疑心暗鬼」の直接的な英語表現は存在しませんが、近い表現ならいくつか考えることが可能です。 「疑いたくないけど疑ってしまう」と表現するならば、
I don't want to, but can't help being doubtful about others.
他人に疑心暗鬼なっている。
などと表現することが可能です。 「can't help ...ing」で「...せずにはいられない」という表現にんります。 「疑う」を意味する形容詞は
などがあります。 「かじる」という意味の動詞「gnaw」を使い「gnaw at...」で「...を苦しめる」という意味になります。「A doubt gnaw at her」で「疑いが可能を苦しめる」=「彼女は疑心暗鬼になる」というニュアンスと捉えることもできます。「She is suffering from doubts」と表現することも可能でしょう。
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「疑心暗鬼」について、理解できたでしょうか? ✔「疑心暗鬼」は「ぎしんあんき」と読む ✔疑心があるために、何でもないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること ✔「疑心暗鬼」に囚われたら、気分転換をするか開き直りましょう 「疑う」ということは、相手も傷付け自分も疲れてしまいます。 すべての事実をしっかりと受け入れ解消し、新たな自分への成長の糧としていきましょう!